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第28話
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「そちらの家庭事情はわかりましたけど、なぜいきなり私を婚約者にする気になったのですか? 前世持ちだと気が付いたから?」
前世持ちだから仲間だと思ったとか?
何となく大人びてるなとは思っていた。私と一緒で、中身は大人だったわけか。
「う~ん。君となら上手くやっていけるかなって思ったからかな。前世持ちだと確信が持てたのは、この前家に招待した時だよ。コーヒーを大人の味だなんて、この世界の人は思ってないからね」
「な……蒸し返さないでよ。あれ、滅茶苦茶恥ずかしかったんだから」
クスクスと笑っている。意地悪な奴だ。
「ごめんごめん。『いただきます』という所をみると日本人だよね?」
「はぁ……。そうです。前世の記憶は持ってるけど、どこの誰だとかという記憶はありませんけどね」
「俺も、ただ死んだのは大学生の時だったのではないかと思う。社会人として過ごした記憶はないようだから」
え? まさかの年下。
私はたぶん20代で亡くなったと思う。
「この婚約って解消できないの?」
「え? 嫌なの?」
「この前、結婚する気ないって言っていたじゃない」
「あのね、する気はなくてもしなくちゃいけないから困っているんじゃないか。このまま結婚しなくてすむかなって思ったけど、新しい相手を探している様子だったからさ。だったら君がいいと思ってね」
「いやいや、私、子爵家の令嬢なのだけど」
「だからリサさんにお願いしたんだよ」
「………」
手回しがいい事。外堀を埋めてから、私に転生者だと切り出すとはね。どちらにしても私からは、断れないのに!
「君だって、結婚しないつもりって言うけど、中々大変だよ。この世界では、女性は結婚しないと後ろ指さされるよ。魔法博士になったとしてものね」
「だとしても……」
「君が結婚したくないのって、男爵家や子爵家に嫁ぐ事になるからだよね? 大好きなケーキを食べられないから」
「まあ。そうね」
「言っておくけど、貴族が自由気ままに過ごすのは無理だよ。どうしてもそうしたいと言うなら、それこそ俺と結婚した方がいい」
「まあ凄い、プロポーズの言葉ね!」
私達は、睨み合う。
「何が納得いかないの? 結婚する事にはなるけど、理解し合えると思うよ。まあ侯爵家としての縛りはあるけど」
「前世の記憶があるならわかるでしょう? 結婚するなら好きな人としたいって」
「それって、今後好きな人が出来るかもしれないって事を言っているの?」
「そうじゃないわ。私は政略結婚したくないって言っているのよ」
レオンス様は、大きなため息をついた。完全に貴族の仮面を外しているわね。って、私もだけど。
「どうしてわからないかな。君は、貴族学園で好きな人を見つけられるの?」
「へ? 何よ、いきなり」
「君なら貴族学園に行って、結婚相手を見つけ結婚する事になるだろう。父親もそう望んでいる。でも、前世の記憶を持っていて、14、15の男子に恋をするかって聞いているんだ」
「いや、それは無理……」
まさかそんな事を問われるとは思いもしなかった。
「だよね。俺もたぶん無理。見た目で惚れるなんて、今は無理だよ。でも君とは相性はいいと思うんだ。話していて楽しいし。気が楽だ。それ相応の年ごろになれば、愛情も芽生えるかもしれない」
真面目な顔つきで私を見つめ、レオンス様は言う。
確かに彼の言う通りかもしれない。
どうしても結婚しなくてはいけなくて、貴族学園で相手を見つけるとなっても、私には恋愛で相手を見つけるのは無理だ。
まあ相手に惚れられる事はあるかもしれないけど。だからと言って、相手に恋するかと言うとそれもないと思う。
それこそ、相手が20代になってやっと精神年齢が釣り合う。けど、その前に結婚する事になるわけで……。
「そうね。レオンス様の言う通りだわ」
「よかった。わかってくれて」
「でも、前世持ちだと気が付いたのなら、打ち明けるつもりだったのならば、先に婚約しようとか言ってくれてもよかったんじゃない?」
「そ、それは……ごめん。両親が相手を見つけて打診してしまったら、もう無理だから」
そう言ってレオンス様は俯いた。
追い詰められていたのね。知らない人より、前世持ちの仲間と結婚したいって事かしらね。
「わかったわ。あなたの方が家格は上だけど、今度からは大切な事は事前に教えて欲しいわ。心構えが欲しいのよ」
「うん。わかった。受け止めてくれて、ありがとう」
「ところで、どういうところで前世持ちだと思ったの?」
「子供はそんなセリフ言わないって語り合った時かな」
いやそれ語り合ったって言うの?
「君は、俺の事、前世持ちかもって思った事はなかった?」
「う~ん。魔法使いって言っていた時に、あれって思ったりもしたけど」
「え? そんな事口走ってた?」
うんうんと私は頷く。
「ところで私は、魔法博士として過ごす事は可能なの?」
「もちろん。結婚しても出来る仕事だよ。侯爵家だし、魔法博士の仕事する建物でも作っちゃう? 離れってやつ」
「ほんと、自由だね」
「まあね。俺としては侯爵家を継ぎたいわけじゃないからね」
「それアマート様が聞いたら、だったら譲れって言うかもね」
「譲れたらいいんだけどね……」
いずれそこら辺の事情も教えてくれるのだろうか。
まあ聞かなくても、拗れなければ問題はないけどね。
――◆――◆――◆――
まさか拒否されるとは思わなかったな。
でもまずは、一安心。後はアマートか。本当に両親は面倒な事をしてくれたよ。
前世持ちだから仲間だと思ったとか?
