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小学生編
新春 Blanket of snow 1
「瑞樹、明けましておめでとう」
「宗吾さん、明けましておめでとうございます」
僕たちは、そっと唇を重ねた。
「ん……」
「今年初めてのキスだな」
「はい。新年っていいですね。何でも『初めて』と言えるの、初々しいですね」
「去年はえらく初々しいカップルと知り合ったから、負けていられないのさ」
宗吾さんが僕の顎を掴んで、熱い視線を送ってくる。
「あの……それって想くんと駿くんのことですよね」
「あぁ、あの二人、今頃何しているのかな?」
「きっと想くんのお家に集まって、年越しをしているのでは、ご家族で仲良しだし」
「確かに、そういうの、似合うな」
「はい、僕も宗吾さんのご実家に行くのが楽しみです」
「嬉しいよ」
そのまま、甘いキスを繰り返される。
「そ、宗吾さん……もうそれ以上は……この姿勢では……ちょっと」
宗吾さんのキスが初々しさを飛び越えて官能的になってきたのを察知し、慌ててしまった。
「瑞樹、今年はうさぎ年だ」
「?」
「理性をピョンピョン飛び越えてもいいだろ」
「よ、よくないです。このままでは……芽生くんがっ」
さっきまでの初々しさはどこへ?
でも僕は……どんな宗吾さんでも大好きだ。
「そうだった。ごめんな」
芽生くんは今年こそ起きていると張り切っていたが、年末恒例の歌番組の途中で耐えきれず眠ってしまった。
まだ演歌は、子守歌だよね。
僕の膝枕ですぅすぅと寝息を立てているのが可愛くて、少し汗ばんだ髪を撫でてあげた。
「芽生くん、ぐっすりですね。寝顔はまだ幼いですね」
「まだ年越しは難しいようだな。俺が芽生の年にはギラギラ起きていて、母さんに怒られたけどな」
ギラギラ? くすっ、想像出来る!
宗吾さんって、きっと昔から好奇心旺盛な子供だったのだろうな。
「よし、寝かせてこよう」
「はい、お願いします」
芽生くんを宗吾さんが横抱きにして、子供部屋に連れて行った。
戻って来た宗吾さんに誘われる。
「瑞樹、ちょっとベランダに出てみよう」
「はい?」
「きっと今日は星が綺麗だから」
「そうですね。お正月は都心も空気が澄んでいるから……きっと」
「おいで」
ふたりでベランダに出て夜空を見上げると、あまりに多くの星が瞬いていたので驚いた。
「わぁ……」
「やっぱり、いつもの何倍も見えるな」
「はい……あ、オリオン座ですね!」
「あぁ、くっきりだな」
宗吾さんは、僕をブランケットで包み、そのまま背後から抱きしめてくれた。
「今年もよろしくな」
「はい、僕の方こそ」
キュッと抱きしめてくれるので、僕はその逞しい手に、そっと手を重ねた。
二人の温もりが重なる感覚が好きだ。
「安心しますね」
「今年も離さないよ」
「嬉しいです」
こんな風に包まれるのが、僕は大好きだ。
言葉でも身体でも、僕を離さないで欲しい。
「俺たちもそろそろ眠るか」
「はい、そうしましょう」
「今日も……いいか」
宗吾さんに誘われる。
その目が、少しギラギラしているような気がして……
「あのっ、もうあれはダメですよ」
「え?」
「だから、ミニスカは当分封印です!」
クリスマスの夜の痴態を勝手に思い出し、真っ赤になってしまった。
「ははっ、なんだ? またあのマント着たかったのか」
「え? あっ、もう!」
「可愛い瑞樹ぃ~ あんまり俺色に染まるなよ。ヘンタイになっちまう~」
ベッドの中で背後からがっしりと抱きしめられ、身体の力が抜けていく。
「今日はどんな風に抱いて欲しい?」
「……宗吾さんの顔が見えるのがいいです」
「可愛いことを。しかし冷えてきたな、天気予報通り雪でも降るのか」
「かもしれませんね。確かに寒いです」
「おいで、暖めてやる」
くるりと向きを変えられた。
そのまま手際良くパジャマを脱がされ、お互いの素肌を重ねた。
温もりから愛が生まれる瞬間が好きだ。
もう何度も繋がった身体なのに、僕の身体は初めてのように高揚していた。
「新年ってやっぱりいいな。初々しくて……今年は何度君を抱けるかな?」
「かっ、数えなくていいですよ」
「そうだな、数え切れない程抱くよ」
「も、もう」
宗吾さんに抱かれて迎えた朝。
僕は馴染みのある特有の気配を感じて飛び起きた。
もしかして……もしかしたら!
