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第一章 使い魔ピピとの出会い

第二話

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 まずは魔王。

 ポン。
 《魔王は、魔族の頂点で世界に一人しか存在しません。いろんな魔法、スキルが扱えます。勇者特有の魔法とスキル、攻撃魔法以外は、ほぼレジストできます。また魔族を従える事が出来ます》

 なるほど。確かに王だから一人しか存在しないのか。俺だけか! しかも無敵に近い! って魔王のステータスだったらな! 
 そう思うもついニヤリとしてしまう。どうせなら名乗りたい。自慢したい!
 やっぱり魔王の力を手に入れる方法を探そう!

 よし次は、幻覚魔導士だな。キャラ作成の時に見たけど一応。

 ポン。
 《幻覚魔導士は、魔族が扱える職業です。この職業は裏ステータスになり、隠れステータスで隠れます。またレベルが上がると普通の魔法も覚えます》

 おぉ、少し説明が増えてる。でもたしか職業自体のレベルってそのスキルや魔法を使わないと上がらなかったのではなかったか。うーん。幻覚を使えって事か……。どんな時に使えばいいって言うんだ。これは後で色々試してみよう。

 次は補正か……。

 ポン。
 《職業やスキルよって補正が掛かった時に表示されます》

 まんまだな。まあ今回のエンカウントとスピードは、敵に遭わずにスムーズに移動できるって事なんだろうけど……。レベル上げに向かない補正だな。解除できないのかこれ? 後でこれも試さないとな。

 次は魔王の威厳か。
 レベルが付いているって事は、このスキル自体が強くなるって事か。どれどれ。

 ポン。
 《魔王の威厳は、魔王のみが使えるスキルでレベルが上がる事により出来る事が増えていきます。LV一:絶対命令(NPCのみ)――最高三分間、相手を操る事が出来る》

 微妙だな? 使いどころがわからん。まあNPCにしか使えないけど三分で切れるみたいだからかけまくってレベルUPさせて、次の能力を手に入れるのがいいな。
 って、魔王の姿じゃなくてもこういうのは使えるのか……。

 回復魔法は解説はいいか。ワープは見ておくかな。

 ポン。
 《ワープは、使う場所を問わず指定した場所に瞬間移動できます。消費MPは五です。魔王補正でクール時間はありません》

 本来は続けて使用出来ないものだったのか。まあ、続けて使用する事など滅多にないと思うけど。
 消費は五か。確か五が最低だったな。補正が入れば減るだろうけど。

 それじゃ次と。

 ポン。
 《召喚は、HPを代償として使用します。一回最大値の五%を消費します。魔王の場合は種族が魔族だった場合、従える事が出来ます》

 確認してから決定すればよかったか? HPを消費するのかよ。しかも%で。固定じゃないところがやらしい。

 今現在は五〇〇だから二五の消費か。確か、一分で一回復だったよな。座って回復だと三回復。魔王補正があるから立っていても一分で五回復だから五分で全回復するな。
 後で試してみるかな。

 次は幻覚だな。

 ポン。
 《幻覚は、相手に幻を見せる事が出来ます。自分のレベルが相手より上だとかかりやすくなります。範囲魔法で最大半径五メートル内に効果があります。MPを一〇消費します》

 これプレイヤーに掛けるのか? 何と言うか、悪人用の魔法だな。さっきの威厳もそうだけど。……魔王だからか? 俺に使いこなせそうもないな。

 はぁ。思ったよりイマイチ使えるチートがない。自分のレベルを上げて強くなる方が手っ取り早そうだ。
 おっと、最後に二つ名の伝説の魔王を見ておかなくては……。

 「次の方、どうぞ。……次の方!」

 俺の目の前には、人がいなかった。俺か!

 慌てて書類を係り男性の人に手渡す。
 危ない。つい夢中になっていた。

 「では、青い扉にどうぞ」

 俺は言われるままに赤と青がある扉のうち、青の扉に入った。そこには一人の男性が鋭い視線を送って来る。

 思い出した!
 これ俺達を呼び出した召喚師が、召喚した俺達を嵌める為に仕掛けたワナだ。確か、城を出る時にナイフを盗んだとかで、この男がナイフを隠し持っていて、こっそり取り出して罪を吹っ掛けようとするんだったな。

 えっと対処法は、国の刻印が偽物だと暴けば……。いや待てよ。確か全身くまなくボティチェックされるんじゃなかったか? つまり胸も一応触られる……。
 おいおい! 小さくても胸あるのばれじゃないか! 女だとばれる! まずい。ここで拒否すれば捕まるんだった!
 ど、どうしたらいいんだ! これもう運営は俺を排除しようとしてないか?!
 ……あ、そうだ! あれ使えないか試すか!

 「絶対命令!」

 俺が叫ぶと、近づいてきていた男の歩みが止まった。
 魔王の威厳LV一の絶対命令を使用してみた。

 効いてるみたい? 取りあえず語りかけてみるか。

 「名前は?」

 「アルー」

 おぉ、効いている! って喜んでいる場合じゃない! 三分しかないんだ。

 「では、アルーさん。俺のボディーチェックは終了し、予定通りナイフを取り出すも偽物だと指摘され、俺の物だとナイフを返し元に戻る」

 アルーは徐に懐からナイフを取り出し、俺に手渡した。

 マジか! NPCが思いのままなのか!

 俺は顔がにやけるのが自分でわかった。
 結構使えるなこれ。

 「いいか。今回は見逃してやる! 証明書を受け取って立ち去るがいい!」

 ハッと我に返ったアルーは、決まり台詞を言って扉を指差した。

 「うんじゃ、そういう事で」

 俺は何事もなかったかのように扉から部屋の外にでた。

 助かったぁ! 魔王の威厳あってよかった! チートバンザイ!

 ナイフは報酬なのだろう。最初の武器としてゲットできるのだ。
 いやぁ何もしないで女だとバレてthe endかと思った。イベントには気を付けないといけないな。運営の策略にもな……。

 その後俺は、無事冒険者認定書を手にした。これがこれから、自分を証明する物になる。不思議な事にこれには、表ステータスが表示されている。

 さてとここからが、本格的な冒険の始まりだ!
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