83 / 89
第83話》モアレ争奪戦?
しおりを挟む
「来たわよ」
「うん。現れたね」
「ステータス」
俺達は、陰からこっそりと覗いていた。相手は、モアレさんと最後にパーティーを組んだリーダーだ。名前を聞くと知っている名だった。だから付き添いをリラさんにお願いした。
□――――――――――――――――――――□
名 前:ライグライド
レベル:37
H P:29,600
ラック:150
□――――――――――――――――――――□
37レベルまで上がってる。上目指しているだけあるなぁ。彼だったらMP取られたら文句言うかも。
「いやぁ、逃げ足が速くてびっくりしたよ。まさかそっちから連絡をくれるなんてね」
「その、あの時は、ごめんなさい」
「ふーん。ギルド入ちゃったんだ」
「え?」
「彼女も反省しているから許してあげてほしいの。彼女の面倒は私達ギルドがみるわ。そうしたら他の人も被害に遭わないでしょう」
「被害ねぇ。リラさんだっけ? おたく、最大値どれ?」
「攻撃力だけどそれが何か?」
「羨ましいね。俺は体力でさ、彼女にMPと引き換えに増やしてもらってもあまり意味がないんだよね。でもさ、攻撃力だと絶大じゃないか? 15%上昇したし」
「何が言いたいのよ」
「俺達の所にこないかってこと。俺達のギルドは、Aランクしか入れない事になっているけど、モアレさんなら大歓迎だよ」
「え……」
モアレさんが困惑している。
「だから黙っているからこいって言ってるの。同じ事だろう?」
「どこが同じだよ! そう言うの脅しって言うんだよ!」
「ちょ……ママルさん」
隠れて見ていたのに、ママルさんが飛び出してしまった。
「本当に何も変わってないわね。自分達の事だけ? 同じじゃないわよ。全然違うわ」
「あぁ……ミチさんまで」
「はぁ? お前達!」
「どうも……」
「へえ。流石だな。うまい事引き入れたって事か」
その言葉に俺はカチンと来た。
「引き入れた? ある意味そうね。あなたと違ってお人好しだから彼女が可哀想でね」
だが先にリラさんが、目の前にいるライグライドさんを睨み付け言う。
「そうだよ! エットは、彼女から最大値の話を聞く前からOKしていたんだから!」
「あなたと違って、自分の為にではなく、彼女の為にね」
「女に囲まれていいご身分だねぇ。どれだけ強くなったかと思ったけど、まだレベル20台ですか。あのさ、被害者俺だから! MP取られて0になったんだけど!」
「騒ぐほどでもないでしょう? MPなんて、回復薬で回復出来るんだから。彼女を脅して、仲間に引き入れようなんて! ふん。何がAランクよ! こっちはSランクよ!」
「はぁ? Aランクが一番なんだよ!」
「ライ! まてまて!」
ひょいっと陰から一人の男性が出て来た。魔法使い系の格好をしている。
「どうも、Aラインギルドのギルマスのゴーゴです」
「あ……」
モアレさんが、ビクッと体を震わす。
「すまないね。こいつ、ランクの事になると引かなくて。俺達も本当は謝ろうと思っていたんだ」
「うん? 謝る?」
リラさんが聞き返す。
「ライにギルドを一旦抜けてもらって、審議を確かめたんだ。勿論責めるつもりじゃなくて、確認する為。で、もしよかったらギルドに入ってもらおうかと思ってさ」
「AランクしかいないギルドにBランクの彼女を? それって浮くでしょう」
「確かにね。でもリーダーを強くしてくれる仲間って頼もしいだろう?」
「結局自分の為じゃない」
「だったらお前らは違うのかよ!」
「だから違うと言ってるでしょう?」
ライグライドさんの言葉に、リラさんが違うと返す。
「彼女、モアレさんは、今回の事で凄く反省してゲーム自体をやめようとしていたんだ。普通ならそのままやめると思うんだけど、ダンジョンポイントを初心者のギルドに寄付しようとしてくれてね。それで理由を聞いたんだ。確かに黙っていたのは争いの種になるけど、リラさんの言う通り回復薬で回復できるし、ゴーゴさんが言う通り、リーダーを強くしてくれる味方は頼もしい。でももし彼女が、そのバディを外したとしても俺は仲間に入れようと思ってる」
「……そのバディ外したら普通のプレイヤーだろうに」
「普通じゃないプレイヤーって何?」
ライグライドさんの言葉に、俺は聞き返す。
「トッププレイヤーの事だよ!」
「ライ! やめろ! 決めるのは彼女だ。ゲームをやめるのも続けるのもね。別に言いふらすつもりはないよ。帰るぞ、ライ」
「あぁ。せいぜい彼女を引き留めれば?」
「何なのあの人達!」
「何って、トッププレイヤーのギルドでしょ」
リラさんが怒って言うと、つらーっとミチさんが答えた。
「私は、あんなギルドならお断りよ!」
「ご、ごめんなさい。私のせいで、なんか大変な事になっちゃって……」
「大丈夫だよ。あの人、エットのライバルなんだ!」
「ママルさん、それはちょっと違うと思う」
「え!? 違うの?」
俺が否定すると、ママルさんが本気で驚いている。
「っぷ。あんなのがライバルなわけないでしょう? ライバルは、この私よ。それよりも、あんなギルドに負けられないわ!」
「何か火がついちゃったみたいね」
リラさんの台詞に、どうするのとミチさんが俺を見た。
「さて、どうしたもんかな……」
何か、問題事が増えたような感じだ――。
「うん。現れたね」
「ステータス」
