キツネと龍と天神様

霧間愁

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理解が及ばないキツネ曰く

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 少し街から離れ、ビルが立ち並ぶ路を歩く。
 ここは都会。混凝土密林。
 美味しそうな匂いと愉しそうな物品が売られる場所。

 僕、キツネは、仕事の先輩の付き添いだ。いわゆる荷物持ち。
 商談も終えて、街へ帰るため駅まで移動の途中に先輩が立ち止まる。
「ここで待ってれば、駅までのバスくるんだよ」
 ほ? 停車標識もないですけど?
「あぁ」
 想像していたバスよりも一回り小さいバスがこちらに向かってくる。
 ゆっくりと停車すると、中から人が次々に降りた。
 運賃いくらですかね、と先輩に尋ねると先輩は「無料だよ」と言う。
 ほ? え? 無料?
 どうやって儲けてるの?
 僕が呆けていると先輩に「さっさと乗れ」とツッコミを入れられた。
 慌ててバスに乗り込む。

 都会には解らないことが多い。
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