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45話 真犯人
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ミキを連れて来た自動車は、凄い勢いで発進し遠ざかる。
「追いかけなくていいのか?」
「すぐに捕まるさ。それより俺は佐藤の居場所を教えろと言っただけで、ここに行ってくれとは言ってないが?」
遊佐は、声を掛けて来た優を睨み付けて言った。
「そう言われてもねー。ほれ、これをわざわざマンションの前に落として行かれたら、届けるしかないだろう?」
優は、遊佐にそういいながらミキのスマホをミキに返した。
「あ、スマホ! ありがとう」
「ミキって、名字じゃなくて名前なんだな。あ、俺の携番入れておいた」
「え! 中身みたの? って、入れたって!」
ミキは、何かあったらすぐにメールが使えるように、ロックを解除してあった事を思い出した。慌てて確認する。
遠くから、サイレンが聞こえ始めた。
「それじゃ、退散するわ」
軽く手を振ると、優と部下は少し離れた場所に停めてあった自動車に乗り込んだ。
「ミキさん、大丈夫ですか!」
ヘルメットを脱いだ浅井が、ミキに近づいた。
今にも抱き着きそうな勢いだ。
「ま、また浅井さんまで巻き込んでごめんなさい……」
ミキは大丈夫だと頷くと、そう彼に謝った。
「た、頼りにしてるって言われたのに、助けに行かないわけないでしょう。って、結局、来ただけで何も出来ませんでしたけど……」
と、照れながら浅井は言った。
「いや、助かった。八羽仁が一足先に来ていたが、彼らが来ていなかったら俺達が先に到着してなかったら二人の命はなかったからな。浅井さんを巻き込んだのは、俺だ。危険な事に巻き込んですまない」
今度は遊佐が謝った。
浅井は、ブンブンと首を横に振った。
「ありがとう。しかしこの場所、よくわかったわね。もしかして本当に、八羽仁さんが佐藤さんの居場所を知っていたの?」
さっきの二人のやり取りから察するとそうなるのだが。
「僕は、遊佐さんに直ぐに連絡して、その時に遊佐さんが迎えに来て欲しいって言うから一緒に。そうしたら、ここに向かえって言われて……」
「万が一を考え八羽仁に聞いた。あまり気は進まなかったが、背に腹はかえられないからな。そして、両方の場所に手配をお願いした。この場所の方がしっくりくるから、こちら側に来た。正解でよかった……」
遊佐の勘が当たったのである。
最初に電話を掛けて来て言った場所は、誘導先だった。
ミキが浅井に場所を知らせても言いように、最初から違う場所を伝えていたのだ!
「ごめんなさい。佐藤さんも浅井さんも助けるのに、これしか思いつかなくって……」
ミキが素直に謝るも遊佐は険しい顔で言う。
「君がとった行動は、勇敢ではなく無謀だ」
「はい……」
ミキは、俯いて返事をした。
「でもまあ、君のお蔭で彼は命拾いしたんだがな……」
遊佐は、隣でまだブルブル震えている佐藤を見て言った。
そして、ポケットからスマホを取り出し連絡を入れる。
「遊佐です。こちらは二名います。一人は、逃走中です。……はい。全員無事です。はい。宜しくお願いします」
遊佐は、電話を切った。
「逃亡した一名は追跡中だ。もう少ししたら他の者が、ここに着くそうだ」
「あの……。と、ところでばあちゃんを殺したのって……」
安堵したのか、佐藤がミキにそう聞いて来た。
「思い当たらない?」
ミキが聞くと佐藤は、ブンブンと首を横に振った。
「じゃ、盗みに入った火曜日にトラックを見なかった?」
「トラック?」
佐藤は、ハッとする。
「そういえば家を出る時、宅配の車が目の前に停まっていた! そいつなのか! 殺したのは!」
「そうよ。でも、あなたがその日に、盗みに入らなかったら起こらなかった事件よ!」
佐藤は、ミキの言葉に驚いた顔をする。そして、顔が青ざめていった。
「もしかして、鍵をしまうところを見ていたのか?」
「そのようね。彼は、木曜日にあなたを見たと言っていたわ。でも、本当は火曜日。嘘をついたのは、あなたを犯人にする為でしょうね」
佐藤は、両手を地面につき愕然とする。
ミキがもう一度向かいの家の佐々木に確認した時、火曜日にも同時刻に飯田は再配に来ていたと証言を得た。
木曜日に佐藤が史江宅に訪れていないのであれば、木曜日に見たという飯田の証言は嘘だという事になる。その偽証こそ、犯人の証拠なのである。
ミキは、タクシーに乗る前に浅井に抱き着き場所を伝えた時に、万が一の為に殺人犯の事についても伝えていたのだ!
