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アホ王子への教育とこの異世界
第10講『新聞と戦争とウィリアム・R・ハースト ~“言葉の爆弾”で国を動かした男~』
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王宮の朝は、やかましい。
鳥が鳴くでも、楽団が演奏するでもなく、侍女たちのドタバタと、兵士の剣の音、そして――
「うおおっ!? “王子、王宮脱走疑惑!”って、また一面トップ!? しかも昨日の昼寝の話がっ!? なんで知ってんだよ!!」
……叫ぶ金髪の王子の声で目が覚めた。
私は朝食をつつきながら、ゆっくりと振り返る。
「……はぁ? いまなんつった?」
「だから! 新聞に載ってたんだよ!! 昨日、僕が西の塔にこっそり抜け出して昼寝してたって!」
私は手元のパンを落としそうになる。
「ちょっと待って、王子。この国、新聞あんの?」
「え? あるよ? “トラディア時報”と“王都レポート”、あとは“魔導院広報版”……」
「……めちゃくちゃあるな!!」
私は額を押さえた。
この異世界、技術レベルは“魔法と剣の中世寄り”のくせに、まさかのメディア社会だったとは……。
いや、まてよ。情報の力って、下手な魔法よりよっぽどやっかいじゃね?
私は王子から新聞をひったくるように取り、見出しを読む。
『王子、昼寝先で謎の影!? 魔導師の少女との密会か!?』
「だれが魔導師だコラァ!!!!」
「や、だって最近よく一緒にいるじゃん。噂にもなるって」
私はぐっと歯を食いしばり……ていうかこれ、名前も出てるじゃん。私、完全にスキャンダル要員扱いかよ!!
♢
教室にてーー
「……王子。今日はな。“新聞で戦争を起こした男”、ウィリアム・R・ハーストの話をしてやる!!」
「え? 何それ怖……」
「怖いだろう? いいか、よぉ~く聞け、王子。
言葉は剣より強い。だけど、悪意のある言葉は、爆弾より危ないってことを教えてやる」
「うええぇ……また始まったよ。コヒロの“怖い講義”シリーズ……」
「じゃあ、始めようか。
今日の講義は――“ニュースが国を動かした”瞬間の話だよ、王子」
私は黒板にチョークで名前を書く。
『William Randolph Hearst(ウィリアム・ランドルフ・ハースト)』
「ふーん……またアメリカ人かよ。そいつ、なんでそんな有名なんだ?」
「うん。理由は簡単。
この人――新聞で“戦争”を起こしたって言われてるから」
「……新聞で? え、あの紙の束で?」
「そう。“情報”ってのはね、ちゃんと整えれば“言葉の灯火”になるけど、
燃え広がらせれば“炎上”になるんだよ」
私はスッと立ち上がり、芝居がかった声色に切り替えた。
「彼の名は、ウィリアム・ランドルフ・ハースト。
19世紀末アメリカ――巨大メディア帝国の創設者にして、“新聞王”と呼ばれた男」
「金持ちの息子だった彼は、父親からサンフランシスコの小さな新聞社を譲り受けると、
そこに“読ませる魔法”を持ち込んだ」
「血! 暴力! 不倫! 裏切り! スキャンダルこそが民衆の糧だ!」
彼の新聞は、センセーショナルな見出しと挿絵で、民衆を熱狂させた。
「そのスタイルが――」
私は黒板に大きく書いた。
『《Yellow Journalism》(イエロー・ジャーナリズム)』
「王子、“黄色いジャーナリズム”ってのはね、
人を踊らせるための“見出し芸”のこと。真実よりも反応を取る。事実よりも演出を重視する」
「……まってそれ、最近の魔導院の機関紙でもやってない?」
「やってるね。だいたい同じ病理。
人はね、“本当のこと”より、“信じたいこと”を選んじゃうんだ」
更に黒板に書く。
『戦争を動かす“記事”』
「ハーストの最も有名な逸話が、スペイン=アメリカ戦争の前夜」
私は声を低め、張りをこめて語る。
「当時、キューバではスペインによる支配に対して独立運動が盛り上がっていた。アメリカはその状況に介入しようとしていたけど、世論は割れてた。ハーストはそこに目をつけた」
「……まさか」
「そう。“戦争を望む世論”を、作ろうとした」
私は、ハーストが画家に送ったとされる手紙の一節を再現する。
「”お前は絵を描け。戦争は、私が起こす"
彼は、絵描きをキューバに送り込んだんだ。
