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第十四話
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「私の記憶は、操作されたものだと……」
「記憶操作と言っても、思い込まされているだけだろう。マイステリー、知っている事をこれで話してくれるね?」
リゾール殿下にもう一度問われ、マイステリー様は頷いた。
「もう気がついているとは思いますが、その記憶操作をしているのは、ビールドリィ嬢です。気がついたのは、彼女が僕に婚約者だと名乗った時です。あの時、僕に魔法を掛けようとした。僕には、効きませんでしたけどね。どういうつもりかと思い、肯定も否定もせずにいました。申し訳ありません」
「え? あの時? リボンの時?」
私が言うと、そうですとマイステリー様は頷いた。
そう言えば、クラスメイトからマイステリー様を狙っているという話を聞いていたわ。その時に、婚約者の話は一切なかった。いえ、婚約者が居ればそんな話にはならないわ。なぜ気づかなかったのかしら。
「効かなかった? では、君は魔法が効かない体質なのか?」
「いえ……単に僕の方が能力が上だからでしょう」
マイステリー様の言葉に、皆驚いた表情をしてマイステリー様を見ている。そりゃそうよね。魔法を使えないと思っているのですから。
「それはどういう意味だね?」
学園長が聞くと、マイステリー様は私を見た。
「僕は、ヒールを使えるのです。前に彼女の怪我を治しました」
今度は、全員私を見た。
「あの時の事なの?」
お姉様は、いつの事か気がついた様子。
「はい。確かに足をくじき、治癒して頂きました。内緒にして欲しいと言われて黙っておりました」
「まさかと思いますが、ルミージュさんに言われたと言って、彼も特別補修を受けさせたのは、本当は魔法を使えるのを知っていたからなのですか?」
先生の問いに私は頷いた。
「ごめんなさい。マイステリー様にもルミージュ嬢にも怒られて、気がつきました。人の名を語って嘘をつくなどいけない事でした」
「と言う事は、マイステリーが魔法を使える事をルミージュ嬢は知らないという事か?」
リゾール殿下の問いに頷くもマイステリー様は付け加えた。
「姉も知っております。ただ、少し勘違いをしているようなのです。僕が使えるのは、ヒールだけ。でも封印も出来ると思っているらしいのです」
「カーリア様は、未来が見えたと言っていました。あるはずです」
私が言うと、マイステリー様は困り顔になった。
「そう言われても。一体なんて言われたの?」
「え!? そ、それは……」
本当の愛を教えてあげて欲しいと言われたけど、そんな事恥ずかしくて言えないわ。
「ユリーナ」
お姉さまが言いなさいと、強めに私の名を呼んだ。
「マイステリー様の心を開いてほしいと。自分が一番ではなく、相手を一番に考える者でないと、心を開かせられないと言われたのです。……私にそれが当てはまるかわかりませんが、私にそれをして欲しいと言われました」
「それって、それで僕に近づいたの? 僕と一緒にやりたかったって嘘?」
「そ、それは本当です! 私がずるかったのです。カーリア様にそう言われたから、婚約者がいるけどいいかなって。授業ならお姉様に何も言われないかなって、やましい気持ちで嘘をついて、あなたと……」
って、皆さんがいるのでした!! 自分の顔が赤くなっているのがわかった。見れば、マイステリー様も……これって脈ありですか?
「記憶操作と言っても、思い込まされているだけだろう。マイステリー、知っている事をこれで話してくれるね?」
リゾール殿下にもう一度問われ、マイステリー様は頷いた。
「もう気がついているとは思いますが、その記憶操作をしているのは、ビールドリィ嬢です。気がついたのは、彼女が僕に婚約者だと名乗った時です。あの時、僕に魔法を掛けようとした。僕には、効きませんでしたけどね。どういうつもりかと思い、肯定も否定もせずにいました。申し訳ありません」
「え? あの時? リボンの時?」
私が言うと、そうですとマイステリー様は頷いた。
そう言えば、クラスメイトからマイステリー様を狙っているという話を聞いていたわ。その時に、婚約者の話は一切なかった。いえ、婚約者が居ればそんな話にはならないわ。なぜ気づかなかったのかしら。
「効かなかった? では、君は魔法が効かない体質なのか?」
「いえ……単に僕の方が能力が上だからでしょう」
マイステリー様の言葉に、皆驚いた表情をしてマイステリー様を見ている。そりゃそうよね。魔法を使えないと思っているのですから。
「それはどういう意味だね?」
学園長が聞くと、マイステリー様は私を見た。
「僕は、ヒールを使えるのです。前に彼女の怪我を治しました」
今度は、全員私を見た。
「あの時の事なの?」
お姉様は、いつの事か気がついた様子。
「はい。確かに足をくじき、治癒して頂きました。内緒にして欲しいと言われて黙っておりました」
「まさかと思いますが、ルミージュさんに言われたと言って、彼も特別補修を受けさせたのは、本当は魔法を使えるのを知っていたからなのですか?」
先生の問いに私は頷いた。
「ごめんなさい。マイステリー様にもルミージュ嬢にも怒られて、気がつきました。人の名を語って嘘をつくなどいけない事でした」
「と言う事は、マイステリーが魔法を使える事をルミージュ嬢は知らないという事か?」
リゾール殿下の問いに頷くもマイステリー様は付け加えた。
「姉も知っております。ただ、少し勘違いをしているようなのです。僕が使えるのは、ヒールだけ。でも封印も出来ると思っているらしいのです」
「カーリア様は、未来が見えたと言っていました。あるはずです」
私が言うと、マイステリー様は困り顔になった。
「そう言われても。一体なんて言われたの?」
「え!? そ、それは……」
本当の愛を教えてあげて欲しいと言われたけど、そんな事恥ずかしくて言えないわ。
「ユリーナ」
お姉さまが言いなさいと、強めに私の名を呼んだ。
「マイステリー様の心を開いてほしいと。自分が一番ではなく、相手を一番に考える者でないと、心を開かせられないと言われたのです。……私にそれが当てはまるかわかりませんが、私にそれをして欲しいと言われました」
「それって、それで僕に近づいたの? 僕と一緒にやりたかったって嘘?」
「そ、それは本当です! 私がずるかったのです。カーリア様にそう言われたから、婚約者がいるけどいいかなって。授業ならお姉様に何も言われないかなって、やましい気持ちで嘘をついて、あなたと……」
って、皆さんがいるのでした!! 自分の顔が赤くなっているのがわかった。見れば、マイステリー様も……これって脈ありですか?
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