【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
39 / 83

第39話

しおりを挟む
 「素晴らしいショーだったとベビット殿下は、感嘆しておられた」
 「それは大変光栄です」

 いや喜んでいる場合ではないのでは?

 「しかし、あのような魔法を見せるつもりならば別に、先生をだまし討ちしなくても協力を仰げばいいのではないのでしょうか」
 「反対されると思ったのではないかね?」

 とガムン公爵が私を見て言った。
 え? ガムン公爵は、先生の言葉を信じているの?

 「それもおかしな話ですね。そう思うのならそもそも先生に内緒で行えばいい。先生がいなくても出来ますからね」
 「出来るとは?」
 「設置されていた魔法陣は、暴風を起こすものです。水を感知して発動するので、水魔法と混ざり暴風雨になる。それを見せるだけならば、先生などいりません」

 なぜかレオンス様はにやりとすると、自分の胸に手を添える。

 「暴風雨から守る魔法を展開したのは私です。彼女は、暴風雨を起こす為に、をして指パッチンで水魔法で水を出しただけ。なのでファビアは、自慢できるような事は行っておりません」

 えぇ、その通りですが、もっと言い方ありませんかね!
 ガムン公爵は、レオンス様をぱちくりとして見つめている。まさか、私を自身の魔法自慢をしてくるとは思わなかったのでしょう。私もだけどね!

 「あぁ、その、魔法陣に蓋をした土魔法は……」
 「もちろん私が行いましたが」
 「は? 君は光魔法と火魔法しか扱えないのでは?」
 「まさか。確かに入学時の適性はそうでしたが、ちゃんと勉強いたしましたので、あれぐらいはできます」

 土魔法で魔法陣に蓋をしたのはまあいいとして、風魔法で結界はあれぐらいではないと思いますけど。

 「しかし、魔法学園入学時に彼女には全適正があったと聞いたが」

 私の事調べたの!?

 「ご存じでしょう? 得意属性以外の属性に適性があっても、殆どの者がCクラスに進級しているのを。彼女が扱えるのは、水魔法と風魔法。なのに魔法陣に頼ったのですよ」

 待てい! 頼ったって何よ。私は一般的な方法で魔法を披露しようと思っただけよ。目立ちたくなかったから。現に魔法陣なしで同時に二つの魔法を使ったじゃない!

 あ、それとも先生を捕らえる時の事を言っている? あれだって、先生が設置した魔法陣がどういう効果か殿下達に見せる為でしょう。証拠の為に!

 「あのねぇ………」
 『黙ってろ』

 風魔法に乗せて私にだけ声を掛けて来た。
 うぐぐぐ。私にはまだそれ出来ないのよね!

 「しかも風魔法私の方が上です。彼女にできないから私が声を掛けたのですから」

 どや顔で私を見ないでよ! 本当にムカつく。
 もうこうなったらケーキをやけ食いよ!

 フォークをグーで持ちぶすりとケーキに突き刺した。

 「おい……三人の前だぞ」

 ボソッとレオンス様に言われ、ハッとする。
 そうだった。聞き取り調査中だったわ。

 「おほほほ。美味しいですよね」

 フォークを持ち直しケーキから抜くとスーッとケーキを切り、何事もなかったようにパクリと口に入れた。
 あぁおいしい。

 「「………」」

 チラッと三人を見れば、唖然としている。
 ううう。誤魔化せなかったぁ。

 「っぷ。ククク……」

 隣で声を殺して笑っている。
 誰かさんが、煽るからでしょうに。

 「わかったと思いますが、先生が言うように彼を嵌めたというのなら私の策と言う事になります」
 「あなた一人の企みだと!?」
 「え……」

 何を言い出すのよ。

 「誤解なさらずに。そんな事するわけないでしょう。先ほども言った様に、先生に恨みもありませんし、殿下達に披露するだけの為ならば、先生を呼びません。確かに、殿下に声かけするのには、些か愚行でした」

 些かなのかね……。

 「ですので、呼んでもいないのに現れたのです。つまり、発動しなかった魔法陣を消しに来た犯人という事です。納得いかないのであれば、再現しても宜しいですよ」
 「私が見た所で魔法陣の事などわからない」
 「ご心配いりません。そちらに優秀な魔法博士様がいらっしゃるではありませんか。お二人なら、私達どちらが魔法を使用しているかもわかるでしょう。ですよね、先生」
 「え? まあ、そうだな。目の前で行えばな」

 先生が青ざめ言っている。
 レオンス様が生徒だとは言え、侯爵家の令息だものね。歯向かえないわ。

 「わかった。そのようにご報告する」

 陛下にどのように伝わるのかしら。できましたら、私は無能ですとレオンス様目線の余計な事まで伝わりませんように!

 「帰って宜しい。あ、君達、二人を馬車まで見送ってあげなさい」

 魔法博士の先生達が、えっと言う顔つきになった。

 「あぁ、では君達、外まで送ろう」
 「ありがとうございます、先生」

 私達は、無事? 先生達の後について行き、部屋を後にするのだった。

 ――◆――◇――◆――

 レオンス・タカビーダか。食えないガキだな。

 「おい。二人はどのような話をしていた?」
 「はい。ガムン公爵。それが、何を話しているまでかは聞こえなく……」

 騎士の言葉を聞き、私はそうかと頷く。
 魔法で話し声まで遮断できるようんだな。いや魔法陣という事もある。
 魔法を使っている様にみせかけてな。だったらあの小娘にも可能か。だがそんなもの、常備しているか?
 どちらにしても脅威だ。味方に引き入れる方が良いか?

 あの小僧の事を調べた方がよさそうだな。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約者が最凶すぎて困っています

白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。 そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。 最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。 *幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。 *不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。 *作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。 *カクヨム。小説家になろうにも投稿。

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

悪役令息(冤罪)が婿に来た

花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー 結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!? 王女が婚約破棄した相手は公爵令息? 王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした? あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…。 その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た。 彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す。 そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を。 彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を。 その数日後王家から正式な手紙がくる。 ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」 イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する。 「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」 心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ! ※ざまぁ要素はあると思います。 ※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております。

“足りない”令嬢だと思われていた私は、彼らの愛が偽物だと知っている。

ぽんぽこ狸
恋愛
 レーナは、婚約者であるアーベルと妹のマイリスから書類にサインを求められていた。  その書類は見る限り婚約解消と罪の自白が目的に見える。  ただの婚約解消ならばまだしも、後者は意味がわからない。覚えもないし、やってもいない。  しかし彼らは「名前すら書けないわけじゃないだろう?」とおちょくってくる。  それを今までは当然のこととして受け入れていたが、レーナはこうして歳を重ねて変わった。  彼らに馬鹿にされていることもちゃんとわかる。しかし、変わったということを示す方法がわからないので、一般貴族に解放されている図書館に向かうことにしたのだった。

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。

千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。 だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。 いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……? と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

【完結】母になります。

たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。 この子、わたしの子供なの? 旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら? ふふっ、でも、可愛いわよね? わたしとお友達にならない? 事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。 ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ! だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

処理中です...