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第06話 妖精の相容れない近さ
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「正直なところ、儂も全容を把握しきれておらぬ。何せ、幾度となく当主が代替わりするほどの時間の流れを内包する話ゆえ」
ふうと溜息を吐く素振りをしながらノイシュはソーサーを持ち上げて一口、残っていたアッサムティーを嚥下する。
「資料に残っておるのは、彼らたっての願いで黒い犬として契約したこと。さらに〝秘宝展〟の開催に際して彼らを守り手に任命していたことのみじゃ」
「あえて残さなかった、と見るべきなのでしょうね。黒い犬だと言い当てられれば、彼らが人の形を保つことは難しくなる」
「おそらくは、だがの」
そう言いながら思い出されるのはつい先程の一幕。
ノクスとクロヴィスに対し、あえて妖精名を告げずに関連事項だけで匂わせるに留めた自身の判断は間違っていなかったらしい。魔術師らしさのある言い回しが、良くも悪くも花菱の舌へと馴染んでいたのが功を奏したのだった。
「とどのつまり。……これらの資料から導き出された推論が事実であるのか、お主に見極めてもらうのも意図の一つであったという訳じゃ」
「一石二鳥という訳ですか。ノイシュ卿らしい」
「無論、依頼を出した本来の目的の方が重要ぞ? 何か危険が及んでおれば、お主の手腕を以って〝秘宝〟の安全を確保してもらいたいというのが本心じゃ」
そう告げながらコトリ、とローテーブルに戻されるティーカップは、空っぽになっていた。
「さて、手詰まりと言っておったな。何があったのだ?」
愛らしくも首をこてりと傾けるその面差しは厳しげだ。良くも悪くも、ノイシュは花菱の有能さを評価しているかゆえの表情であった。
ほんの数秒。視線を逸らしてから藍色の瞳は美しきオパールの瞳を見据える。
「……ノイシュ卿は、私の魔力適性の特異性をご存じですよね」
「知っておるとも」
魔術師は彼ら自身が有する魔力によって、行使できる魔術に一定の適性がある。その人が持ちうる魔力の性質によって、扱える魔術に差が出るからである。言わばロールプレイングゲームにおける、職業に起因する武器適性のようなものだ。
ほとんどの魔術師が一つから多くて三つの魔術へ適性を持つ中で、花菱の特異性というのが何かといえば。
「稀有なれど厄介極まりないことこの上ないわな。——すべての魔術に一定の適性があるなぞは」
体内に様々な性質の魔力を宿し、ほぼすべての魔術を扱えるということだった。親和の関係性を持つ魔力のみならず、本来なら相克する魔力でさえも内包する身体は、魔術師として万能のように見えてその実縛りの多いもの。
「卿から見て、私は人間に見えますか?」
「……みえるぞ。少なくとも、お主は妖精でも幽霊でもないことぐらいは分かる」
「でも、彼らにはその確信が持てなかったようです。この混沌に似た気配によって」
「ほう。魔力の異質さに慄くか」
「ええ。それを理由に、彼らは私と〝秘宝展〟との縁を疑似的に切ったようです」
胸に手を当てて告げる花菱に、ノイシュは興味深そうに顎を指で摘み思案する様子を見せる。それからじぃ、とオパールの瞳を魔力で光らせてから瞼でその輝きを覆い隠した。
こち、こち、こち、こち、秒針の進む音だけが部屋に響く。
静寂の中、意図を掴みきれずに微動だにせず待ち続けること数十秒。ぱちり、とノイシュの瞳が開いて。
「確かにな。この神秘廃れた時代の魔術師としては、お主の魔力は異様であろうなぁ……」
「そう言われるとなんだか凹みますね。欲しくて得た訳じゃないものですし」
「すまぬすまぬ。しかし、稀有なものほど重畳され、なおかつ畏怖さるるは世の常じゃ。諦めよ」
そう少し寂しげな表情をするのは、彼女自身が他に類を見ない“妖精に近き人”であるが故か。誰もが羨むものを持っていても、当人には無用の長物たることのなんと多きことだろう。花菱はぐっと、唇を噛んだ。
「しかし混沌か。ギリシャ神話における原初の概念たる魔力を持つ魔術師なれば、恐怖も抱くか」
「だからと言って、引き下がることはできませんよ。依然として、〝秘宝たち〟は〝怪盗の仮面〟に狙われたままなのですから」
「それについてじゃが、誰が憑代であるか見当はついておるのか?」