そして、“戦争の空気”を、新聞の中に作り出した」
私は黒板に走り書きする。
『「憎悪」+「恐怖」+「義憤」=開戦ムード』
「民衆が怒れば、政府は動かざるをえない。
そして――実際にアメリカはスペインに宣戦布告し、キューバ戦争は始まった」
「……ほんとに!? 戦争が、記事で!?」
「そう。きっかけは軍艦メイン号の爆沈事件だったんだけど……原因は不明。
でも、ハーストはこう書いた。“スペインの陰謀”だと」
「証拠ないのに!?」
「ないよ。でも人々はそれを信じた。なぜなら――“そうであってほしかった”から」
私はひと息ついて、
「王子。ここで大事なのは、人は“情報”を信じるんじゃない。“情報の形”を信じるんだってこと」
「形……?」
「新聞ってだけで、“本当っぽく”見える。誰かが“偉そうに語った”ってだけで、“正しそう”に聞こえる。……でもそれが本当に正しいかなんて、誰も確認しない」
私はカーディガンの袖を直しながら、王子の目を見据えた。
「この異世界だって例外じゃない。“魔導院が言ったから” “新聞に載ってたから”そんな理由で、人が戦ったり、差別したり、怯えたりするのは――愚かだと思わないかね?」
「……うん。こわ……」
「だからこそ、覚えとけ。“誰が何を語ったか”じゃなく、“なぜそう言ったか”を疑え。それが、“言葉の時代”を生き抜く王に必要な目だよ」
しばしの沈黙のあと、ケイ王子がぽつりと呟いた。
「……新聞って、怖いな。でも、すごいな。
だって“字を並べるだけ”で、国も人も、動かせるんだろ?」
私はやや警戒しながらも答える。
「そう。だからこそ慎重にならなきゃいけない。“誰かにとって都合のいい言葉”が、いつだって“正しさ”の顔をして近づいてくるんだよ」
王子は小さく頷いてから、ふいににやりと笑った。
「……よし、僕もちょっと新聞に載ってみようかな」
「……えっ?」
「明日の号に、“王子、次期改革に意欲!”って書かせておこう。ほら、最近人気が落ち気味って言われてるし。そろそろイメチェンしておかないと」
「ちょ、ちょっと待て。なんでそこで“広報戦略”に走る!?」
私は勢いよく立ち上がり、机をばしっと叩いた。
「それハーストと逆方向の教訓だから! 国民煽ったり、印象操作したり、そういう話をするための講義じゃなかったから!!」
ケイは口笛を吹きながら、まるで聞いていないふり。
「よーし、まずは“コヒロ先生、王子に私塾開講!”って記事から始めようかな。人気出るぞ~これ」
「おい、待て! 勝手に私を“知の魔導師”みたいに仕立て上げるなー!」
♢
その日の午後、王宮の中庭には
“王子が信頼する魔導師・コヒロ氏、王子の改革を影で支える”
という見出しが躍る号外が配られていた。
なお、本人は大激怒中である。
「だから! そういう“捏造で盛る”のが一番ダメだって言ったよな!?!?」
けれど、ケイ王子は悪びれた様子もなく言う。
「新聞って……使い方次第で、ほんっと便利だな!」
……もうやだこのアホ。
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「うおおっ!? “王子、王宮脱走疑惑!”って、また一面トップ!? しかも昨日の昼寝の話がっ!? なんで知ってんだよ!!」
……叫ぶ金髪の王子の声で目が覚めた。
私は朝食をつつきながら、ゆっくりと振り返る。
「……はぁ? いまなんつった?」
「だから! 新聞に載ってたんだよ!! 昨日、僕が西の塔にこっそり抜け出して昼寝してたって!」
私は手元のパンを落としそうになる。
「ちょっと待って、王子。この国、新聞あんの?」
「え? あるよ? “トラディア時報”と“王都レポート”、あとは“魔導院広報版”……」
「……めちゃくちゃあるな!!」
私は額を押さえた。
この異世界、技術レベルは“魔法と剣の中世寄り”のくせに、まさかのメディア社会だったとは……。
いや、まてよ。情報の力って、下手な魔法よりよっぽどやっかいじゃね?
私は王子から新聞をひったくるように取り、見出しを読む。
『王子、昼寝先で謎の影!? 魔導師の少女との密会か!?』
「だれが魔導師だコラァ!!!!」
「や、だって最近よく一緒にいるじゃん。噂にもなるって」
私はぐっと歯を食いしばり……ていうかこれ、名前も出てるじゃん。私、完全にスキャンダル要員扱いかよ!!
