キツネと龍と天神様

霧間愁

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理解する龍曰く

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 困った奴がいたもんだ。

 ある時、人化の術を教えてくれ、懇願の声が背後から聞こえたんじゃ。
 振り返っても誰もおらん、首をひねると下から小さな声。
 小さい兎だった。
 人化したいのは何故かと尋ねると、球蹴りをしたいという輩での。

 さっかーという奴がやりたいらしい。流行っとるらしい。

 人化の術は教え広めてないことを伝えて諦めさせようとしたが、頑固な奴でどうしてもと云う。
 ふむ、と腕組をしてると、「戦わないといけない奴がいるんです」と兎。
 なるほど。それがさっかーという奴か、納得する。
「いや、サッカーで倒したい奴がいるんですけど、人化できるならなんでもいいです」

 儂、ちょっと恥ずかしかった。
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