憑代と告げたノイシュに、花菱は意図を測りきれずに眉を顰める。そして脳味噌がその意味を咀嚼しきると、ハッと息を呑んだ。
「まさか、〝怪盗の仮面〟は誰かに憑くことで間接的に盗みを働くのですか?」
「その通りじゃよ」
少女の重々しい頷きに、花菱はこの表情を厳しく曇らせる。
「仮面として実在し、着けた者の〝宝に対する所有欲〟を刺激する。そして意識を乗っ取り、盗みを働かせるとのことだ」
「……実態を有していても、厄介極まりないですね」
「手間をかけさせてしまってすまぬの。しかしお主ぐらい良識がある者にしか頼めぬのが事実故な」
眉尻を下げて遠くを見つめるオパールが、曇ったように濁る。それは花菱には計り知れない魔術師としての、長らく続く魔術一家としての苦悶が滲みでており。それ故にこの選択を余儀なくさせたのだろうな、と思わせられる表情であった。
「つまり〝怪盗の仮面〟を憑代が誰であるか突き止め、かつ仮面本体を叩く必要がある、と」
「その通りじゃ。出来そうかの?」
「依頼されたからには最善を。……ですが」
そっと伏せられる瞳が映すのは、揺らめく濃い茶褐色の水面。情報を補足し、様々な推論を作り上げ筋道を立てながらも、たった一つ解決できない楔が花菱の脳内にまだ残っている。
「探し出せない〝秘宝展〟へとどうやってもう一度足を運ぶか、それが問題ですね」
縁とは、繋がりでありそして存在の認知でもある。例えいかなる魔術を花菱が行使したとしても、妖精の姿隠しは看破できるものではない。
ぐっと奥歯を噛むように口を引き結べば、細いノイシュの喉がくつくつと鳴らすような高い音を出す。
「なんじゃお主。そんなことに悩んでおるのか?」
「ええ。そんなことで悩んでいますとも」
「ほほほ、まだまだ若人じゃのう。では巻き込んでしまった儂から特別大ヒントよ」
そこで得意げに指をぱっちん。小さな手が奏でる音と共に、ふわりとノイシュの魔力が舞ってティーカップの水面に浮かび上がる見知った人の顔。
「例えいかに優秀な者でも流石に〝秘宝展〟のまつわる全ての縁を有耶無耶にすることは難しいじゃろうて。な?」
* * * * *
服装よし、寝癖よし、化粧よし、香水もよし。
「……おっけい」
まだ眠たそうな顔をした鏡の頷き、頷き返されて。花菱は子洒落たホテルの化粧室を出た。
ベルリッジ、ノイシュとのお茶会の後。世間話もそこそこに魔導書管理局を立った花菱は、すぐさまマンチェスターへとんぼ返りをしていた。移動する前に自宅から回収した数日分の着替えが詰まったリュックを片手に、電車の中で予約を取ったホテルに一泊。怒涛の展開に冴えてしまった目を無理やり休眠させて、依頼完了するべく動き出して今に至るという訳である。
「うぉ、今日は冷える」
ホテルのエントランスを出れば、吹き抜ける風の肌寒さに声が出た。フラットパンプスの足取りはまっすぐと、迷うこと一つない。昨日も歩いた道。似た喧噪が広がる街並みを、さくさくこつこつと歩み進めていく。
向かう先は、マンチェスターの中でも珈琲の美味しいあのお店。
(よし、此処には辿り着けた)
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
「カプチーノを一つ。温かいもので」
以前飲んだホットカフェラテも美味しかったが、それよりも彼の飲んでいたラテアートのなんともいえぬ可愛らしさに花菱は心惹かれていた。この小さなカップに敷き詰められる芸術ともいえるそれを、是非とも自身のために描いてもらいたかったのである。
「おまたせしました」
「わ、……ありがとうございます」
出てきたのは、昨日と似た葉っぱの模様でもハート型が縦に連なったような三枚葉の葉っぱ模様のラテアート。デザインカプチーノのと異なり、ミルクの注ぎ方一つで作り上げられた模様は液体の対流が生み出す自然な流線形が美しい。
崩さないよう丁寧にトレーへと乗せてそっと持ちあげ、店内を見渡しながら歩き始めれば。
「——隣、空いてますよ」
耳聡く聞き分けたのは、覚えのある柔らかな響きの声色。目を向ければ、空色の瞳がにっこりと弧を描くように涙袋が膨れる。
「いかがです?」
「そりゃあ勿論、お邪魔しても?」
「誘ったのはこちらです。断る理由などありません」
その言葉に、さっとその隣へと腰を下ろす花菱。四人掛けのテーブルの上、いつかと同じように彼の正面に置かれたホットカフェラテにくすりと笑みを零す。
「また此処でなら会えると思っていたよ、テオドール」
