27 / 117
vingt-sept
しおりを挟む
「それお礼でも何でもないじゃない」
「何でさ? 私なりに一生懸命考えた上で……」
「ダメッ! そんなの絶対ダメッ!」
だって郡司君にとっては罰ゲーム……いや、拷問レベルだよ。
「だったら私が頂きますするよぉ、それでも……」
「それも駄目ッ!」
あっ! つい勢いで……ひょっとして勘付かれた、よね?
「もうどっちなのさぁ、まぁあんたが郡司君に好意を持ってたのは当時から分かってたけど」
「そっそんなこと無いわよっ! ただ単に郡司君にご迷惑になるようなことは良くないって!」
そう、それよ! 名刺見る限り関西だし、会議で出張ってだけだろうから私と会うってなるとわざわざご足労願うわけでしょ? 駄目だってそんなの!
「んま~揃いも揃って同じようなこと言っちゃってぇ。でもでも夏絵さん、彼長期出張で年内はこっちで過ごされるそうでござるのだよ」
「そ、そうなんだ。でも彼にご迷惑かけるようなことしちゃ駄目だってば」
そりゃ本音を言えば会いたいわよ、でも郡司君もそれを望んでくれてたらって話よ。そんなの万に一つあるか無いかの確率じゃない、やっぱりそんなの良くないよ。
「それなら郡司様が『会いたい』と仰せであれば宜しいのですな夏絵様、でしたらそう言わせるまででござりますが」
「言わせなくていい! さっきから喋りおかしいのよあんた! 一体何企んでんのっ!」
あーもう! この喋りになった有砂はマジで面倒臭い! 絶対何か企んでる!
「あらあら嫌でございますわ姫、ワタクシめがいつそのようなことを。悪いようには致しませんのでどうぞご安心を」
有砂は悪びれる事無くニヤッと笑ってくる。はぁ~嫌な予感しかしない。
「ではワタクシめはこれにて失礼します、首を洗って待っておれ怪力女王」
有砂は好き勝手言うだけ言ってほほほと笑って帰り支度をする。おい名刺置きっぱなしだぞ。
「ちょっと有砂、忘れ物……」
「ほほほ、それは差し上げますぞ怪力女王。穴が開くほど眺め腐ってニヤついておれ~」
そう言い残して本当に帰っていきやがった。
それから数日が経ち、今のところ有砂からの連絡は無い。その代わりげんとく君からメールがあり、有砂から事情を聞いていたらしく郡司君と会ってみる気はあるのか?と訊ねられた。
【郡司君さえ良ければって感じかな?】
私は当たり障りない返信をしたものの、彼の欲しかった答えではなかったようで……。
【そうじゃなくてなつ自身がどうしたいのか? って話】
昼頃にそんなメールが届き、どう返信してよいものか躊躇ってる状態だ。自分の気持ち的には会いたいと思ってる、でもそのせいで郡司君に迷惑は掛けたくない……そんなことを考えているとププッとクラクションが鳴り、ピッカピカに磨かれた高級外車が私の真横にぴたっと寄り添ってきた。
「五条さん、しばらく振りです」
そう声を掛けてきたダンディボイス……後部座席の窓から顔を出してきたのは保科酒造の社長宗之さんだった。
「先日はご馳走さまでした。お仕事帰りですか?」
「えぇ、これから知人のレストランで食事をするんです。ご予定が無ければご一緒しませんか?」
何この素敵すぎるお誘い? 有砂に言ったら刺されそうだわ。でも今給料日前で持ち合わせが寂しいから。
「お誘いはありがたいのですがお財布事情が……」
「今日は私に奢らせてください」
「そっそんなの申し訳無いですっ」
社長さん御用達のレストランって外国のタイヤメーカーが星をポチッと付ける系でしょ? そんな高級店にこんなチンケな平凡女を誘ってはいけませんわよ。
「ひょっとしてお嫌ですか?」
「いいいいいえぇ! 嫌ではありませんが」
おっとまずい、“しもだかげき”もとい“けいじゅ”が降臨してしまったわ。すると宗之さんは車から降りてきてそっと私の手を握ってきた。うわぁ~、何やらせてもスマートだなぁこの方。ヤバいドキドキしてきちゃった。
「何かお悩みのようですね、お話くらいでしたらお聞きしますよ」
ヤダ何素敵過ぎ……私はダンディ社長に手を握られただけであっさりとほだされてしまい、まんまと誘いに乗って夕飯のお付き合いをさせて頂くことになった。
宗之さんの車はほとんど揺れもなくスムーズに私たちを運んでくれ、運転レベルは私の比ではない。会長は何故私の運転を気に入ってくださっているのだろう? こんなハイレベルのドライビングスキル見せつけられたら何だか申し訳無くなってくるわ。
「そう言えば五条さん」
私はドライバーさんの運転に気が行っていて宗之さんの存在を……忘れていませんよ! ほんのちょっと薄~くはなりましたけど忘れてないですからね(念押し)!
