【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

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第34話

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 「――切磋琢磨して学園生活を楽しみましょう」

 新入生代表のイルデフォンソ殿下の有難い代表挨拶が終わると、全校生徒の拍手が講堂に響き渡った。
 一位でなくてよかったわ。今更思い出したのだけど、レオンス様が零していたっけ。一位になったが為に代表の挨拶をしなくてはいけなくなったって。

 いやそれよりも、今年の優良クラスが凄すぎる。
 なぜに王族が三人もいるのよ!
 おかしいと思ったのよね。通常10名のところ11名で、毎年優良クラスは、全員の順位が発表されているのに今年は三位まで。
 ちなみに三位はなんと、フロール令嬢だった。彼女がいなかったら、危なくクラスで一人だけ女子という、魔法学園と同じ境遇になるところだったわ。

 エイデース帝国第二王子のマルシアール殿下に、コチラビィ王国のこれまた第二王子のベビット殿下がクラスメイト。なんでも第二王子仲間だとか。
 その二方の護衛に、二人ずつお供が一緒のクラスに入っていて、我がシーヨ王国の第二王子にも二人のお供がつている。

 つまり、私とフロール嬢が二位と三位になってしまったが為に、今年は優良クラスを11人にしなくてはいけなくなったみたいね。

 それと、今年は普通クラスが6クラスもある。王都に集まり過ぎよ。
 貴族学園は、前世の学校並みに数があって、街ごとにある。宿舎などはないから、普通は屋敷から通える学園へ通う。
 なので、王都の学園に通う貴族は必然的に伯爵家以上となるのに、今年は子爵家も多数いる。

 王子達には婚約者がいるので、懇意にして頂こうと令息が多い。
 なのになぜに、フロール嬢が王都の貴族学園に来たのかがなぞだわ。
 まあ婿探しなのかもしれないけど、無理してでも王都の学園に通えて、これだけ頭がいいのであれば、婚約者がすでにいてもおかしくないのにね。
 そうしたら王都ではなく、普通に自分が住む街の貴族学園に通えたはず。

 「私、フロール・マルンと申します。殿下に次いで二位なんて凄いですわね」

 と、フロール嬢を眺めつつ考え込んでいたら、彼女が話しかけて来た。
 見つめていたから圧を掛けちゃったかしらね。

 「私はファビア・ココドーネです。こちらこそ宜しくお願い致しますわ。あなたこそ三位なんて、素晴らしいですわ」
 「ありがとうございます。でも驚きましたわ。王子殿下が三人もいらっしゃるなんて」
 「えぇ。私もですわ。周りは王子殿下と令息ばかり。仲良く致しましょう」
 「ありがとうございます。宜しくお願いいたします」

 フロール嬢は、私と同じ黒髪だけど瞳がピンク色。不思議な感じ。自分の瞳のロイヤルブルーは鏡で見て見慣れたけど、ピンクの瞳は珍しい。

 「やあ。ファビア嬢、フロール嬢」

 フロール嬢と話していると、話しかけて来たのはなんとイルデフォンソ殿下だった。
 紫の長い髪を後ろに束ね、髪と同じ色の瞳で私達を見つめている。前世では、長い髪が似合う男なんて二次元だけよと思っていたけど、この世界に慣れたせいか結構似合って見えるわね。

 「殿下、そのように話しかけられ困惑されております」
 「ルイス。ここでは殿下呼びはなしだろう? クラス団結する為に名前呼びのはずだが?」
 「しかし……」
 「ルイス。真面目過ぎても輪を乱すだろうに。失礼しました。ファビア嬢、フロール嬢。ぜひ殿下の事はイルデフォンソ様とお呼び下さい。もちろん私の事はレオ、彼はルイスと」
 「はぁ……」

 要は気を使うなって事よね。みんなと同じくって……王子にそのお付きしかいないクラスだけどね。
 そのお付きもレオ様が騎士副隊長の息子で、ルイス様が王弟の息子だとか。
 レオ様は、父親と同じ騎士を目指していると聞いたわ。紺色の髪は、首元はすっきりとした刈上げ。がっしりとした体形。
 逆にルイス様は、細身。イルデフォンソ殿下と同じ紫の髪は、一般的な髪型。
 本当に面倒くさいなぁ。なんで王族と同じクラスなのよ。
 レオンス様が言っていたっけ。『王子様はお友達ごっこをご所望みたいだ』って。

 まあ、クラス一致団結する為に、学園では名前呼びには賛成よ。ゴマすりは得意じゃないから助かる。

 「わかりました。そのように致します」
 「はい。そのようにお呼びさせて頂きます」
 「では、俺の事もマルシアールで」
 「バビットで宜しく」

 私に続きフロール嬢が承諾したと返すと、もっと王子らしくない隣国王子達も近づいて来た。

 マルシアール殿下は、赤い鋭い瞳に短髪で制服に短剣を下げている。普通持ち歩くとしても隠さない?
 に対してベビット殿下は、緑の長髪にピアス。たれ目の翡翠の瞳。
 長髪と言ってもイルデフォンソ殿下の様に胸まである長さではなく、肩に届くぐらいの長さだけど。
 この世界では珍しい装飾であるピアスを付けていて、私からするとチャラい!

 「それにしても二人共凄いね。さすが、次期生徒会長であるタカビーダ侯爵令息の婚約者だね。フロール嬢に至っては、子爵令嬢でまだ婚約者もいないなんてね」

 うん? 何となく棘がある言い方ね。王族ってこんな感じなのかしら?
 私はともかく、フロール嬢に対して失礼じゃないかしら。だとしても相手は王族、何も言い返せないわよね。

 大丈夫かしらね、フロール嬢……。ってなぜ驚いた顔で私を見つめているのよ。
 私は、ネックレスを身に着けているから婚約者がいる事はわかっていたはずなのに。

 「次期生徒会長ですって?」
 「あぁ。彼が二学年の首席さ」
 「………」

 フロール嬢は私に質問をしたのだろうけど、答えたのはイルデフォンソ殿下。
 そして、彼女は答えを聞いて更に驚いていた。
 そこまで驚かなくてもよくない? 私、ココドーネって名乗ったよね? 侯爵家同士よ。それともまさか、ココドーネ家が侯爵家って知らないのかしら? そんな事ってある!?
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