何となく大人びてるなとは思っていた。私と一緒で、中身は大人だったわけか。
「う~ん。君となら上手くやっていけるかなって思ったからかな。前世持ちだと確信が持てたのは、この前家に招待した時だよ。コーヒーを大人の味だなんて、この世界の人は思ってないからね」
「な……蒸し返さないでよ。あれ、滅茶苦茶恥ずかしかったんだから」
クスクスと笑っている。意地悪な奴だ。
「ごめんごめん。『いただきます』という所をみると日本人だよね?」
「はぁ……。そうです。前世の記憶は持ってるけど、どこの誰だとかという記憶はありませんけどね」
「俺も、ただ死んだのは大学生の時だったのではないかと思う。社会人として過ごした記憶はないようだから」
え? まさかの年下。
私はたぶん20代で亡くなったと思う。
「この婚約って解消できないの?」
「え? 嫌なの?」
「この前、結婚する気ないって言っていたじゃない」
「あのね、する気はなくてもしなくちゃいけないから困っているんじゃないか。このまま結婚しなくてすむかなって思ったけど、新しい相手を探している様子だったからさ。だったら君がいいと思ってね」
「いやいや、私、子爵家の令嬢なのだけど」
「だからリサさんにお願いしたんだよ」
「………」
手回しがいい事。外堀を埋めてから、私に転生者だと切り出すとはね。どちらにしても私からは、断れないのに!
「君だって、結婚しないつもりって言うけど、中々大変だよ。この世界では、女性は結婚しないと後ろ指さされるよ。魔法博士になったとしてものね」
「だとしても……」
「君が結婚したくないのって、男爵家や子爵家に嫁ぐ事になるからだよね? 大好きなケーキを食べられないから」
「まあ。そうね」
「言っておくけど、貴族が自由気ままに過ごすのは無理だよ。どうしてもそうしたいと言うなら、それこそ俺と結婚した方がいい」
「まあ凄い、プロポーズの言葉ね!」
私達は、睨み合う。
「何が納得いかないの? 結婚する事にはなるけど、理解し合えると思うよ。まあ侯爵家としての縛りはあるけど」
「前世の記憶があるならわかるでしょう? 結婚するなら好きな人としたいって」
「それって、今後好きな人が出来るかもしれないって事を言っているの?」
「そうじゃないわ。私は政略結婚したくないって言っているのよ」
レオンス様は、大きなため息をついた。完全に貴族の仮面を外しているわね。って、私もだけど。
「どうしてわからないかな。君は、貴族学園で好きな人を見つけられるの?」
「へ? 何よ、いきなり」
「君なら貴族学園に行って、結婚相手を見つけ結婚する事になるだろう。父親もそう望んでいる。でも、前世の記憶を持っていて、14、15の男子に恋をするかって聞いているんだ」
「いや、それは無理……」
まさかそんな事を問われるとは思いもしなかった。
「だよね。俺もたぶん無理。見た目で惚れるなんて、今は無理だよ。でも君とは相性はいいと思うんだ。話していて楽しいし。気が楽だ。それ相応の年ごろになれば、愛情も芽生えるかもしれない」
真面目な顔つきで私を見つめ、レオンス様は言う。
確かに彼の言う通りかもしれない。
どうしても結婚しなくてはいけなくて、貴族学園で相手を見つけるとなっても、私には恋愛で相手を見つけるのは無理だ。
まあ相手に惚れられる事はあるかもしれないけど。だからと言って、相手に恋するかと言うとそれもないと思う。
それこそ、相手が20代になってやっと精神年齢が釣り合う。けど、その前に結婚する事になるわけで……。
「そうね。レオンス様の言う通りだわ」
「よかった。わかってくれて」
「でも、前世持ちだと気が付いたのなら、打ち明けるつもりだったのならば、先に婚約しようとか言ってくれてもよかったんじゃない?」
「そ、それは……ごめん。両親が相手を見つけて打診してしまったら、もう無理だから」
そう言ってレオンス様は俯いた。
追い詰められていたのね。知らない人より、前世持ちの仲間と結婚したいって事かしらね。
「わかったわ。あなたの方が家格は上だけど、今度からは大切な事は事前に教えて欲しいわ。心構えが欲しいのよ」
「うん。わかった。受け止めてくれて、ありがとう」
「ところで、どういうところで前世持ちだと思ったの?」
「子供はそんなセリフ言わないって語り合った時かな」
いやそれ語り合ったって言うの?
「君は、俺の事、前世持ちかもって思った事はなかった?」
「う~ん。魔法使いって言っていた時に、あれって思ったりもしたけど」
「え? そんな事口走ってた?」
うんうんと私は頷く。
「ところで私は、魔法博士として過ごす事は可能なの?」
「もちろん。結婚しても出来る仕事だよ。侯爵家だし、魔法博士の仕事する建物でも作っちゃう? 離れってやつ」
「ほんと、自由だね」
「まあね。俺としては侯爵家を継ぎたいわけじゃないからね」
「それアマート様が聞いたら、だったら譲れって言うかもね」
「譲れたらいいんだけどね……」
いずれそこら辺の事情も教えてくれるのだろうか。
まあ聞かなくても、拗れなければ問題はないけどね。
――◆――◆――◆――
まさか拒否されるとは思わなかったな。
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