「はい、何でしょう?」
私は何かを誤魔化すため(忘れてないよ!)に声のトーンを抑え気味にする。
「“旗本書店”の三男坊とはお知り合いなんですか?」
“旗本書店”? あぁ新旧取り扱いのあの本屋さんか。そこの三男坊? 誰だぁ?
「“旗本書店”は存じてますが、三男坊とは?」
「いえ、ご存知無いのでしたら何でもありません」
宗之さんは笑顔を見せてそれ以上は何も仰らなかった。多少気にはなったけど、あまり良い予感がしなかったので私もその話題を掘り下げず、それからは普通に世間話をして快適な時間を過ごしていた。
…で、高級レストランで美味しい食事を堪能した私は、宗之さんの上手~い訊問に乗せられて郡司君のことをついポロリと喋ってしまった。
「先程お見掛けしたら何となく落ち込まれている雰囲気でしたので」
大人格好良い宗之さんからしたら、恋愛偏差値最低レベルの三十路女の恋の悩みなんてくっだらない話題のはずなのに、彼は真剣に私の話を聞いてくれてそれだけでもありがたかった。
このところ姉と秋都の朝帰りは続いてるし、冬樹だとこの手の話はアテにならない。梅雨ちゃんとか楓さんといった大人女子に話しても良かったのかも知れないが、有砂に伝わるのが怖くてどうしてもご近所の誰かには言う事が出来なかった。
「取り敢えず一度お会いしてみては?」
宗之さんの意見はこうだった。もし郡司君が嫌がっているのであれば有砂が私にこの話を持ちかけてこないのではないか?と。まして当時同じサッカー部に所属していたげんとく君の耳にも入ってるという事は、少なからず仲介人である有砂には何らかの勝算がある上での行動なんじゃないか?と。
「お相手の方と直接話をされてからお決めになっても十分だ間に合うと思いますよ」
宗之さんは反則技とも言えるダンディな笑顔を見せてくれた。私は宗之さんと別れてからげんとく君に保留にしていたメールを返信した。
【二人で会うのはちょっと怖いけど、一度会ってみようと思う】
するとほぼ即レス状態で返信が。
【最初だけ有砂と俺も付いてくよ】
この内容はすぐさま有砂の耳にも届いた様で、郡司君との再会計画は有砂の手によって着々と進められていた。
「何でさ? 私なりに一生懸命考えた上で……」
「ダメッ! そんなの絶対ダメッ!」
だって郡司君にとっては罰ゲーム……いや、拷問レベルだよ。
「だったら私が頂きますするよぉ、それでも……」
「それも駄目ッ!」
あっ! つい勢いで……ひょっとして勘付かれた、よね?
「もうどっちなのさぁ、まぁあんたが郡司君に好意を持ってたのは当時から分かってたけど」
「そっそんなこと無いわよっ! ただ単に郡司君にご迷惑になるようなことは良くないって!」
そう、それよ! 名刺見る限り関西だし、会議で出張ってだけだろうから私と会うってなるとわざわざご足労願うわけでしょ? 駄目だってそんなの!
「んま~揃いも揃って同じようなこと言っちゃってぇ。でもでも夏絵さん、彼長期出張で年内はこっちで過ごされるそうでござるのだよ」
「そ、そうなんだ。でも彼にご迷惑かけるようなことしちゃ駄目だってば」
そりゃ本音を言えば会いたいわよ、でも郡司君もそれを望んでくれてたらって話よ。そんなの万に一つあるか無いかの確率じゃない、やっぱりそんなの良くないよ。
「それなら郡司様が『会いたい』と仰せであれば宜しいのですな夏絵様、でしたらそう言わせるまででござりますが」
「言わせなくていい! さっきから喋りおかしいのよあんた! 一体何企んでんのっ!」
あーもう! この喋りになった有砂はマジで面倒臭い! 絶対何か企んでる!
