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束縛彼女は求めている

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 放課後。誰も使用しない空き部屋となった理科準備室につれてこられた俺は、何も告げられぬままに手首を後ろに縛られ、連れてきた張本人、三舟陽愛の靴下で目隠しをされる。

 始まった。
 これから俺は恥辱のされる。
 俺はすでに何度も何度も、彼女の手によって辱しめられていた。

 最初は高校に入ってすぐのことだ。それから何日かに一度、こうやって連れ出されては犯され、連れ出されては犯されを繰り返した。

 抵抗をすればよかったのだが、最初の時に俺は彼女に逆らえないだけの弱味を握られてしまった。迂闊だったとはいえ、手首を縛られズボンやパンツを脱がされ、半裸の状態で何枚も写真を撮られたのだ。

 後は簡単な話だ。それを校内にばら蒔くと言われ、ばら蒔かれたくなかったら言うことを聞けと脅されたのだ。
 なので俺は、仕方がなく言うことを聞いている。

「何を考えてるの?」

 彼女が椅子の背もたれに、しっかりと俺の腕を縛り付けながら呟いた。

「……君のこと」

 間違ってはいない。

「そっか……ふ~ん」

 今ごろ彼女は、面白そうに笑っているんだろう。目隠しをされても、今となっては彼女の表情が浮かぶようだ。

「嬉しいかも」

 どうだか。
 嘘か本当かわからない言葉に、何も答えなかった。彼女にとってもそれ以上はどうでもいいことで、しっかりと縛られていることを確認すると、座っている俺の上に乗ってくる。
 そのまま抱き締められたので、向かい合わせで座ったのだろう。柔らかい胸が首元に収まり、頭を一周するように腕を回された。

 彼女はこうやって、する前に抱き締めるのだ。何故かはわからない。それでも必ずと言っていいほど、毎回どんな時でも抱き締める。
まるで、何かを慈しむように。

「なあ?」

 俺の声に、彼女は眠そうな声で「何?」と返す。

「いい加減、解放してくれないか?」

何度頼んだかわからない台詞だったが、言わずにはいられなかった。いい加減、この関係も終わりにしたい。
 だが彼女は、俺の耳元で「だ~め」と優しく囁く。耳にかかる吐息がこそばゆくて、体がピクリと動く。
 その反応を見てか、彼女は俺の耳を唇で挟んだ。

 ゾクリと、電気が背骨を通って腰に来る。
 くすぐったくて、ゾワゾワとした感覚が体を刺激した。彼女の鼻息や、口の中の粘膜が引く音がダイレクトに聞こえて来る。
 否応なしに、体は反応してしまう。

「……変態」
「くっ……」

 俺のイチモツが、ズボンの中でピクリピクリと反応している。乗っている彼女には、その動きが直にわかるはずだ。

「当たってる」

 耳元でそう呟いた。
 そりゃあ当たるだろうよ。むしろ彼女はそれを狙っているんだ。
 彼女は恥丘をイチモツに押し付けるようにして乗っている。つまり立てばそこを押し上げる結果になるのだ。そしてそれがわかる俺は、更にそこを押し上げることになる。

 我慢はしている、つもりだ。だがやはり思春期の男子と言うものは、性欲が強いのかもしれない。どうしたって落ち着かせることができないのだ。
 だから毎回のように、彼女の思う壺。俺はされるがままなのだ。
 情けないったらありゃしないな。

「さてと」

 充分に立たせたら、彼女は俺から降りて、ベルトに手をかけた。ピクリと体が反応し、されるがままにズボンを下ろされた。
 少しヒヤッとした空気が腿から脹ら脛にかけて流れて、身震いをする。
 だがこれからもっと寒いことになるのだ。

 パンツに手をかけられ、頬がカーッと熱くなるのを感じる。
 毎度のことながらこの瞬間は慣れない。見ているのは彼女だけだとしても、目隠しをされているせいでそれが本当なのか確認できない。もしこの瞬間に他の人が入ってきたらと思うと、不安で一杯になるし、恥ずかしくて仕方がない。

 だがそんなことはお構いなしに、彼女はパンツをずり下ろした。イチモツがあらわになり、最初は亀頭が冷たいと感じるも、直ぐに自身の熱により熱さを取り戻す。

「相変わらず、いい大きさね」
「知らないよ……そんなの」

 別に見えてないけど、見られる恥ずかしさに顔を背けた。するなら早くしてほしい。

「長すぎず小さすぎず、調度いい大きさ」

 彼女は竿を優しく握りしめる。腰が強ばった。
 そこから裏の筋をザラリとしたものが這った。舌先で焦らすように舐めているのだ。俺がイカないように調整している。だけれどそれは、俺にとってはもどかしいものだ。

 亀頭の裏も執拗に嘗められる。腰が軽くて浮いて、足をくねらせる。刺激が電気のように流れ体を震わせていた。

「んっ……くっ……」

 我慢していても声は漏れる。それが楽しいのだろう、彼女はそれ以上のことはせず、弄ぶように細かく刺激を与えていった。

「ふ……はぁ……」

 望んでもいない息が漏れる。
 舐められるたびにイチモツはビクリビクリと跳ね、嫌らしい透明な液が止めどなく溢れた。

 ヤバい。なんか……上手くなってる?
 彼女は舐めるのは実は得意ではなかった。最初こそ歯が当たったし、舐めるのも乱暴だったのだ。だか今はそうではない。優しく、時に激しく、それでいて乱暴ではない。

