僕の人生はダイスに握られています

すみ 小桜(sumitan)

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  「おら、とっとと歩け」

 あんなに怯えていたのに、魔法を使えないと思って態度が変わった。丘を降りたところに馬が二頭いる。その馬に一人が縄を付けて始め、一人が僕に頭からスポッと大きな麻袋をかぶせた。

 「ぎゃー。ちょっと、何す、いた~~!!」

 別に手足を縛られているわけではないので自由に動けるけど、いきなり袋を被せられ足元を引っ張られたらそりゃ倒れるって!
 足元の袋の口をギュッと縛られた。真っ暗になり恐怖心が沸く。
 待って。もしかして……。

 「いた、痛い! ちょっと、僕本当に違うって! やめて~!」

 予想は当たってしまった。馬で引きずられ始めた。めちゃくちゃ痛い! まだ袋がある分ちょっとマシって感じだけど、何も見えないのも恐怖でしかない。
 地面に擦れるだけではなく、あちこちにぶつかっていて、これ不死身じゃなかったら死んでるんだけど!

 悔しいけど、泣いてしまった。僕、今まで普通の高校生だったんだけど! こんなの耐えられるはずないじゃないか。耐えられないから死んで……。
 これなら死んだ方がいい。なんで僕は、異世界で生きる選択なんてしたんだ。

 しばらくして止まった。そして、担がれる。
 本来なら痛みで気を失っているだろうに、僕はそれすらできないらしい。このままだと一生いたぶられる地獄だ。ぐすん。

 「こいつ泣いてないか?」

 もう大声を上げる気力さえない僕は、ぐすんぐすんと泣いていた。

 「ふん。呪いの呪文でも言っているのだろう? 無駄なのになぁ」

 どさぁ。

 「ぐわぁ」

 乱暴に降ろされた。いや落とされた!
 一瞬息が止まる。

 「ガリンド様。悪魔を捕まえました!」
 「ほう。顔でも拝んでおくか。袋をとれ」
 「へい」

 これまた乱暴に、袋から出された。

 「う……はぁはぁ」

 腹が出た小太りのいかにもお金持ちの悪徳貴族風の男が、僕の顔を覗き込む。

 「引きずってきましたが、この通り気絶さえしてません」
 「ぐふふふ。よくやった! 今のうちに魔力を抜き取っておけ」
 「はい」

 ガリンドの命令で棒の様な物を持ってきて、僕につんとした。本来なら痛くない行為だけど、全身傷だらけな僕にはこれですら痛い。

 「あの、ガリンド様。魔力を吸い取れません」
 「何?」

 ガリンドもアイテムを覗き込んでいる。そして青ざめた顔つきになった。

 「恐ろしい奴め。その首輪をしているのにもかかわらず、はじくと言うのか」
 「ち、違う……」
 「えぇい。黙れ!」

 魔力を吸い取る棒でガリンドが、僕を叩く。

 「くっ……」
 「いい気味だ」

 僕の苦痛で歪んだ顔を見て満足そうな顔をする。この変態め!
 あぁ、もう。痛みが全然引かない。体は自由なのに動かす事が出来ない。普通は、痛みがマヒしたりしない?
 僕はこの絶望した状況に泣くしかなかった――。
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2021.08.31 ユーザー名の登録がありません

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2021.08.31 すみ 小桜(sumitan)

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