「あらあら嫌でございますわ姫、ワタクシめがいつそのようなことを。悪いようには致しませんのでどうぞご安心を」
有砂は悪びれる事無くニヤッと笑ってくる。はぁ~嫌な予感しかしない。
「ではワタクシめはこれにて失礼します、首を洗って待っておれ怪力女王」
有砂は好き勝手言うだけ言ってほほほと笑って帰り支度をする。おい名刺置きっぱなしだぞ。
「ちょっと有砂、忘れ物……」
「ほほほ、それは差し上げますぞ怪力女王。穴が開くほど眺め腐ってニヤついておれ~」
そう言い残して本当に帰っていきやがった。
それから数日が経ち、今のところ有砂からの連絡は無い。その代わりげんとく君からメールがあり、有砂から事情を聞いていたらしく郡司君と会ってみる気はあるのか?と訊ねられた。
【郡司君さえ良ければって感じかな?】
私は当たり障りない返信をしたものの、彼の欲しかった答えではなかったようで……。
【そうじゃなくてなつ自身がどうしたいのか? って話】
昼頃にそんなメールが届き、どう返信してよいものか躊躇ってる状態だ。自分の気持ち的には会いたいと思ってる、でもそのせいで郡司君に迷惑は掛けたくない……そんなことを考えているとププッとクラクションが鳴り、ピッカピカに磨かれた高級外車が私の真横にぴたっと寄り添ってきた。
「五条さん、しばらく振りです」
そう声を掛けてきたダンディボイス……後部座席の窓から顔を出してきたのは保科酒造の社長宗之さんだった。
「先日はご馳走さまでした。お仕事帰りですか?」
「えぇ、これから知人のレストランで食事をするんです。ご予定が無ければご一緒しませんか?」
何この素敵すぎるお誘い? 有砂に言ったら刺されそうだわ。でも今給料日前で持ち合わせが寂しいから。
「お誘いはありがたいのですがお財布事情が……」
「今日は私に奢らせてください」
「そっそんなの申し訳無いですっ」
社長さん御用達のレストランって外国のタイヤメーカーが星をポチッと付ける系でしょ? そんな高級店にこんなチンケな平凡女を誘ってはいけませんわよ。
「ひょっとしてお嫌ですか?」
「いいいいいえぇ! 嫌ではありませんが」
おっとまずい、“しもだかげき”もとい“けいじゅ”が降臨してしまったわ。すると宗之さんは車から降りてきてそっと私の手を握ってきた。うわぁ~、何やらせてもスマートだなぁこの方。ヤバいドキドキしてきちゃった。
「何かお悩みのようですね、お話くらいでしたらお聞きしますよ」
ヤダ何素敵過ぎ……私はダンディ社長に手を握られただけであっさりとほだされてしまい、まんまと誘いに乗って夕飯のお付き合いをさせて頂くことになった。
宗之さんの車はほとんど揺れもなくスムーズに私たちを運んでくれ、運転レベルは私の比ではない。会長は何故私の運転を気に入ってくださっているのだろう? こんなハイレベルのドライビングスキル見せつけられたら何だか申し訳無くなってくるわ。
「そう言えば五条さん」
私はドライバーさんの運転に気が行っていて宗之さんの存在を……忘れていませんよ! ほんのちょっと薄~くはなりましたけど忘れてないですからね(念押し)!
「はい、何でしょう?」
私は何かを誤魔化すため(忘れてないよ!)に声のトーンを抑え気味にする。
「“旗本書店”の三男坊とはお知り合いなんですか?」
“旗本書店”? あぁ新旧取り扱いのあの本屋さんか。そこの三男坊? 誰だぁ?
「“旗本書店”は存じてますが、三男坊とは?」
「いえ、ご存知無いのでしたら何でもありません」
宗之さんは笑顔を見せてそれ以上は何も仰らなかった。多少気にはなったけど、あまり良い予感がしなかったので私もその話題を掘り下げず、それからは普通に世間話をして快適な時間を過ごしていた。
…で、高級レストランで美味しい食事を堪能した私は、宗之さんの上手~い訊問に乗せられて郡司君のことをついポロリと喋ってしまった。
「先程お見掛けしたら何となく落ち込まれている雰囲気でしたので」
大人格好良い宗之さんからしたら、恋愛偏差値最低レベルの三十路女の恋の悩みなんてくっだらない話題のはずなのに、彼は真剣に私の話を聞いてくれてそれだけでもありがたかった。
このところ姉と秋都の朝帰りは続いてるし、冬樹だとこの手の話はアテにならない。梅雨ちゃんとか楓さんといった大人女子に話しても良かったのかも知れないが、有砂に伝わるのが怖くてどうしてもご近所の誰かには言う事が出来なかった。
「取り敢えず一度お会いしてみては?」
宗之さんの意見はこうだった。もし郡司君が嫌がっているのであれば有砂が私にこの話を持ちかけてこないのではないか?と。まして当時同じサッカー部に所属していたげんとく君の耳にも入ってるという事は、少なからず仲介人である有砂には何らかの勝算がある上での行動なんじゃないか?と。
「お相手の方と直接話をされてからお決めになっても十分だ間に合うと思いますよ」
宗之さんは反則技とも言えるダンディな笑顔を見せてくれた。私は宗之さんと別れてからげんとく君に保留にしていたメールを返信した。
【二人で会うのはちょっと怖いけど、一度会ってみようと思う】
するとほぼ即レス状態で返信が。
【最初だけ有砂と俺も付いてくよ】
この内容はすぐさま有砂の耳にも届いた様で、郡司君との再会計画は有砂の手によって着々と進められていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる