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7話 ルティロン視点
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ロデ・メンデスの意図がわからない。
彼の言う通り、ハルサッグ嬢からルティアン宛にお茶会の招待状が届いた。なぜ俺ではなく、妹なのだろか。
もしかして、ハルサッグ嬢が勘違いして俺ではなく、ルティアンを招待したとか?
はあ、また女装しなくてはいけないのかよ。勘弁してくれ。
ロデの身辺調査をしたが、二年前の剣術大会の優勝者だった。強いはずだ。年齢は俺と同じ歳。年下だと思っていた。彼自身が、男爵だとは驚いた。もしかしたら、ハルサッグ副隊長は、彼と娘を結婚させる気でいるのだろうか。
平民出の男爵だが、身分を気にしないのならあれだけ強いのだから、嫁にと考えてもおかしくないか?
ただそれ以外の事は、探れなかった。謎の男だが。
ハルサッグ嬢の事もあまりわからない。
潔癖症でいつも手袋をしていて、あまり外へ出かけないようだ。
ハルサッグ副隊長が溺愛していて外に出さないらしく、今年から通う学校にも行っていないようだ。まあ、学校は絶対に行かなくてはいけないものでもないが。
俺も通う気はない。知らないやつらばかりだし。
今日のお茶会は、ハルサッグ副隊長はご存じなのか。
というかもしかして、ロデが休みの日はいつもお茶会をしていて、それで招かれたとか?
俺は、ドキドキしながらハルサッグ邸に向かった。
「お待ちしておりました。ラフリィード嬢。こちらへ」
ハルサッグ嬢自ら部屋へと案内してくれて、侍女が茶を入れてくれる。
ロデはまだ来ていないようだ。
女装しているとはいえ、女性の部屋に入ってよかったのだろうか。後でハルサッグ副隊長にしれたら、殺されるかもしれない。
「そんなに緊張なさらないで」
俺は、こくんと頷く。ハルサッグ嬢がじーっと俺を見つめる。
お、男だとバレたか!?
「これを飲んだら出かけましょう。連れて行って差し上げたい場所がございますの」
「………」
俺は、頷くしかなく……声を出せないからな。
先日のお茶会では、つい声を出してしまったけど、男だとはバレてはいないようだ。
それにしてもロデが遅い。聞きたいけどけ、聞けない。あぁもどかしい。
「少し失礼するわ」
そう言ってハルサッグ嬢が侍女と一緒に、寝室へと入って行き暫くすると、コートを羽織り出て来た。
もしかして、ロデが来ていないが出かけるのだろうか。
「では行きましょうか」
また頷くしかない。
行く先で彼が待っているのだろう。
「お嬢様。本当に宜しいのですか?」
「大丈夫よ!」
侍女に問われたハルサッグ嬢が嬉しそうに答えた。何が大丈夫なのか。俺は不安しかないのだが。
馬車に乗り暫くすると、いきなりハルサッグ嬢がコート脱ぎだした。
暑いのかと見れば、コートの中の服装に驚く。騎士団の制服だ。どういう事だと驚いていれば、するりと髪が抜け落ちた。
目の前に座るのは、ロデ・メンデスだった!
「じゃ~ん。驚いた?」
声が出ない口を俺はパクパクとするだけだ。どうなっているんだ~!!
「いやぁ。私の方はすぐに気が付いたのに、ラフリィード嬢は全然気づかないんだもん。だからちょっと驚かせようかと思ってね。怒った?」
「………」
はぁ!? バレていただと。いつから?
「ラフリィード嬢は、侯爵だから私がお誘いしても来て下さらないと思って、ちょっと小癪な手を使ってごめんなさいね。ただ男装仲間として仲良くしたかったのよ」
うん? 男装仲間? はぁ? 男装!?
「男性用の服を着て、髪を束ねただけだと顔を見た事がある方なら気づかれるわ。現に、訓練場で一目見てラフリィード嬢だとわかったもの」
なんだそれは。俺は、男ではなく女だと思われているのか? 最初に出会ったのがルティアンだからなのか。それはそれでショックだ。
「ごめんなさい。知っていて手加減しなくて。体大丈夫でした?」
打ちひしがれる俺を覗き込むようにして、ロデが言う。
そういえば、俺が令嬢だと思っていても手を抜かなかったのだな。ある意味凄い。
うん? ちょっと待てよ。という事は、ロデはハルサッグ副隊長の娘?
「あ、もしかして、ロデの事を調べてた? 優勝したのは、実力よ。強すぎて騎士になるしかなくって。あ、部隊で知っているのは副隊長のお父様だけだから内緒でお願いね」
は? それってもしかして、隊長すら知らない案件なのか?
なぜそんな重大な秘密をこうもあっさり暴露するんだぁ。
俺が万が一、これを他の者に漏らせばハルサッグ副隊長に、マジで命を狙われる!
