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発展編
尊重しあえる関係 5
「おはよう、瑞樹」
「おはようございます。滝沢さん」
「うーん」
「どうかしたんですか」
「いや、そろそろその『滝沢さん』ってやめない?俺は『葉山さん』ではく『瑞樹』って呼んでいるのに何だかつまらないぞ」
「えっ?」
「俺の下の名前知っているよな」
「あっもちろん」
「宗吾って呼んでいいよ」
朝から大人の笑みを浮かべられ、歩く歩調がつい早まってしまう。
静まれ!僕の心臓。
滝沢さんはずるい。そんな男らしい端正な顔でゆとりある笑みを浮かべられたら、朝から心が動揺してしまうのに……
「そうだ、悪い。瑞樹に詫びないといけないことがあって」
「何ですか」
そう言えば僕の方も昨日任された結婚式場のフラワーデザインの仕事で、再来週の土曜日まで忙しくなることを告げないと思っていた。
「実はちょっと休日出勤しないといけない仕事が入ってしまってね、悪いんだけどピクニックは再来週の日曜日でもいいか」
「あっ実は僕もなんです。実はあの四宮先生が会社との契約を急に解除されたので担当されていた仕事を振り分けられたんです。だから急に忙しくなってしまって……僕も暫く休日出勤しないと」
「あの先生が?そうか……自ら姿を消したってわけか。責任を取ったのか。君にしたことに対して……」
滝沢さんから優しく先生のことを言われ、素直に受け入れることが出来た。
「はい。田舎の親御さんの介護で広島に行かれるそうです。……僕にしたことも詫びてらして……もう許そうと思います」
「はぁ……瑞樹の真心が届いちゃったか。君って本当に不思議な人だね」
「え?不思議って」
「人の荒ぶる心すらも平静にしてくれる。瑞樹の真心のこもった心遣い、つまり懇情が通じたんだな。四宮も人の心は捨てていなかったようだ。俺も瑞樹といると、こう……忘れていた清廉な気持ちを思い出すよ」
「そんな……僕はそんな大それた人間ではないです。ただ僕がして欲しいことを相手にしているだけで……子供レベルですよ」
「いや、その基準が清廉なんだよ。顔も心も楚々としていて可愛いしな」
「はぁなんだか恥ずかしいです。朝から褒められっぱなしで」
「瑞樹の気を引こうと必死さ。ははっ週末会えないの残念だが仕事頑張れよ」
「はい!あの……今回の仕事が上手くいったら報告したいことがあって」
「いいニュースかな」
「そうなるように頑張ります」
「よしっ頑張れ!」
滝沢さんが僕の髪の毛をクシャッと撫でてくれた。こんな風に扱われてしまうと、やっぱりどこか甘えたくなる僕がいて、必死に押さえつけた。
滝沢さんと会えば会うほど、話せば話すほど……どんどん好きになっていることを噛み締めてしまう。
一馬……お前とは大学の同級生でずっと対等にやりとりしていたよな。だからなのか、お前のした決断を責めることも出来ず、聞き分けのいい人間を演じていたのかもしれない。お前には甘えられなかったのに、どうしてだろう?滝沢さんには素直に甘えられるんだよ。
「どうした?そんなにじっと見て」
「あっいえ」
「惚れ増ししてくれた?」
「えっ!」
一馬とは同級生のノリで外では付き合っていた。だから通勤時間に、そんな風に甘いことを言われるのは慣れていなくてドキドキしてしまう。
「参ったな……またキスしたくなるよ、瑞樹が魅力的過ぎて」
キス!
ぶわっと遊園地でした甘い熱情の口づけを思い出し、顔が火照る。
キスは吐息で交感する恋への入り口だ。
「おはようございます。滝沢さん」
「うーん」
「どうかしたんですか」
「いや、そろそろその『滝沢さん』ってやめない?俺は『葉山さん』ではく『瑞樹』って呼んでいるのに何だかつまらないぞ」
「えっ?」
「俺の下の名前知っているよな」
「あっもちろん」
「宗吾って呼んでいいよ」
朝から大人の笑みを浮かべられ、歩く歩調がつい早まってしまう。
静まれ!僕の心臓。
滝沢さんはずるい。そんな男らしい端正な顔でゆとりある笑みを浮かべられたら、朝から心が動揺してしまうのに……
「そうだ、悪い。瑞樹に詫びないといけないことがあって」
「何ですか」
そう言えば僕の方も昨日任された結婚式場のフラワーデザインの仕事で、再来週の土曜日まで忙しくなることを告げないと思っていた。
「実はちょっと休日出勤しないといけない仕事が入ってしまってね、悪いんだけどピクニックは再来週の日曜日でもいいか」
「あっ実は僕もなんです。実はあの四宮先生が会社との契約を急に解除されたので担当されていた仕事を振り分けられたんです。だから急に忙しくなってしまって……僕も暫く休日出勤しないと」
「あの先生が?そうか……自ら姿を消したってわけか。責任を取ったのか。君にしたことに対して……」
滝沢さんから優しく先生のことを言われ、素直に受け入れることが出来た。
「はい。田舎の親御さんの介護で広島に行かれるそうです。……僕にしたことも詫びてらして……もう許そうと思います」
「はぁ……瑞樹の真心が届いちゃったか。君って本当に不思議な人だね」
「え?不思議って」
「人の荒ぶる心すらも平静にしてくれる。瑞樹の真心のこもった心遣い、つまり懇情が通じたんだな。四宮も人の心は捨てていなかったようだ。俺も瑞樹といると、こう……忘れていた清廉な気持ちを思い出すよ」
「そんな……僕はそんな大それた人間ではないです。ただ僕がして欲しいことを相手にしているだけで……子供レベルですよ」
「いや、その基準が清廉なんだよ。顔も心も楚々としていて可愛いしな」
「はぁなんだか恥ずかしいです。朝から褒められっぱなしで」
「瑞樹の気を引こうと必死さ。ははっ週末会えないの残念だが仕事頑張れよ」
「はい!あの……今回の仕事が上手くいったら報告したいことがあって」
「いいニュースかな」
「そうなるように頑張ります」
「よしっ頑張れ!」
滝沢さんが僕の髪の毛をクシャッと撫でてくれた。こんな風に扱われてしまうと、やっぱりどこか甘えたくなる僕がいて、必死に押さえつけた。
滝沢さんと会えば会うほど、話せば話すほど……どんどん好きになっていることを噛み締めてしまう。
一馬……お前とは大学の同級生でずっと対等にやりとりしていたよな。だからなのか、お前のした決断を責めることも出来ず、聞き分けのいい人間を演じていたのかもしれない。お前には甘えられなかったのに、どうしてだろう?滝沢さんには素直に甘えられるんだよ。
「どうした?そんなにじっと見て」
「あっいえ」
「惚れ増ししてくれた?」
「えっ!」
一馬とは同級生のノリで外では付き合っていた。だから通勤時間に、そんな風に甘いことを言われるのは慣れていなくてドキドキしてしまう。
「参ったな……またキスしたくなるよ、瑞樹が魅力的過ぎて」
キス!
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キスは吐息で交感する恋への入り口だ。
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