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第四話
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う、嘘だろう……。
「あり得ないって顔ね。でも辺りの風景を見たらわかるでしょう?」
「確かに全然違うけど。どうしてこんな風に?」
「うーん。私のせいでもあるけど……」
「な、何をしたんだ!」
「だからそうじゃなくて、あなたに与えた力の影響よ」
うん? 僕に与えた? もしかして呪いの事か?
「それって呪いのせいだって事?」
「本気にしていたんだね。呪いじゃないわよ」
「じゃ、なんでこうなってる?」
「私が託した魔法よ。魔力を吸い取るね」
「え……」
もしかしてあの感覚って、生命ではなくて魔力を吸収している感覚だったのか?
「あなたの側に生まれ変われる様に、あなたに印をつけたのよ。で、ずっと戻って来るのを待っていた。まさか自分自身を封印しているとは思っていなかったの」
「なぜわかっていてそのまま放置……」
「仕方ないでしょう? 私の力では封印を解除する事はできなかったんだから。だからここで自然に封印が解けるのを待った」
「待った?」
僕は、ほどなくして封印が解けたのか?
「辺りの魔力がなくなるのを待ったのよ。ここだけ結界を張ってね」
なるほど。この集落にだけ魔力があるって事か。
って、僕が魔力を奪って森が消滅したのか?
いや、それよりも誤解だと説明もせずなぜ、そんな事を。
「誤解だとしてもなぜそこまでしたの? 一度死んだんだよね?」
そう聞くと、顔を赤らめた。
「ひ、一目ぼれだったの……」
「は? 誰を?」
「あなたに決まってるでしょう?」
「僕!?」
な、何を言っているんだ、彼女は!
意味がわからない……。
「能力を返して貰っちゃうと、普通の人間に戻っちゃうからそのままでいてもらいましょう。そうすれば、末永く一緒に過ごせるわ」
僕は一体どれくらい長生きになったんだ?
まさか僕に与えたのって、それが目的じゃ……。
「いや、返すよ」
冗談じゃない!
何を企んでいるかわからないのに。
「ずっと待っていたのに……」
「普通に暮らしたいから……」
「普通に暮らせばいいでしょう? というか、私に能力を返せば、その場で死んじゃうだけどね」
「え……」
そういえば、千年経っているんだっけ? それが本当なら体を保っているのは、魔力でだろう。魔力をまったく吸収できなくなれば、体は朽ちる。
「旅に出ましょう」
「は? 旅?」
「だって、この地は、砂漠化になるほど魔力がなくなっちゃのよ」
なくなっちゃったのよって、それって君のせいじゃないか!
いや、僕のせいなのか?
あの時、死んでいればこの地は豊かなままだった。
「だから、魔物が巣くう場所に行って魔力を奪ってきましょうって言っているの。私、今聖女様だからあなたがやっているなんて気づかないわよ」
「………」
うーん。罪滅ぼしで行うか?
なんかすっきりと納得いかないけど……。
けど彼女の悪だくみを止められるのも僕だけ。
「わかった。魔物退治をしよう。その為の旅だからな!」
僕達は、旅立つ事にした。
うんと頷いた彼女は、嬉しそうだった。
「あり得ないって顔ね。でも辺りの風景を見たらわかるでしょう?」
「確かに全然違うけど。どうしてこんな風に?」
「うーん。私のせいでもあるけど……」
「な、何をしたんだ!」
「だからそうじゃなくて、あなたに与えた力の影響よ」
うん? 僕に与えた? もしかして呪いの事か?
「それって呪いのせいだって事?」
「本気にしていたんだね。呪いじゃないわよ」
「じゃ、なんでこうなってる?」
「私が託した魔法よ。魔力を吸い取るね」
「え……」
もしかしてあの感覚って、生命ではなくて魔力を吸収している感覚だったのか?
「あなたの側に生まれ変われる様に、あなたに印をつけたのよ。で、ずっと戻って来るのを待っていた。まさか自分自身を封印しているとは思っていなかったの」
「なぜわかっていてそのまま放置……」
「仕方ないでしょう? 私の力では封印を解除する事はできなかったんだから。だからここで自然に封印が解けるのを待った」
「待った?」
僕は、ほどなくして封印が解けたのか?
「辺りの魔力がなくなるのを待ったのよ。ここだけ結界を張ってね」
なるほど。この集落にだけ魔力があるって事か。
って、僕が魔力を奪って森が消滅したのか?
いや、それよりも誤解だと説明もせずなぜ、そんな事を。
「誤解だとしてもなぜそこまでしたの? 一度死んだんだよね?」
そう聞くと、顔を赤らめた。
「ひ、一目ぼれだったの……」
「は? 誰を?」
「あなたに決まってるでしょう?」
「僕!?」
な、何を言っているんだ、彼女は!
意味がわからない……。
「能力を返して貰っちゃうと、普通の人間に戻っちゃうからそのままでいてもらいましょう。そうすれば、末永く一緒に過ごせるわ」
僕は一体どれくらい長生きになったんだ?
まさか僕に与えたのって、それが目的じゃ……。
「いや、返すよ」
冗談じゃない!
何を企んでいるかわからないのに。
「ずっと待っていたのに……」
「普通に暮らしたいから……」
「普通に暮らせばいいでしょう? というか、私に能力を返せば、その場で死んじゃうだけどね」
「え……」
そういえば、千年経っているんだっけ? それが本当なら体を保っているのは、魔力でだろう。魔力をまったく吸収できなくなれば、体は朽ちる。
「旅に出ましょう」
「は? 旅?」
「だって、この地は、砂漠化になるほど魔力がなくなっちゃのよ」
なくなっちゃったのよって、それって君のせいじゃないか!
いや、僕のせいなのか?
あの時、死んでいればこの地は豊かなままだった。
「だから、魔物が巣くう場所に行って魔力を奪ってきましょうって言っているの。私、今聖女様だからあなたがやっているなんて気づかないわよ」
「………」
うーん。罪滅ぼしで行うか?
なんかすっきりと納得いかないけど……。
けど彼女の悪だくみを止められるのも僕だけ。
「わかった。魔物退治をしよう。その為の旅だからな!」
僕達は、旅立つ事にした。
うんと頷いた彼女は、嬉しそうだった。
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