その前は、特殊部隊に所属だったはず。
冗談じゃない。ハルサッグ副隊長にまで、命を狙われる事になったら笑えないだろうが!
彼の言う通り、ハルサッグ嬢からルティアン宛にお茶会の招待状が届いた。なぜ俺ではなく、妹なのだろか。
もしかして、ハルサッグ嬢が勘違いして俺ではなく、ルティアンを招待したとか?
はあ、また女装しなくてはいけないのかよ。勘弁してくれ。
ロデの身辺調査をしたが、二年前の剣術大会の優勝者だった。強いはずだ。年齢は俺と同じ歳。年下だと思っていた。彼自身が、男爵だとは驚いた。もしかしたら、ハルサッグ副隊長は、彼と娘を結婚させる気でいるのだろうか。
平民出の男爵だが、身分を気にしないのならあれだけ強いのだから、嫁にと考えてもおかしくないか?
ただそれ以外の事は、探れなかった。謎の男だが。
ハルサッグ嬢の事もあまりわからない。
潔癖症でいつも手袋をしていて、あまり外へ出かけないようだ。
ハルサッグ副隊長が溺愛していて外に出さないらしく、今年から通う学校にも行っていないようだ。まあ、学校は絶対に行かなくてはいけないものでもないが。
俺も通う気はない。知らないやつらばかりだし。
今日のお茶会は、ハルサッグ副隊長はご存じなのか。
というかもしかして、ロデが休みの日はいつもお茶会をしていて、それで招かれたとか?
俺は、ドキドキしながらハルサッグ邸に向かった。
「お待ちしておりました。ラフリィード嬢。こちらへ」
ハルサッグ嬢自ら部屋へと案内してくれて、侍女が茶を入れてくれる。
ロデはまだ来ていないようだ。
女装しているとはいえ、女性の部屋に入ってよかったのだろうか。後でハルサッグ副隊長にしれたら、殺されるかもしれない。
「そんなに緊張なさらないで」
俺は、こくんと頷く。ハルサッグ嬢がじーっと俺を見つめる。
お、男だとバレたか!?
「これを飲んだら出かけましょう。連れて行って差し上げたい場所がございますの」
「………」
俺は、頷くしかなく……声を出せないからな。
先日のお茶会では、つい声を出してしまったけど、男だとはバレてはいないようだ。
それにしてもロデが遅い。聞きたいけどけ、聞けない。あぁもどかしい。
「少し失礼するわ」
そう言ってハルサッグ嬢が侍女と一緒に、寝室へと入って行き暫くすると、コートを羽織り出て来た。
もしかして、ロデが来ていないが出かけるのだろうか。
「では行きましょうか」
また頷くしかない。
行く先で彼が待っているのだろう。
「お嬢様。本当に宜しいのですか?」
「大丈夫よ!」
侍女に問われたハルサッグ嬢が嬉しそうに答えた。何が大丈夫なのか。俺は不安しかないのだが。
馬車に乗り暫くすると、いきなりハルサッグ嬢がコート脱ぎだした。
暑いのかと見れば、コートの中の服装に驚く。騎士団の制服だ。どういう事だと驚いていれば、するりと髪が抜け落ちた。
目の前に座るのは、ロデ・メンデスだった!
「じゃ~ん。驚いた?」
声が出ない口を俺はパクパクとするだけだ。どうなっているんだ~!!
「いやぁ。私の方はすぐに気が付いたのに、ラフリィード嬢は全然気づかないんだもん。だからちょっと驚かせようかと思ってね。怒った?」
「………」
はぁ!? バレていただと。いつから?
「ラフリィード嬢は、侯爵だから私がお誘いしても来て下さらないと思って、ちょっと小癪な手を使ってごめんなさいね。ただ男装仲間として仲良くしたかったのよ」
うん? 男装仲間? はぁ? 男装!?
「男性用の服を着て、髪を束ねただけだと顔を見た事がある方なら気づかれるわ。現に、訓練場で一目見てラフリィード嬢だとわかったもの」
なんだそれは。俺は、男ではなく女だと思われているのか? 最初に出会ったのがルティアンだからなのか。それはそれでショックだ。
「ごめんなさい。知っていて手加減しなくて。体大丈夫でした?」
打ちひしがれる俺を覗き込むようにして、ロデが言う。
そういえば、俺が令嬢だと思っていても手を抜かなかったのだな。ある意味凄い。
うん? ちょっと待てよ。という事は、ロデはハルサッグ副隊長の娘?
「あ、もしかして、ロデの事を調べてた? 優勝したのは、実力よ。強すぎて騎士になるしかなくって。あ、部隊で知っているのは副隊長のお父様だけだから内緒でお願いね」
は? それってもしかして、隊長すら知らない案件なのか?
なぜそんな重大な秘密をこうもあっさり暴露するんだぁ。
俺が万が一、これを他の者に漏らせばハルサッグ副隊長に、マジで命を狙われる!
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