「私も、貴女なら此処に来てくださると思っていましたよ。ミス・ハナビシ」
にこり、テオドールが零した笑みは、いつかのティーカップに浮かび上がった表情と同じであった。
ふうと溜息を吐く素振りをしながらノイシュはソーサーを持ち上げて一口、残っていたアッサムティーを嚥下する。
「資料に残っておるのは、彼らたっての願いで黒い犬として契約したこと。さらに〝秘宝展〟の開催に際して彼らを守り手に任命していたことのみじゃ」
「あえて残さなかった、と見るべきなのでしょうね。黒い犬だと言い当てられれば、彼らが人の形を保つことは難しくなる」
「おそらくは、だがの」
そう言いながら思い出されるのはつい先程の一幕。
ノクスとクロヴィスに対し、あえて妖精名を告げずに関連事項だけで匂わせるに留めた自身の判断は間違っていなかったらしい。魔術師らしさのある言い回しが、良くも悪くも花菱の舌へと馴染んでいたのが功を奏したのだった。
「とどのつまり。……これらの資料から導き出された推論が事実であるのか、お主に見極めてもらうのも意図の一つであったという訳じゃ」
「一石二鳥という訳ですか。ノイシュ卿らしい」
「無論、依頼を出した本来の目的の方が重要ぞ? 何か危険が及んでおれば、お主の手腕を以って〝秘宝〟の安全を確保してもらいたいというのが本心じゃ」
そう告げながらコトリ、とローテーブルに戻されるティーカップは、空っぽになっていた。
「さて、手詰まりと言っておったな。何があったのだ?」
愛らしくも首をこてりと傾けるその面差しは厳しげだ。良くも悪くも、ノイシュは花菱の有能さを評価しているかゆえの表情であった。
ほんの数秒。視線を逸らしてから藍色の瞳は美しきオパールの瞳を見据える。
「……ノイシュ卿は、私の魔力適性の特異性をご存じですよね」
「知っておるとも」
魔術師は彼ら自身が有する魔力によって、行使できる魔術に一定の適性がある。その人が持ちうる魔力の性質によって、扱える魔術に差が出るからである。言わばロールプレイングゲームにおける、職業に起因する武器適性のようなものだ。
ほとんどの魔術師が一つから多くて三つの魔術へ適性を持つ中で、花菱の特異性というのが何かといえば。
「稀有なれど厄介極まりないことこの上ないわな。——すべての魔術に一定の適性があるなぞは」
体内に様々な性質の魔力を宿し、ほぼすべての魔術を扱えるということだった。親和の関係性を持つ魔力のみならず、本来なら相克する魔力でさえも内包する身体は、魔術師として万能のように見えてその実縛りの多いもの。
「卿から見て、私は人間に見えますか?」
「……みえるぞ。少なくとも、お主は妖精でも幽霊でもないことぐらいは分かる」
「でも、彼らにはその確信が持てなかったようです。この混沌に似た気配によって」
「ほう。魔力の異質さに慄くか」
「ええ。それを理由に、彼らは私と〝秘宝展〟との縁を疑似的に切ったようです」
胸に手を当てて告げる花菱に、ノイシュは興味深そうに顎を指で摘み思案する様子を見せる。それからじぃ、とオパールの瞳を魔力で光らせてから瞼でその輝きを覆い隠した。
こち、こち、こち、こち、秒針の進む音だけが部屋に響く。
静寂の中、意図を掴みきれずに微動だにせず待ち続けること数十秒。ぱちり、とノイシュの瞳が開いて。
「確かにな。この神秘廃れた時代の魔術師としては、お主の魔力は異様であろうなぁ……」
「そう言われるとなんだか凹みますね。欲しくて得た訳じゃないものですし」
「すまぬすまぬ。しかし、稀有なものほど重畳され、なおかつ畏怖さるるは世の常じゃ。諦めよ」
そう少し寂しげな表情をするのは、彼女自身が他に類を見ない“妖精に近き人”であるが故か。誰もが羨むものを持っていても、当人には無用の長物たることのなんと多きことだろう。花菱はぐっと、唇を噛んだ。
「しかし混沌か。ギリシャ神話における原初の概念たる魔力を持つ魔術師なれば、恐怖も抱くか」
「だからと言って、引き下がることはできませんよ。依然として、〝秘宝たち〟は〝怪盗の仮面〟に狙われたままなのですから」
「それについてじゃが、誰が憑代であるか見当はついておるのか?」
憑代と告げたノイシュに、花菱は意図を測りきれずに眉を顰める。そして脳味噌がその意味を咀嚼しきると、ハッと息を呑んだ。
「まさか、〝怪盗の仮面〟は誰かに憑くことで間接的に盗みを働くのですか?」
「その通りじゃよ」