しんしんと音にならない音がする。
窓の向こうが、いつもより明るい。
そっとベッドをすり抜けてカーテンを開けると、本当に雪が降っていた。
吐く息は白く、窓硝子は氷の板のように冷たくなっていた。
「新年から雪だなんて……」
そう呟くと、また肩にブランケットをかけられた。
「瑞樹、風邪引くぞ」
「宗吾さん、雪です! 本当に降っています」
「良かったな。 この前、君が雪に触れて喜んでいたから、天上の世界からの贈りものかもな」
雪を空からの贈りものと言ってくれるなんて。
「宗吾さん……宗吾さんの言葉……心にじんと響きます」
「そうか。昔はこんなデリケートなこと思いつかなかったが、君の気持ちに寄り添うと、自然に浮かぶんだ」
「嬉しいです。僕ももっともっと宗吾さんに寄り添いたいです。違いを認め合って心を寄り添わせて……今年はそんな気持ちです」
「いいな。人は一人一人違うものさ。だから……寄り添う心がなければ、みんなあっという間にバラバラだ」
「はい」
穏やかな元旦だ。
とても静かで、とても暖かい。
雪景色を見つめながら、宗吾さんから降り注ぐ優しい言葉に耳を傾けていた。
****
あけましておめでとうございます!
今年は静かな二人だけの世界からの始まりです。
(毎年タイムリーに雪が降るのはご愛敬で!)
今年も『幸せな存在』を、どうぞ宜しくお願いします。
「宗吾さん、明けましておめでとうございます」
僕たちは、そっと唇を重ねた。
「ん……」
「今年初めてのキスだな」
「はい。新年っていいですね。何でも『初めて』と言えるの、初々しいですね」
「去年はえらく初々しいカップルと知り合ったから、負けていられないのさ」
宗吾さんが僕の顎を掴んで、熱い視線を送ってくる。
「あの……それって想くんと駿くんのことですよね」
「あぁ、あの二人、今頃何しているのかな?」
「きっと想くんのお家に集まって、年越しをしているのでは、ご家族で仲良しだし」
「確かに、そういうの、似合うな」
「はい、僕も宗吾さんのご実家に行くのが楽しみです」
「嬉しいよ」
そのまま、甘いキスを繰り返される。
「そ、宗吾さん……もうそれ以上は……この姿勢では……ちょっと」
宗吾さんのキスが初々しさを飛び越えて官能的になってきたのを察知し、慌ててしまった。
「瑞樹、今年はうさぎ年だ」
「?」
「理性をピョンピョン飛び越えてもいいだろ」
「よ、よくないです。このままでは……芽生くんがっ」
さっきまでの初々しさはどこへ?
でも僕は……どんな宗吾さんでも大好きだ。
「そうだった。ごめんな」
芽生くんは今年こそ起きていると張り切っていたが、年末恒例の歌番組の途中で耐えきれず眠ってしまった。
まだ演歌は、子守歌だよね。
僕の膝枕ですぅすぅと寝息を立てているのが可愛くて、少し汗ばんだ髪を撫でてあげた。
「芽生くん、ぐっすりですね。寝顔はまだ幼いですね」
「まだ年越しは難しいようだな。俺が芽生の年にはギラギラ起きていて、母さんに怒られたけどな」
ギラギラ? くすっ、想像出来る!
