キツネと龍と天神様

霧間愁

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ゲーム狂いのキツネ曰く

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 雨の音が窓の外から聞こえてくる。
 PC横にある時計が眼に入ってしまった。見ると、朝にしては暗い。
 というか、あれ、もう朝なの?

 KiTsuNe:外、暗くね?

 PC画面から眼をはなして、外の明るさを確認しようとしたのが失敗だった。
 画面の中の、僕、キツネが操るキャラクターがやられてしまう。
 慌てて、チャットを打ち込んだ。

 KiTsuNe:う、ごめ
 あぽろん:kusa
 アリトリウス:w

 仲間に煽りに似た慰めをいただきながら、窓を少しだけ開ける。
 空が薄ぼんやりとしていた。

 KiTsuNe:きょ、雨。つら

 リスポーン地点に戻って、チャット。
 リアクションが少ないという事は、向こうは激戦なんだ。
 
 今から戻っても、時間がかかる。どうするか……。

 同じ姿勢のままで凝り固まった身体を伸ばしながら、PCの前に座りなおした。

 NeKo:来れる?
 KiTsuNe:ai

 知り合いの猫の呼びかけに即座に返答してしまった。
 よし、とマウスを握る。
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