俺達は、陰からこっそりと覗いていた。相手は、モアレさんと最後にパーティーを組んだリーダーだ。名前を聞くと知っている名だった。だから付き添いをリラさんにお願いした。
□――――――――――――――――――――□
名 前:ライグライド
レベル:37
H P:29,600
ラック:150
□――――――――――――――――――――□
37レベルまで上がってる。上目指しているだけあるなぁ。彼だったらMP取られたら文句言うかも。
「いやぁ、逃げ足が速くてびっくりしたよ。まさかそっちから連絡をくれるなんてね」
「その、あの時は、ごめんなさい」
「ふーん。ギルド入ちゃったんだ」
「え?」
「彼女も反省しているから許してあげてほしいの。彼女の面倒は私達ギルドがみるわ。そうしたら他の人も被害に遭わないでしょう」
「被害ねぇ。リラさんだっけ? おたく、最大値どれ?」
「攻撃力だけどそれが何か?」
「羨ましいね。俺は体力でさ、彼女にMPと引き換えに増やしてもらってもあまり意味がないんだよね。でもさ、攻撃力だと絶大じゃないか? 15%上昇したし」
「何が言いたいのよ」
「俺達の所にこないかってこと。俺達のギルドは、Aランクしか入れない事になっているけど、モアレさんなら大歓迎だよ」
「え……」
モアレさんが困惑している。
「だから黙っているからこいって言ってるの。同じ事だろう?」
「どこが同じだよ! そう言うの脅しって言うんだよ!」
「ちょ……ママルさん」
隠れて見ていたのに、ママルさんが飛び出してしまった。
「本当に何も変わってないわね。自分達の事だけ? 同じじゃないわよ。全然違うわ」
「あぁ……ミチさんまで」
「はぁ? お前達!」
「どうも……」
「へえ。流石だな。うまい事引き入れたって事か」
その言葉に俺はカチンと来た。
「引き入れた? ある意味そうね。あなたと違ってお人好しだから彼女が可哀想でね」
だが先にリラさんが、目の前にいるライグライドさんを睨み付け言う。
「そうだよ! エットは、彼女から最大値の話を聞く前からOKしていたんだから!」
「あなたと違って、自分の為にではなく、彼女の為にね」
「女に囲まれていいご身分だねぇ。どれだけ強くなったかと思ったけど、まだレベル20台ですか。あのさ、被害者俺だから! MP取られて0になったんだけど!」
「騒ぐほどでもないでしょう? MPなんて、回復薬で回復出来るんだから。彼女を脅して、仲間に引き入れようなんて! ふん。何がAランクよ! こっちはSランクよ!」
「はぁ? Aランクが一番なんだよ!」
「ライ! まてまて!」
ひょいっと陰から一人の男性が出て来た。魔法使い系の格好をしている。
「どうも、Aラインギルドのギルマスのゴーゴです」
「あ……」
モアレさんが、ビクッと体を震わす。
「すまないね。こいつ、ランクの事になると引かなくて。俺達も本当は謝ろうと思っていたんだ」
「うん? 謝る?」
リラさんが聞き返す。
「ライにギルドを一旦抜けてもらって、審議を確かめたんだ。勿論責めるつもりじゃなくて、確認する為。で、もしよかったらギルドに入ってもらおうかと思ってさ」
「AランクしかいないギルドにBランクの彼女を? それって浮くでしょう」
「確かにね。でもリーダーを強くしてくれる仲間って頼もしいだろう?」
「結局自分の為じゃない」
「だったらお前らは違うのかよ!」
「だから違うと言ってるでしょう?」
ライグライドさんの言葉に、リラさんが違うと返す。
「彼女、モアレさんは、今回の事で凄く反省してゲーム自体をやめようとしていたんだ。普通ならそのままやめると思うんだけど、ダンジョンポイントを初心者のギルドに寄付しようとしてくれてね。それで理由を聞いたんだ。確かに黙っていたのは争いの種になるけど、リラさんの言う通り回復薬で回復できるし、ゴーゴさんが言う通り、リーダーを強くしてくれる味方は頼もしい。でももし彼女が、そのバディを外したとしても俺は仲間に入れようと思ってる」
「……そのバディ外したら普通のプレイヤーだろうに」
「普通じゃないプレイヤーって何?」
ライグライドさんの言葉に、俺は聞き返す。
「トッププレイヤーの事だよ!」
「ライ! やめろ! 決めるのは彼女だ。ゲームをやめるのも続けるのもね。別に言いふらすつもりはないよ。帰るぞ、ライ」
「あぁ。せいぜい彼女を引き留めれば?」
「何なのあの人達!」
「何って、トッププレイヤーのギルドでしょ」
リラさんが怒って言うと、つらーっとミチさんが答えた。
「私は、あんなギルドならお断りよ!」
「ご、ごめんなさい。私のせいで、なんか大変な事になっちゃって……」
「大丈夫だよ。あの人、エットのライバルなんだ!」
「ママルさん、それはちょっと違うと思う」
「え!? 違うの?」
俺が否定すると、ママルさんが本気で驚いている。
「っぷ。あんなのがライバルなわけないでしょう? ライバルは、この私よ。それよりも、あんなギルドに負けられないわ!」
「何か火がついちゃったみたいね」
リラさんの台詞に、どうするのとミチさんが俺を見た。
「さて、どうしたもんかな……」
何か、問題事が増えたような感じだ――。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
398
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる