見た目は最弱、能力は最強!

すみ 小桜(sumitan)

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第18話》過信は禁物、反転地獄

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 「うふふふ……」

 ニタァっとして、少し不気味な笑い声を漏らしているのは、ママルさんです。俺達の目の前には、宝箱がある。それを見て漏らした声だ。

 「開けていい?」

 「どうぞ。あ、ちょっと待って! ナビ、宝箱って呪いとか罠とかある?」

 『宝箱自体に呪いや罠はありませんが、カギが掛かっている宝箱は存在します』

 「そっか、よかった。ママルさん、大丈夫みたい」

 「言われるまでそういうのがあるかもって思わなかったよ。で、大丈夫なのね?」

 大丈夫だと、俺は頷いた。
 それを見たママルさんは、嬉しそうに宝箱に手を伸ばす。
 かぱっと宝箱は開いた。どうやらカギは掛かっていなかったようだ。

 「エット! 杖だよ。杖!」

 宝箱には、両方の先がくるんと丸まった、変わった形の杖が入っていた。それをママルさんは、取り出す。

 「はい。エット」

 「ママルさんが装備しなくていいの?」

 「後で貸してくれればいいよ」

 「そう? あ、でも……重量は……」

 杖を確認すると、重量は1だった! レアじゃないのか。
 『反転の杖』――ステータスを反転させる。
 なんか凄いな。敵のステータスを反転出来るらしい。

 『マスター、その杖は一度装備しますと、他の人は装備出来なくなります』

 「え? そうなの?」

 「うん? 何?」

 「俺が装備しちゃうと、他の人は装備出来なくなるらしいからママルさんに貸せなくなっちゃうみたい」

 「そうなんだ。じゃ、今回はエットが装備しなよ。ここの敵を倒しているのってエットなんだし」

 「うん。ありがとう。じゃ、今回はもらうね」

 重量が1なら今から装備出来るし、これでキツネさんともおさらばだ。

 「えっと、反転の杖を装備」

 これで、装備出来たかな。

 ――反転の杖を装備しました。
 ――体力の最大値が3,000になりました。
 ――魔力の最大値が30になりました。

 うん? どういう事?
 俺は、慌ててステータスを確認した。すると、メッセージ通り体力が3,000に魔力が30になっている! 当然、HPが3,000になって、魔力が3に!

 「ナビ! これどう……って、いない!?」

 そっか。MP10消費出来なくなったから消滅したのか! ど、どうしたらいいんだ。とりあえず、装備を解こう。

 「反転の杖を装備解除!」

 ――反転の杖は、契約済みの為解除できません。

 「え! 出来ない!?」

 「どうしたの?」

 「武器って、一度装備すると装備外せないの?」

 「え? そんな事ないと思うけど。手に持っている時が装備している事になって、腰にさげている時は装備してない事になるはずだけど? あ、杖ってそういうのないのかな?」

 「いや、装備を外せるなら鞄にしまうって選択肢もあるから、この杖は外せないんだ!」

 「そうなんだ。で? 一体どうしたの?」

 まさか反転って自分の事だったなんて。しかもよりによって魔力と体力が反転だなんて! どうしよう……はぁ。

 「ごめん。MPが3になった……」

 「え~~!! 何それ? え? その杖って呪われていたの?」

 「みたいだね。呪われましたとは言われなかったけど」

 宝箱には、呪いはないって言っていたから安心しきっていた。中身が呪われている可能性を考えなかったよ。

 「とりあえず、もう魔法は使えないみたいなもんだから……クリアできなくなった。ごめん」

 「別にエットのせいじゃないし。ナビはなんて言ってるの?」

 「消えちゃった。MP10消費できないとダメみたい」

 「え~~!! じゃレベル上げるまでナビなしなの?」

 「そうなるね。って、上げられる気がしないけどね……」

 HPがいっぱいあっても、魔法が使えないんじゃ、かなり時間がかかるだろうな。

 「とりあえず、ダメもとでゴールに向かおうよ」

 「うん」

 俺達はゴールに向かって走り出す。幸いにマップは有効らしく表示されたままだ。でもやはり、ママルさんに合せて走ると敵に追いつかれ囲まれた。
 自分だけなら逃げきれるけど、意味がない。それでクリアできたとしてもしないけどね。
 俺は、初めての敗北を味わった――。
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