「鍵は戻されていなかったし、ドアも施錠されていなかった。郵便受けに隠していたのは予備だったらしく鞄の中にカギはあったから、ミキから話を聞くまでは史江さん本人が犯人を招き入れたと思われていた。今、彼にも聴取しているところだ。ミキの推理が正しければ、そのまま逮捕されるだろう……」
遊佐がそう付け加えると、佐藤はすみませんでしたと消え去りそうな声で謝った。
そして……
「ごめん、ばあちゃん……」
と、佐藤はボソッと呟いた。
ほどなくして来た警官に、三倉橋組の二人と佐藤は連行されていった――。
「追いかけなくていいのか?」
「すぐに捕まるさ。それより俺は佐藤の居場所を教えろと言っただけで、ここに行ってくれとは言ってないが?」
遊佐は、声を掛けて来た優を睨み付けて言った。
「そう言われてもねー。ほれ、これをわざわざマンションの前に落として行かれたら、届けるしかないだろう?」
優は、遊佐にそういいながらミキのスマホをミキに返した。
「あ、スマホ! ありがとう」
「ミキって、名字じゃなくて名前なんだな。あ、俺の携番入れておいた」
「え! 中身みたの? って、入れたって!」
ミキは、何かあったらすぐにメールが使えるように、ロックを解除してあった事を思い出した。慌てて確認する。
遠くから、サイレンが聞こえ始めた。
「それじゃ、退散するわ」
軽く手を振ると、優と部下は少し離れた場所に停めてあった自動車に乗り込んだ。
「ミキさん、大丈夫ですか!」
ヘルメットを脱いだ浅井が、ミキに近づいた。
今にも抱き着きそうな勢いだ。
「ま、また浅井さんまで巻き込んでごめんなさい……」
ミキは大丈夫だと頷くと、そう彼に謝った。
「た、頼りにしてるって言われたのに、助けに行かないわけないでしょう。って、結局、来ただけで何も出来ませんでしたけど……」
と、照れながら浅井は言った。
「いや、助かった。八羽仁が一足先に来ていたが、彼らが来ていなかったら俺達が先に到着してなかったら二人の命はなかったからな。浅井さんを巻き込んだのは、俺だ。危険な事に巻き込んですまない」
今度は遊佐が謝った。
浅井は、ブンブンと首を横に振った。
「ありがとう。しかしこの場所、よくわかったわね。もしかして本当に、八羽仁さんが佐藤さんの居場所を知っていたの?」
さっきの二人のやり取りから察するとそうなるのだが。
「僕は、遊佐さんに直ぐに連絡して、その時に遊佐さんが迎えに来て欲しいって言うから一緒に。そうしたら、ここに向かえって言われて……」
「万が一を考え八羽仁に聞いた。あまり気は進まなかったが、背に腹はかえられないからな。そして、両方の場所に手配をお願いした。この場所の方がしっくりくるから、こちら側に来た。正解でよかった……」
遊佐の勘が当たったのである。
最初に電話を掛けて来て言った場所は、誘導先だった。
ミキが浅井に場所を知らせても言いように、最初から違う場所を伝えていたのだ!
「ごめんなさい。佐藤さんも浅井さんも助けるのに、これしか思いつかなくって……」
ミキが素直に謝るも遊佐は険しい顔で言う。
「君がとった行動は、勇敢ではなく無謀だ」
「はい……」
ミキは、俯いて返事をした。
「でもまあ、君のお蔭で彼は命拾いしたんだがな……」
遊佐は、隣でまだブルブル震えている佐藤を見て言った。
そして、ポケットからスマホを取り出し連絡を入れる。
「遊佐です。こちらは二名います。一人は、逃走中です。……はい。全員無事です。はい。宜しくお願いします」
遊佐は、電話を切った。
「逃亡した一名は追跡中だ。もう少ししたら他の者が、ここに着くそうだ」
「あの……。と、ところでばあちゃんを殺したのって……」
安堵したのか、佐藤がミキにそう聞いて来た。
「思い当たらない?」
ミキが聞くと佐藤は、ブンブンと首を横に振った。
「じゃ、盗みに入った火曜日にトラックを見なかった?」
「トラック?」
佐藤は、ハッとする。
「そういえば家を出る時、宅配の車が目の前に停まっていた! そいつなのか! 殺したのは!」
「そうよ。でも、あなたがその日に、盗みに入らなかったら起こらなかった事件よ!」
佐藤は、ミキの言葉に驚いた顔をする。そして、顔が青ざめていった。
「もしかして、鍵をしまうところを見ていたのか?」
「そのようね。彼は、木曜日にあなたを見たと言っていたわ。でも、本当は火曜日。嘘をついたのは、あなたを犯人にする為でしょうね」
佐藤は、両手を地面につき愕然とする。
ミキがもう一度向かいの家の佐々木に確認した時、火曜日にも同時刻に飯田は再配に来ていたと証言を得た。
木曜日に佐藤が史江宅に訪れていないのであれば、木曜日に見たという飯田の証言は嘘だという事になる。その偽証こそ、犯人の証拠なのである。
ミキは、タクシーに乗る前に浅井に抱き着き場所を伝えた時に、万が一の為に殺人犯の事についても伝えていたのだ!
「鍵は戻されていなかったし、ドアも施錠されていなかった。郵便受けに隠していたのは予備だったらしく鞄の中にカギはあったから、ミキから話を聞くまでは史江さん本人が犯人を招き入れたと思われていた。今、彼にも聴取しているところだ。ミキの推理が正しければ、そのまま逮捕されるだろう……」
遊佐がそう付け加えると、佐藤はすみませんでしたと消え去りそうな声で謝った。
そして……
「ごめん、ばあちゃん……」
と、佐藤はボソッと呟いた。
ほどなくして来た警官に、三倉橋組の二人と佐藤は連行されていった――。
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