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歩む天神曰く
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その女は思い込みが激しかった。
ある時、女は思った。自分は可愛いのではないかと。
そんな女の恋人は、そうだよと優しく笑った。
その女は思い込みが激しかった。
ある時、女は思った。自分は醜いのではないのかと。
そんな女の恋人は、僕はそう思わないよと優しく笑った。
その女は思い込みが激しかった。
ある時、女は思った。自分が生きていてもいいのかと。
そんな女の恋人はとても困った。
困って何も言えずにいると、途方に暮れた女は自殺してしまった。
恋人は嘆いて、時を戻してくれと神に祈った。
“誰か”がその願いを聞き届けて、時を巻き戻してやった。
恋人は、生き返った女を大切にすると、心に誓う。
女を大切にするあまりに女は恋人に愛想をつかしてしまった。
恋人は彼女が生き延びてくれたのならと、満足して女の許を去っていった。
ある時、女は思った。自分は可愛いのではないかと。
そんな女の恋人は、そうだよと優しく笑った。
その女は思い込みが激しかった。
ある時、女は思った。自分は醜いのではないのかと。
そんな女の恋人は、僕はそう思わないよと優しく笑った。
その女は思い込みが激しかった。
ある時、女は思った。自分が生きていてもいいのかと。
そんな女の恋人はとても困った。
困って何も言えずにいると、途方に暮れた女は自殺してしまった。
恋人は嘆いて、時を戻してくれと神に祈った。
“誰か”がその願いを聞き届けて、時を巻き戻してやった。
恋人は、生き返った女を大切にすると、心に誓う。
女を大切にするあまりに女は恋人に愛想をつかしてしまった。
恋人は彼女が生き延びてくれたのならと、満足して女の許を去っていった。
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