キツネと龍と天神様

霧間愁

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初夢の天神曰く

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 とある男がみた夢。



 気が付くと電車の席に座っていた。
 感覚がぼんやりとしていて、どうして移動しているのか判らない。周りを見渡した。
 数人が別の車両にいるようだった。
 まるで無人のような静けさだった。人がいないわけではないのに、やけに静かで、無音映画のようで怖く思った。
 それと停車する気配がまるでなく、それにも恐怖心を煽られた。ずっと外の景色が変わり続けている。

 窓を一部開けると、風が入ってきた。驚いて閉めた。

 住宅街、摩天楼が犇めく都会、湖が見える山の中、大河の上にかかる橋、鳥が飛ぶ大草原、水平線が綺麗な海辺、田畑が広がる田園、大きく美しい山。
 様々な場所を走る電車。
 綺麗だな、と思いながら外を眺めていた。
 線路を走る音も心地よく、眠気に誘われる。

 気が付くと周りに女性が複数人座っていた。
 驚いて男は立ち去る。
 どうやら女性専用車両に乗ってしまったようだ。
 謝りながら隣の車両に移る。

 扉を開けると、突然の衝撃を伴って電車が止まった。
 男は突然の衝撃で「え?」と思いながらつんのめる。
 車両から放り出され、目が覚めた。
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