19 / 31
蜘蛛の巣は凶相です
しおりを挟む
このところ萩君は口を開けば起業の話題ばかりになっていた。その際どうしても資金が必要だそうで、私にもそれとなく協力してほしいと言ってきた。しかし私では彼の役に立てそうにないと思う……そう伝えるとほんの少しの投資だけで十分だと言った。
ほんの少しと言ってもいくらくらいなんだろうか? 起業というくらいだから百円とかではないことくらい想像できるけど。一万円? 十万円? それを超えると一般的な大学生には厳しい金額だ。
「トータルで二千万円くらいかな、他の友人にも声掛けはしてるから君一人にそんな大金お願いしないよ」
それを聞いてちょっと安心した。いざとなれば母の保険金があるけどさすがに未成年である私の一存では決められない。何てったって二千万円、見たことも無い大金を独断で取り扱える度胸なんか持ち合わせていない。
本来こういったことは誰かに相談した方がいいのかも知れない。なのにあの時言われた台詞が疼いてそれをためらわせてしまう。どうしたらいい? ネットで相談してみても【詐欺だからやめておけ】という答えにしかならず、別の意見を欲していた時、偶然街中で千葉さんとばったり出会った。
普段の私であれば多分会釈程度で別れたであろう。しかし誘われるまま近くのレストランに入り、友人の悩みということにして彼に相談することにした。
「大学生相手に随分な大金を要求するんだね。起業については長野さんの方が詳しいと思うけど、このご時世やり方次第では零円でもできるよ」
「そうなんですか?」
「今時何らかのネットツールは持ってるもんでしょ? パソコンが無くたってこれ一つでネット繋ぎ放題なんだから」
千葉さんはケータイを持ってそう言った。
「周囲には反対されてるそうなんです、『詐欺だからやめておけ』って」
「当然の反応だよね、信頼の程度にもよるけど私なら止めるし断るよ。家族がいるのにそこまでのリスクは冒せない」
既婚だとそうなるよね……と思うが私は彼を応援したい、だからそれが助けになるのであれば協力したい。
「信頼が高ければ投資もアリってことですよね?」
「まぁそうなるけど、プランが相当しっかりしてないと無駄金になるよ。それなりの大金をわざわざ生ゴミに混ぜて棄てるようなものだから」
「……」
彼のシビアすぎる例えに何も言えなかった。私には起業についての知識が全く無いので、萩君の起業プランがしっかりしてるかどうかも分からない。でも彼はとても賢い人だ、きっと凄いプランを練った上で実行に移そうとしていると思う。
「友人には『プランと信頼度次第』と伝えます」
「止めたところで本人次第だからね。ただ一度距離を置いて考える時間を持った方が良さそうな気がするよ、それで接突いてくるようなら詐欺とみて間違いないと思う」
千葉さんは怪訝な表情を見せながらそう言った。
ほんの少しと言ってもいくらくらいなんだろうか? 起業というくらいだから百円とかではないことくらい想像できるけど。一万円? 十万円? それを超えると一般的な大学生には厳しい金額だ。
「トータルで二千万円くらいかな、他の友人にも声掛けはしてるから君一人にそんな大金お願いしないよ」
それを聞いてちょっと安心した。いざとなれば母の保険金があるけどさすがに未成年である私の一存では決められない。何てったって二千万円、見たことも無い大金を独断で取り扱える度胸なんか持ち合わせていない。
本来こういったことは誰かに相談した方がいいのかも知れない。なのにあの時言われた台詞が疼いてそれをためらわせてしまう。どうしたらいい? ネットで相談してみても【詐欺だからやめておけ】という答えにしかならず、別の意見を欲していた時、偶然街中で千葉さんとばったり出会った。
普段の私であれば多分会釈程度で別れたであろう。しかし誘われるまま近くのレストランに入り、友人の悩みということにして彼に相談することにした。
「大学生相手に随分な大金を要求するんだね。起業については長野さんの方が詳しいと思うけど、このご時世やり方次第では零円でもできるよ」
「そうなんですか?」
「今時何らかのネットツールは持ってるもんでしょ? パソコンが無くたってこれ一つでネット繋ぎ放題なんだから」
千葉さんはケータイを持ってそう言った。
「周囲には反対されてるそうなんです、『詐欺だからやめておけ』って」
「当然の反応だよね、信頼の程度にもよるけど私なら止めるし断るよ。家族がいるのにそこまでのリスクは冒せない」
既婚だとそうなるよね……と思うが私は彼を応援したい、だからそれが助けになるのであれば協力したい。
「信頼が高ければ投資もアリってことですよね?」
「まぁそうなるけど、プランが相当しっかりしてないと無駄金になるよ。それなりの大金をわざわざ生ゴミに混ぜて棄てるようなものだから」
「……」
彼のシビアすぎる例えに何も言えなかった。私には起業についての知識が全く無いので、萩君の起業プランがしっかりしてるかどうかも分からない。でも彼はとても賢い人だ、きっと凄いプランを練った上で実行に移そうとしていると思う。
「友人には『プランと信頼度次第』と伝えます」
「止めたところで本人次第だからね。ただ一度距離を置いて考える時間を持った方が良さそうな気がするよ、それで接突いてくるようなら詐欺とみて間違いないと思う」
千葉さんは怪訝な表情を見せながらそう言った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる