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第一章 学園生活
第三十四話 未来の意地
しおりを挟む『魔刀解放』「堕ちろ『絶禍無月』」
無月から、目視できる程の漆黒の呪力が、溢れ始め、俺を包む。
少しの静寂の後、漆黒の繭から、何かが飛び出してきた。
堕天使を想像させるような六枚の漆黒の羽、その後ろには真っ黒な輪。さらに、燐の身体にピッタリと合った禍々しい鎧。
「俺は魔刀と一体化して、俺自身が無月になるんだ。てか、これが血呪纏装のベースになってるから、一回見てると思うんだよなー。性能は全く違うけど。てか、霊装もいっちゃうかー。」
『己の全てが堕ちきりし時、堕ちた者に見合うは奈落なり。』
『霊装〝羅刹〟』
鋭い爪や角が生え、武装されていく。
「魔刀解放の上から霊装使うと、一言で言うと、魔刀に霊装を施してるようなもんだからなー。ま、いいや、いきますよー!?」
この状態になると、速度は、通常時の約100倍まで上げることが出来るため、通常時の速度についていけるかどうかなら、まず反応することなど出来ないだろう。
「それ!」
試しに1割程度の蹴りを入れてみる。
「こんなのなんでもない!」
おー、見事に止めてるー。
流石は次期〝十二天翼〟を名乗るだけの事はある。
が、こんなもんじゃせいぜい怨怪の餌にしかならないな。
「もうちょっと上げてみるか?」
今度は2割増で3割!
「そのぐらい?」
こちらの攻撃に合わせて、カウンターで、蹴りをお見舞いしてきた。
「ぐっ…!重ッ…!」
地味に重い攻撃をしてきやがって。
俺じゃない他の学園生だったら即死だぞ?!
「あー、もう面倒だなー。」
『…絶界。』
俺と未来を黒い呪力で出来た膜が覆った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「さて、ここに人を連れてくるのは2回目だな。という事で、ようこそ、俺の世界へ」
「ここは何…?」
「だから言いましたよね?ここは、俺の創った別次元なんですよ、先輩。」
説明も大事だが、早く終わらせることに越したことはない。
という事で、俺は無数の黒刀を構えて、
「これで終わりですね」
一斉に飛来させた。
しかし、予想通りにはいかなかった。
「…こんなところで…こんなところで…!!負けるものかァァァ!!」
未来の呪力が無数の刃となって溢れだし、俺の創った空間を粉々に壊し、さらに俺に傷を負わせた。
「…がほッ…がほッ…!!」
今ので気管支系をやられた…!!
密封空間だったのが凶と出た。
もろに直撃しちまった…!
「これで形勢逆転、だね」
くそ…。
ホントはアレを使いたくはなかった。
使ったら間違いなく手加減できなくて殺してしまうだろう。
しかし、使う。
何故なら俺が、殲天翼なのだから…!!
「…それはどうかな。」ニヤリ
「何?まだ切り札でも残してるの?」
「ああ。見せてやるよ…!!俺の全力を…!!」
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