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第十章 下北線路外空き地
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それから俺は急いで食事を済ませた。そして食後にはコーヒーとタバコで一息吐いた。これだからこのファミレスは好きなのだ。俺にとってのオアシス兼タバコの吸えるミーティングルーム。ここからなら出雲社長と氷川さんの家も近いしシンプルに使い勝手の良い空間だと思う。
俺がそうやってまったりしていると再び瑞穂たちの笑い声が聞こえた。どうやら二人とも今日は幕張メッセのイベントに行ってきたらしく、その話で盛り上がっているようだ。
「みーちゃんの推しさんめっちゃいい人だったねぇ」
「でしょー! あの人って人柄も良いんだよね。カッコいいだけじゃないんだよ。マジで」
「うんうん! 分かるー。あの人めちゃくちゃ優しいよね」
二人はそんな風に盛り上がっていた。その様子はどこにでもいる女子中学生そのもので微笑ましかった。あんなにクソ生意気な瑞穂にもこんな一面があるのか……。そう思うほどに。
それから俺はタバコを一本吸い終わると席を立った。幸い最後まで俺が同じ店内にいることはバレなかったようだ――。
自宅に戻ると俺は再び仕事に取り掛かった。といってもしたことは明日の準備の最終チェック。それだけだ。今日は瑞穂もいるし、できることなら遅くまでパソコン作業はしない方が良いと思う。
そして仕事が一段落するとベランダに出てタバコを吸った。出雲社長に差し入れて貰ったセブンスター。思えば社長には随分と生活の支援をして貰っている気がする。考えてみればこのマンションだってそうなのだ。名目上ここはトライメライの社宅ということになっているけれど、正直独り身の俺には勿体ないくらい良い部屋だと思う。
思えば……。俺は運が良かったのだ。あれほど最悪な親の下に生まれながら今はこうして大切にしてくれる人たちに囲まれている。それは本当に希有な事だと思う。
だから俺は今いるこの場所を大切にしたいと本気で思っていた。出雲社長と氷川さん。そして弥生ちゃんがいてくれるこの場所を――。
そうこうしていると瑞穂が帰ってきた。帰ってきた瑞穂はさっき話していた内容がまるで幻だったかのようにいつも通り横柄だった。まぁこれくらい憎らしい方が正直安心するのだけれど。
俺がそうやってまったりしていると再び瑞穂たちの笑い声が聞こえた。どうやら二人とも今日は幕張メッセのイベントに行ってきたらしく、その話で盛り上がっているようだ。
「みーちゃんの推しさんめっちゃいい人だったねぇ」
「でしょー! あの人って人柄も良いんだよね。カッコいいだけじゃないんだよ。マジで」
「うんうん! 分かるー。あの人めちゃくちゃ優しいよね」
二人はそんな風に盛り上がっていた。その様子はどこにでもいる女子中学生そのもので微笑ましかった。あんなにクソ生意気な瑞穂にもこんな一面があるのか……。そう思うほどに。
それから俺はタバコを一本吸い終わると席を立った。幸い最後まで俺が同じ店内にいることはバレなかったようだ――。
自宅に戻ると俺は再び仕事に取り掛かった。といってもしたことは明日の準備の最終チェック。それだけだ。今日は瑞穂もいるし、できることなら遅くまでパソコン作業はしない方が良いと思う。
そして仕事が一段落するとベランダに出てタバコを吸った。出雲社長に差し入れて貰ったセブンスター。思えば社長には随分と生活の支援をして貰っている気がする。考えてみればこのマンションだってそうなのだ。名目上ここはトライメライの社宅ということになっているけれど、正直独り身の俺には勿体ないくらい良い部屋だと思う。
思えば……。俺は運が良かったのだ。あれほど最悪な親の下に生まれながら今はこうして大切にしてくれる人たちに囲まれている。それは本当に希有な事だと思う。
だから俺は今いるこの場所を大切にしたいと本気で思っていた。出雲社長と氷川さん。そして弥生ちゃんがいてくれるこの場所を――。
そうこうしていると瑞穂が帰ってきた。帰ってきた瑞穂はさっき話していた内容がまるで幻だったかのようにいつも通り横柄だった。まぁこれくらい憎らしい方が正直安心するのだけれど。
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