たこあげ

こぐまじゅんこ

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たこあげ

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 今日は、1月1日。お正月です。
 でも、けんくんのおかあさんは、仕事です。
「じゃ、行ってくるね」
 おかあさんは、出ていきました。
 おばあちゃんが、つぶやきます。
「お正月でも、お仕事なんだねぇ。おかあさん、たいへんだねぇ」
「つまんないの」
 けんくんは、下をむきました。
 おばあちゃんが、
「けんくん、学校でたこあげのたこをつくってきてたよね。ひろばで、たこあげしてみない?」
と明るい声で言いました。
「たこあげ? どこやったっけ」
「おばあちゃん、しまってるよ。もってくるね」
 おばあちゃんは、となりの部屋から、たこをもってきました。
「あったんだ。やってみる!」
 けんくんとおばあちゃんは、ひろばにあるいていきました。
 ひろばには、だれもいません。
「けんくんだけだね。ひとりじめできるね」
 おばあちゃんが、わらいます。
 北風が、ぴゅーぴゅーふいています。
「じゃあ、おばあちゃんが、たこをもってるから、けんくんは糸をもって走っていって!」
 おばあちゃんが、たこをもって高く上げています。
 けんくんは、思いっきり走り出しました。
 ふわり
 たこが空に上がりました。
 ぐんぐん ぐんぐん
 けんくんは走ります。
 たこは、ふわーっと空高く上がりました。
「すごい、すごい」
 おばあちゃんが、大喜びしています。
 けんくんは、振り返ってみました。
 空の雲にくっつきそうなくらい、たこは空高く上がっていました。
「うわぁ、やったー!」
 けんくんは、立ち止まって、糸を上手にひっぱったり、ゆるめたりしています。
 たこは、空を自由におよいでいます。
「気持ちいい」
 けんくんは、北風の中で立っています。
 風は冷たいけれど、いい気持ち。
 もやもやした気持ちがふきとんでいきます。
 やがて、風がやんで、たこは、ひゅーんとおちてしまいました。
「おばあちゃん、もう1回もって!」
 けんくんは、何度もたこあげをしてたのしみます。
 空は青くすみきっています。
 けんくんのたこは、空をゆうゆうとおよいでいます。
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