♢
教室にてーー
「……王子。今日はな。“新聞で戦争を起こした男”、ウィリアム・R・ハーストの話をしてやる!!」
「え? 何それ怖……」
「怖いだろう? いいか、よぉ~く聞け、王子。
言葉は剣より強い。だけど、悪意のある言葉は、爆弾より危ないってことを教えてやる」
「うええぇ……また始まったよ。コヒロの“怖い講義”シリーズ……」
「じゃあ、始めようか。
今日の講義は――“ニュースが国を動かした”瞬間の話だよ、王子」
私は黒板にチョークで名前を書く。
『William Randolph Hearst(ウィリアム・ランドルフ・ハースト)』
「ふーん……またアメリカ人かよ。そいつ、なんでそんな有名なんだ?」
「うん。理由は簡単。
この人――新聞で“戦争”を起こしたって言われてるから」
「……新聞で? え、あの紙の束で?」
「そう。“情報”ってのはね、ちゃんと整えれば“言葉の灯火”になるけど、
燃え広がらせれば“炎上”になるんだよ」
私はスッと立ち上がり、芝居がかった声色に切り替えた。
「彼の名は、ウィリアム・ランドルフ・ハースト。
19世紀末アメリカ――巨大メディア帝国の創設者にして、“新聞王”と呼ばれた男」
「金持ちの息子だった彼は、父親からサンフランシスコの小さな新聞社を譲り受けると、
そこに“読ませる魔法”を持ち込んだ」
「血! 暴力! 不倫! 裏切り! スキャンダルこそが民衆の糧だ!」
彼の新聞は、センセーショナルな見出しと挿絵で、民衆を熱狂させた。
「そのスタイルが――」
私は黒板に大きく書いた。
『《Yellow Journalism》(イエロー・ジャーナリズム)』
「王子、“黄色いジャーナリズム”ってのはね、
人を踊らせるための“見出し芸”のこと。真実よりも反応を取る。事実よりも演出を重視する」
「……まってそれ、最近の魔導院の機関紙でもやってない?」
「やってるね。だいたい同じ病理。
人はね、“本当のこと”より、“信じたいこと”を選んじゃうんだ」
更に黒板に書く。
『戦争を動かす“記事”』
「ハーストの最も有名な逸話が、スペイン=アメリカ戦争の前夜」
私は声を低め、張りをこめて語る。
「当時、キューバではスペインによる支配に対して独立運動が盛り上がっていた。アメリカはその状況に介入しようとしていたけど、世論は割れてた。ハーストはそこに目をつけた」
「……まさか」
「そう。“戦争を望む世論”を、作ろうとした」
私は、ハーストが画家に送ったとされる手紙の一節を再現する。
「”お前は絵を描け。戦争は、私が起こす"
彼は、絵描きをキューバに送り込んだんだ。
そして、“戦争の空気”を、新聞の中に作り出した」
私は黒板に走り書きする。
『「憎悪」+「恐怖」+「義憤」=開戦ムード』
「民衆が怒れば、政府は動かざるをえない。
そして――実際にアメリカはスペインに宣戦布告し、キューバ戦争は始まった」
「……ほんとに!? 戦争が、記事で!?」
「そう。きっかけは軍艦メイン号の爆沈事件だったんだけど……原因は不明。
でも、ハーストはこう書いた。“スペインの陰謀”だと」
「証拠ないのに!?」
「ないよ。でも人々はそれを信じた。なぜなら――“そうであってほしかった”から」
私はひと息ついて、
「王子。ここで大事なのは、人は“情報”を信じるんじゃない。“情報の形”を信じるんだってこと」
「形……?」
「新聞ってだけで、“本当っぽく”見える。誰かが“偉そうに語った”ってだけで、“正しそう”に聞こえる。……でもそれが本当に正しいかなんて、誰も確認しない」
私はカーディガンの袖を直しながら、王子の目を見据えた。
「この異世界だって例外じゃない。“魔導院が言ったから” “新聞に載ってたから”そんな理由で、人が戦ったり、差別したり、怯えたりするのは――愚かだと思わないかね?」
「……うん。こわ……」
「だからこそ、覚えとけ。“誰が何を語ったか”じゃなく、“なぜそう言ったか”を疑え。それが、“言葉の時代”を生き抜く王に必要な目だよ」
しばしの沈黙のあと、ケイ王子がぽつりと呟いた。
「……新聞って、怖いな。でも、すごいな。
だって“字を並べるだけ”で、国も人も、動かせるんだろ?」
私はやや警戒しながらも答える。
「そう。だからこそ慎重にならなきゃいけない。“誰かにとって都合のいい言葉”が、いつだって“正しさ”の顔をして近づいてくるんだよ」
王子は小さく頷いてから、ふいににやりと笑った。
「……よし、僕もちょっと新聞に載ってみようかな」
「……えっ?」
「明日の号に、“王子、次期改革に意欲!”って書かせておこう。ほら、最近人気が落ち気味って言われてるし。そろそろイメチェンしておかないと」
「ちょ、ちょっと待て。なんでそこで“広報戦略”に走る!?」
私は勢いよく立ち上がり、机をばしっと叩いた。
「それハーストと逆方向の教訓だから! 国民煽ったり、印象操作したり、そういう話をするための講義じゃなかったから!!」
ケイは口笛を吹きながら、まるで聞いていないふり。
「よーし、まずは“コヒロ先生、王子に私塾開講!”って記事から始めようかな。人気出るぞ~これ」
「おい、待て! 勝手に私を“知の魔導師”みたいに仕立て上げるなー!」
♢
その日の午後、王宮の中庭には
“王子が信頼する魔導師・コヒロ氏、王子の改革を影で支える”
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なお、本人は大激怒中である。
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