大好きな推しを追いかけておっかけから奥様になったあの子の話。

メール

帰りの電車で
さっそく、彼女へのメールを送った。

今の名前と、最寄駅、
仕事の時間と休みの日

あと、やっぱり、ライブに行けるようになってから、響ちゃんに会いたくて探してたから、会えたのが本当に嬉しい、ってこと。
二十年ぶりだったから
大袈裟でもなんでもなく
今更会えるとは思っていなかったから
なおさら嬉しかった。

わたしにLunaを教えてくれたこと、本当に感謝してるし、お礼が伝えたかったと言ったら

彼女からは
「わたしも、山中がまだ好きでいてくれて嬉しいよ！」
って
簡潔な返事が来た。

少なくても、彼女のお子さんはまだ小さくて、うちの子よりよほど手がかかると思うから
返事は気にしない、って言ったのに、早く返してくれたのが嬉しい反面、
無理させてしまってないかは気になって

この日は、お礼と、返事は気にしなくていい旨を伝えて終わりにした。

Lunaーーー今はSun and Moonだけどーーーが
彼女とわたしを、また繋いでくれた。

響ちゃんが、開場前に入って行った理由は気になるけど……
それより、今は久しぶりに会えた嬉しさが勝ってしまってる。

帰って、スマホのデータが飛ばないうちに
紙の手帳のほうのアドレス帳に、響ちゃんの名前やアドレスを書きたい。
スマホは便利だけど
何度かデータが飛んで痛い目に遭っていたわたしは、忘れちゃいけないものは紙に、形として残す癖があった。

がさばるけど、安心感には変えられないのだ。

家に帰ってから、Sun and Moonの公式サイトに入って
会場で書き足りなかったライブの感想と、久しぶりに大好きで大切な友人と再会できたことと、その感謝とお礼を書いて、サイトから送った。

この嬉しさをボーカルの彼にも伝えたくなってしまったから。

ただのファンのくせに馬鹿みたい、と思われるかもしれませんが
秘密の逢瀬という、ちょっと怪しげにも聞こえる、レストランで、アコースティックギターでの弾き語りをしてくれるライブだと
公開ラジオのように、聴きにくるファンからの悩み相談などもしてくれて

そこで、子どもが学校へ行きたがらない時があったり、修学旅行も行きたくないと言っていて、行きたくないならその気持ちを尊重したいけど、クラスのみんなで旅行に行く、という経験は大人になったらできないから、思い出になるから行って欲しい気持ちもあって
どうしたらいいと思うか、という相談をしたことがあったのだけど
そんな他愛ないものにも答えてくれたこともあり
普段から嬉しいことがあったりするとそれをメールしたりしていたから
今回の、こんな嬉しいことを伝えない手はなかった。

彼からの返事があるわけじゃないし
普段のメールは一方的になってしまうけど、秘密の逢瀬でそういうメールもネタにしてくれたりするから
一緒に子育てしてくれてるみたいな気持ちになって
助けられた部分がたくさんあった。