 いつの間にか、舐めるのが上手くなっている。しかも俺の弱いところばかり攻めてくる。何度もやったことで覚えたのかもしれない。

 ヤバ、イキそう。
 含まれる前にイキそうなったのは今日が初めてだった。ただすんなりとは出させてくれない。唐突に彼女は舐めるのを止めた。

「まだダメ」
「……わかった」

 ここからは我慢をするしかない。彼女がダメだと言ったなら、俺は従うしかない。そういう約束なのだ。でなければ、俺はこの学校にいられなくされてしまう。

 イってはいけない。だけども彼女は手を休めないし、意地悪だ。
 舐めるだけで済むわけもなく、ついに俺のイチモツは温かなものに包まれる。

「……ん!」

 一気に口の中に含んだのだ。根本まで飲み込み、竿を舐め回す。そして上下に擦り、全体に刺激を与えてくる。

 上下するたびに、亀頭の先が喉の先に当たりピクリと反応してしまう。
 でも我慢をする。彼女がダメだと言ったのだがら、意地でもイってはならない。

 下唇を噛んで、痛みで快楽を遠ざける。だけれども、快楽の欲求というのはその程度では収まらなかった。彼女の口の中で、ビクンビクンと波打っているのがわかる。今すぐにでも、この口の中ではてたい気持ちだった。
 すると彼女は徐に口から外し、僕の膝に手をついて立ち上がったようだった。そしてそのまま僕に跨がると、亀頭を恥部に押し付けた。

「ゴムは!?」

 焦る俺に、彼女は「今日は安全日」とだけ告げ、そのまま中に押し込んだ。そうとう濡れていたのか、すんなりと吸い込まれるように入る。口とは違う生暖かな感触に、我慢は限界に来ていた。

「もう……出る……」

 動いてなくとも、先ほど執拗に刺激されたので、入れただけで果ててしまう。
 必死に堪える僕に、彼女は何も言わなかった。代わりに、唇に柔らかい感触が来る。
 優しく、何度も、何度も、念入りにソフトキスをしてから、下を滑り込ませてきた。舌同士が絡み合い、気持ちをどんどん高ぶらせていった。腰が震え、彼女の言いつけも守らずに、僕は中に精液を吹き出した。

 出した瞬間に彼女の体がビクリと震える。だが口許を離すことなく、舌を絡め続ける。
 我慢した分、大量の精液が彼女の中に注がれた。脈打つイチモツが収まるのには、少しばかり時間がかかった。

 出るのが収まったことを感じると、ようやく彼女は口を離した。

「……ごめん」
「最低」
「うん」
「でも好き」
「……うん」

 している最中に告白されたことは何度もある。どこまで信じていいのかわからないが、言われて嫌な気分にはならない。こんなことをしなければだけど。

「安全日以外でも、生でやりたいな」
「それは困る。責任が取れないから」
「わかってるよ。でもしたい……」
「……なら、そう命令すればいい」

 できないことをわかっていて、意地悪な返しかたをしてしまった。彼女はもう一度キスをしてから、ゆっくり、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「ふっ……んっ……んっ」

 亀頭が奥にコツコツと当たるたびに、彼女から吐息が溢れる。耳元で艶のある声が囁かれるたび、心臓が煩いくらい鳴り響く。
 気持ちいい。イチモツが包まれる幸福感と、学校で行うという背徳感が合わさって、なんとも言えない快楽を醸し出していた。
 恐らく彼女も同じようなことを思っているはずだ。

「動いて……」

 自分で動かしながら、俺にそう頼んだ。つまりは、激しく犯してくれというお達しだ。一度呼吸整えてから、足に力を入れて下半身を天井に突き上げる。

「ふぁ! やっ! んっ! んんっ!

 大きな声を出さないように口許を押さえているのが、くぐもって聞こえる。だがそれでも溢れる声は、部屋中に響いていた。もしこのタイミングで誰かがここを通ったら、確実に彼女の声は聞かれるだろう。

「声……押さえて」
「んっ、んっ、だ……め。きも、ち……よくて……無理」

 ゾクゾクと、自分の性欲が満たされるのがわかった。普段はあんなに、我が物顔で俺に指示する彼女だが。今この瞬間に限りは俺の方が強い。その征服感に、高揚する。

「じゃあ、聞かれてもいいんだ?」
「やっ! んっ! やだ! あなた……だけなの!」

 そういって、またキスをする。喉の奥で唸る声が、俺の喉にまで届くようで、彼女の中を感じてる気分だ。激しく下を絡ませ、貪るように求め会う。

「だめ! ……イッちゃう!」
「俺も、そろそろ……」

 キスにスパンキングの波状攻撃に、自分自身が耐えられなくなっていた。そもそもさっき出したばっかで敏感になってるという理由もあるが、ここまで早いのは久しぶりだ。

「イク、イク! ふっ、あああぁぁぁあぁぁぁ……………」

 彼女がイッタ直後に、俺も二度めの絶頂を迎えた。ドクドクと先ほどと変わらない量が彼女の中に注がれる。イチモツで栓をしているからまだ溢れないが、これは引き抜いたら漏れ出てしまうな。

「キス」

 催促されたが「見えない」と文句を言って、結局彼女からした。数分間そのままでキスをして、ようやく彼女は腰を浮かせた。
 パタッ……パタッ……と精子が落ちる音がした。とりあえず少しかき出さないといけないだろう。

「出しすぎ」
「……ごめん」
「いいよ」

 やった後は、いつもこんな感じで機嫌がいい。やる前と後でこうも変わられると、どうも調子が狂ってしまう。ただ一言、言えることはある。
 やってる最中のこいつは、可愛すぎて、好きになってしまいそうだ。
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