宗吾さんって、きっと昔から好奇心旺盛な子供だったのだろうな。
「よし、寝かせてこよう」
「はい、お願いします」
芽生くんを宗吾さんが横抱きにして、子供部屋に連れて行った。
戻って来た宗吾さんに誘われる。
「瑞樹、ちょっとベランダに出てみよう」
「はい?」
「きっと今日は星が綺麗だから」
「そうですね。お正月は都心も空気が澄んでいるから……きっと」
「おいで」
ふたりでベランダに出て夜空を見上げると、あまりに多くの星が瞬いていたので驚いた。
「わぁ……」
「やっぱり、いつもの何倍も見えるな」
「はい……あ、オリオン座ですね!」
「あぁ、くっきりだな」
宗吾さんは、僕をブランケットで包み、そのまま背後から抱きしめてくれた。
「今年もよろしくな」
「はい、僕の方こそ」
キュッと抱きしめてくれるので、僕はその逞しい手に、そっと手を重ねた。
二人の温もりが重なる感覚が好きだ。
「安心しますね」
「今年も離さないよ」
「嬉しいです」
こんな風に包まれるのが、僕は大好きだ。
言葉でも身体でも、僕を離さないで欲しい。
「俺たちもそろそろ眠るか」
「はい、そうしましょう」
「今日も……いいか」
宗吾さんに誘われる。
その目が、少しギラギラしているような気がして……
「あのっ、もうあれはダメですよ」
「え?」
「だから、ミニスカは当分封印です!」
クリスマスの夜の痴態を勝手に思い出し、真っ赤になってしまった。
「ははっ、なんだ? またあのマント着たかったのか」
「え? あっ、もう!」
「可愛い瑞樹ぃ~ あんまり俺色に染まるなよ。ヘンタイになっちまう~」
ベッドの中で背後からがっしりと抱きしめられ、身体の力が抜けていく。
「今日はどんな風に抱いて欲しい?」
「……宗吾さんの顔が見えるのがいいです」
「可愛いことを。しかし冷えてきたな、天気予報通り雪でも降るのか」
「かもしれませんね。確かに寒いです」
「おいで、暖めてやる」
くるりと向きを変えられた。
そのまま手際良くパジャマを脱がされ、お互いの素肌を重ねた。
温もりから愛が生まれる瞬間が好きだ。
もう何度も繋がった身体なのに、僕の身体は初めてのように高揚していた。
「新年ってやっぱりいいな。初々しくて……今年は何度君を抱けるかな?」
「かっ、数えなくていいですよ」
「そうだな、数え切れない程抱くよ」
「も、もう」
宗吾さんに抱かれて迎えた朝。
僕は馴染みのある特有の気配を感じて飛び起きた。
もしかして……もしかしたら!
しんしんと音にならない音がする。
窓の向こうが、いつもより明るい。
そっとベッドをすり抜けてカーテンを開けると、本当に雪が降っていた。
吐く息は白く、窓硝子は氷の板のように冷たくなっていた。
「新年から雪だなんて……」
そう呟くと、また肩にブランケットをかけられた。
「瑞樹、風邪引くぞ」
「宗吾さん、雪です! 本当に降っています」
「良かったな。 この前、君が雪に触れて喜んでいたから、天上の世界からの贈りものかもな」
雪を空からの贈りものと言ってくれるなんて。
「宗吾さん……宗吾さんの言葉……心にじんと響きます」
「そうか。昔はこんなデリケートなこと思いつかなかったが、君の気持ちに寄り添うと、自然に浮かぶんだ」
「嬉しいです。僕ももっともっと宗吾さんに寄り添いたいです。違いを認め合って心を寄り添わせて……今年はそんな気持ちです」
「いいな。人は一人一人違うものさ。だから……寄り添う心がなければ、みんなあっという間にバラバラだ」
「はい」
穏やかな元旦だ。
とても静かで、とても暖かい。
雪景色を見つめながら、宗吾さんから降り注ぐ優しい言葉に耳を傾けていた。
****
あけましておめでとうございます!
今年は静かな二人だけの世界からの始まりです。
(毎年タイムリーに雪が降るのはご愛敬で!)
今年も『幸せな存在』を、どうぞ宜しくお願いします。
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