キツネと龍と天神様

霧間愁

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いい事をしたと思うキツネ曰く

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 告解の部屋の中は、少し怖い。
 ぴんと張りつめた空気感、ヒンヤリとした質感。

 僕、キツネは友人を訪ねに教会に来ていた。
 間違って入った告解の部屋には、既に誰かがいた。
「実は恋人を騙していて」
 男の声に、黙っているしかない僕。
「ある占い師に見抜かれてて。はじめは確かに彼女の両親、財産目当てでした。でも、今は彼女を……」
 わかるよ、誰かを好きになると種族性別問わず、辛くなるよね。思わず声をだしてしまう。
「薄汚い僕なんかと一緒にいるよりも、もっとちゃんと心の綺麗な、そんな奴と一緒になればいいと思うんです」
 好きな人が幸せになることを一番に考えるといいと思う、告げる。

 何処か閃きを得たように男は立ち去っていく。ちょっと気分がいい。

 知り合いのシスターには、ものすごく怒られた。
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