【完結】ミキって書かせて頂きます

すみ 小桜(sumitan)

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30話 小さなミスで

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 ほどなくして、サイレンが聞こえ、警察が到着する。

 「えー。若狭さんと浅井さんでしたね」

 年配の刑事と若い女性刑事が声を掛けて来た。
 二人は警察手帳を提示した。
 年配の刑事は青野あおの、女性刑事は緑川である。

 「二人は、佐藤さんとはどのような関係ですか?」

 青野は、二人に聞く。

 「はい。先日取材を通して知り合いました。今日は、相談があるというので伺ったんです」
 「こんな朝早くにですか?」

 ミキが答えると、速攻に青野は質問を返してきた。

 「はい。昨日の夜にと言われたのですが、仕事があったので今日の朝にしてもらったんです」

 青野は頷くと更に質問をする。

 「取材というのはどのような?」
 「サッポロンというシニアサロンで特殊詐欺について取材しました」
 「それは、いつ頃の話ですか?」

 今度は、緑川が聞いた。

 「今週の火曜日です」
 「火曜日? その日に初めてお会いになったのですか?」
 「そうですけど……」

 青野と緑川は顔を見合わせる。

 「随分仲良くなったんですね。で、相談の内容は?」
 「わかりません」

 青野の質問に、ミキは素直に答えるも刑事たちは納得していない様子だった!

 「あの、この前撮ったの見ますか?」

 突然、浅井がそう切り出した。

 「撮った?」
 「はい。僕は、カメラマンなんです」

 浅井はそう返事をすると、脇に抱えていたヘルメットを床に置き、リュックからカメラを取り出した。
 そして、画面を表示させ、刑事たちに見せる。
 取り替えたメモリーカードには、火曜日に撮った画像が入っていたのである。

 「失礼……」

 青野は受け取ると、撮った画像を全て見た。

 「なるほど。取材は本当みたですね」
 「当たり前です!」

 ムッとしてミキは言った。

 「申し訳ないが、そのリュックの中拝見できますか?」
 「いいですよ。でも、乱暴に扱わないで下さいね」

 浅井は、青野の申し出に頷くと、そう言ってリュックを床に置いた。
 緑川がリュックの中身を確認する。
 三脚などが入っており、特段気になるモノはなかった。

 「ありがとうございます」

 緑川がそう言うと、浅井はリュックのチャックを閉め背負った。

 「宜しければ、若狭さんの鞄の中も見せて頂きたいのですが……」

 青野は、肩から斜め掛けしているショルダーバックを見て言った。

 「別に構いませんよ」

 鞄を肩からはずし、青野に手渡した。
 青野は、スッと鞄から何を出した。それは、ICレコーダーだった!

 「これは?」
 「仕事に使う物です。今日もサッポロンに取材予定だったので」
 「再生してみても宜しいですか?」
 「どうぞ」

 ミキは頷いて答えた。
 前回も録音したが必要なくなったので消去したのである。中には何も録音されていないはずだった……。

 『私は、相内瞳です。明後日札幌で仕事なので、その前にまったりしようと思いまして。宜しくお願いします』
 『俺は八田秋広。瞳と同室で……』

 ミキは、ギョッとした!

 ――これ、もう一つのレコーダーだわ! 削除しないで入れっぱなしだったの忘れていた。しかも、こっちの方だなんて!

 表情には出さないが、焦っているミキに何も言わずに、青野は少し早送りして飛ばすと、また再生する。

『……七分。楠里奈さん。女性。うつ伏せ状態で頭に血痕あり。白いシャツに紺のタイトスカート……』

 バッと青野と緑川は、ミキを見る! これは何だという事だ。

 「これは、一体……」

 青野は、ミキに問う。
 その間も再生は続く。

 『警察が来るまで、部屋の外に出てくれないか? そう言われたので』
 『あ、ごめんなさい。そのやっぱり亡くなっているの?』

 ッピ。
 ここで青野は停止させた。

 「これは、どう聞いても取材ではなさそうですが……」

 青野は、鋭い目線でミキに質問した!
 ミキは、ため息をつく。自分自身に飽きれたのである。

 ――あぁ。大失敗。

 「それは、先日遭遇した殺人事件でして。もう、犯人は逮捕されてます」
 「随分と事件に遭遇なさるんですね」

 青野は、ミキの返答を聞いても不信感は拭えないらしく、鋭い目つきは変わらない!

 「そう言われても……。そのレコーダーは今回の事件に関係ないですし」
 「それは、こちらで調べてみないと……。署まで来て頂いても宜しいですか?」

 緑川が二人に向かって言った!

 「浅井さんは、前回の事件に係わってないわ。今回初めて組んだの」

 浅井は、どうしたらいいのかとオロオロしている。

 「そうですか。では若狭さん、署で詳しいお話をお聞きして宜しいですか?」
 「わかりました。いいですよ」
 「え! ミキさん……」
 「大丈夫よ。前の事件は解決しているし。今回だって犯人じゃないんだし。でももし時間までに戻れなかったら悪いけど、一人で取材宜しくね」
 「えー! 無理ですよ!」

 浅井は驚いて言ったが、ミキは大丈夫と手を振った。
 刑事たちと自動車に乗り込んだミキを浅井は取りあえずバイクで追った。
 当たり前だが、着いた先は手稲警察署だった。
 そしてついてきたはいいが、どうしたらいいのかわからず、浅井はただ建物を見上げていた。
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