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第一章 学園生活
第十三話 友達
しおりを挟む「と、まぁ昔話を聞いてもらったんだけど、結論から言うと、つまり、10年前の事件、俺が元凶なんだよ。」
「な…!?」
絶句する晴兔達。
そりゃそうだ。
目の前にいる、学園で、仲良くしてた奴が10年前の、最悪の事件の元凶なんだから。
「俺は、本当は触れちゃいけない〝忌龍王の左目〟を、触れるどころか、その左目が入ってるんだ。さらには、10年前の事件の元凶であり、1500名程も、陰陽師を殺してるんだぜ?本当は、殺されてなきゃ可笑しいだろ?だけど、なんで今ここに、生きていられるか、知ってるか?」
きっと、晴兔達は、頭の上に?が浮かんでいるだろう顔をしている。
「俺は、十二天翼で、しかも忌龍王の左目を完全にコントロールしてるから今、生きているんだ。だから、俺と関わるのは、もうやめろ。お前らが、これ以上危険な目に会う必要はない。疲れが癒えたら、寮まで送ってやるから、言ってくれ。」
俺は、澪姉と凉花と共に、部屋を出ようとした。
すると、
「ちょっと待て!燐!!」
呼ぶ声がしたと思った瞬間、右頬に衝撃が走った。
「ッ…。」
「ふざけんなよ!!
十二天翼?忌龍王の左目?
何だそれ!?知るかんなもん!!
いいか?!
俺はな!お前が何だって、別に構わねぇよ!
お前が、どんだけ迷惑かけようが、一緒に付き合ってやるよ!!
それが!
友達なんじゃねぇのかよ!?」
俺は、そこでハッとした。
「そうか…。そうだよな…。全部1人で抱えることが全てじゃないもんな…。悪かった…。晴兔、ありがとう…。」
「あぁ。これからも友達だ…!」
俺達の絆が、より深まったのだった。
―――――――――――――――――――――――――――
それから、一時間が過ぎ、晴兔達6人は、客間でくつろいでいた。
「何やかんやで一番燐のこと心配してたのは、椎名だよな?」
いきなり、晴兔が、核心を突いてきた。
「は、はぁ?!べ、別に燐くんの事なんて心配してないし…!!」
(((((図星だこれー)))))
もう、お分かりの通り、彼女は燐の事が、好きなのである。
だがしかし、彼女は、全く認めない。
というより、自分の気持ちに、気付いていないのだ。
なので、他の5人はどうにか、自分の気持ちに気づいてほしくて、あれこれ試行錯誤を繰り返しているのである。
5人が考えていると、燐が急に入ってきた。
すると、
「ひゃ…!!」
と、沙耶から、声が上がった。
既に、顔が真っ赤である。
普通、ここまで、あからさまなら、自分どころか、燐も気付く筈なのだが、どうやら、沙耶の数段上をいく鈍さらしい。
すると、燐が、爆弾発言を投下した。
「あ、そうだ!沙耶ー、今、俺、夕食作ってるんだけど、手伝ってくれない?」
「え?べ、別にいいけど…!なんで私なの?」
と、聞かれた燐は、更に、
「え?なんとなく、着物が似合いそうだなーっと、思ったから?」
(((((思ったから?じゃねー!!)))))
「なっ…?!」
見事に、沙耶の顔がゆでダコになった。
「さ、早く作りに行こーぜ?沙耶?」
ここで、燐は、追い討ちをかけるように、名前を呼んだ。
沙耶は、ショート状態になりながら、燐と共に、客間を出ていった。
「…なぁ、俺、1つ思ったことがあるんだけど」
すると、蒼空も、
「奇遇だなー。僕もだよ。」
さらには、騎士まで、
「実は、俺も何だが」
『燐、鈍いって言葉じゃ甘いほど、えげつないぐらいの鈍さじゃね?!』
「えげつないじゃ、言い表せないと思うよ…?」
「確かにね」
と、望愛と葵の横やりが、入ったのだが、それは聞こえないこととして、密かに、会議が終わったのだった。
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