少女の重々しい頷きに、花菱はこの表情を厳しく曇らせる。
「仮面として実在し、着けた者の〝宝に対する所有欲〟を刺激する。そして意識を乗っ取り、盗みを働かせるとのことだ」
「……実態を有していても、厄介極まりないですね」
「手間をかけさせてしまってすまぬの。しかしお主ぐらい良識がある者にしか頼めぬのが事実故な」
眉尻を下げて遠くを見つめるオパールが、曇ったように濁る。それは花菱には計り知れない魔術師としての、長らく続く魔術一家としての苦悶が滲みでており。それ故にこの選択を余儀なくさせたのだろうな、と思わせられる表情であった。
「つまり〝怪盗の仮面〟を憑代が誰であるか突き止め、かつ仮面本体を叩く必要がある、と」
「その通りじゃ。出来そうかの?」
「依頼されたからには最善を。……ですが」
そっと伏せられる瞳が映すのは、揺らめく濃い茶褐色の水面。情報を補足し、様々な推論を作り上げ筋道を立てながらも、たった一つ解決できない楔が花菱の脳内にまだ残っている。
「探し出せない〝秘宝展〟へとどうやってもう一度足を運ぶか、それが問題ですね」
縁とは、繋がりでありそして存在の認知でもある。例えいかなる魔術を花菱が行使したとしても、妖精の姿隠しは看破できるものではない。
ぐっと奥歯を噛むように口を引き結べば、細いノイシュの喉がくつくつと鳴らすような高い音を出す。
「なんじゃお主。そんなことに悩んでおるのか?」
「ええ。そんなことで悩んでいますとも」
「ほほほ、まだまだ若人じゃのう。では巻き込んでしまった儂から特別大ヒントよ」
そこで得意げに指をぱっちん。小さな手が奏でる音と共に、ふわりとノイシュの魔力が舞ってティーカップの水面に浮かび上がる見知った人の顔。
「例えいかに優秀な者でも流石に〝秘宝展〟のまつわる全ての縁を有耶無耶にすることは難しいじゃろうて。な?」
* * * * *
服装よし、寝癖よし、化粧よし、香水もよし。
「……おっけい」
まだ眠たそうな顔をした鏡の頷き、頷き返されて。花菱は子洒落たホテルの化粧室を出た。
ベルリッジ、ノイシュとのお茶会の後。世間話もそこそこに魔導書管理局を立った花菱は、すぐさまマンチェスターへとんぼ返りをしていた。移動する前に自宅から回収した数日分の着替えが詰まったリュックを片手に、電車の中で予約を取ったホテルに一泊。怒涛の展開に冴えてしまった目を無理やり休眠させて、依頼完了するべく動き出して今に至るという訳である。
「うぉ、今日は冷える」
ホテルのエントランスを出れば、吹き抜ける風の肌寒さに声が出た。フラットパンプスの足取りはまっすぐと、迷うこと一つない。昨日も歩いた道。似た喧噪が広がる街並みを、さくさくこつこつと歩み進めていく。
向かう先は、マンチェスターの中でも珈琲の美味しいあのお店。
(よし、此処には辿り着けた)
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
「カプチーノを一つ。温かいもので」
以前飲んだホットカフェラテも美味しかったが、それよりも彼の飲んでいたラテアートのなんともいえぬ可愛らしさに花菱は心惹かれていた。この小さなカップに敷き詰められる芸術ともいえるそれを、是非とも自身のために描いてもらいたかったのである。
「おまたせしました」
「わ、……ありがとうございます」
出てきたのは、昨日と似た葉っぱの模様でもハート型が縦に連なったような三枚葉の葉っぱ模様のラテアート。デザインカプチーノのと異なり、ミルクの注ぎ方一つで作り上げられた模様は液体の対流が生み出す自然な流線形が美しい。
崩さないよう丁寧にトレーへと乗せてそっと持ちあげ、店内を見渡しながら歩き始めれば。
「——隣、空いてますよ」
耳聡く聞き分けたのは、覚えのある柔らかな響きの声色。目を向ければ、空色の瞳がにっこりと弧を描くように涙袋が膨れる。
「いかがです?」
「そりゃあ勿論、お邪魔しても?」
「誘ったのはこちらです。断る理由などありません」
その言葉に、さっとその隣へと腰を下ろす花菱。四人掛けのテーブルの上、いつかと同じように彼の正面に置かれたホットカフェラテにくすりと笑みを零す。
「また此処でなら会えると思っていたよ、テオドール」
「私も、貴女なら此処に来てくださると思っていましたよ。ミス・ハナビシ」
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