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交差する龍曰く
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いらっしゃい。と、店主が声を出して顔をあげると誰もいなかった。
おかしい、確かに客の気配がしたんだが、と思いつつも古物の修理を再開した。
「あの、もし」
声をかけられ再び顔をあげると女が立っていた。集中していたのか、店主は気づかなかったことを詫びる。
「いえ、あのここに古銭があると聞いてきたんですが」
「えぇ、古銭は取り扱っていますよ、そちらの棚です」
「ありがとうございます」
店主は手元の修理を一段落させて、女の方に気をやる。
「すいません、この金貨を譲っていただきたいのです」
「あぁ、構いませんよ。40万ほどになりますよ」
聞いた女はすぐさまバッグから札束をだす。
(これは豪気だな)
などと思いながら、貰った紙幣を偽造鑑定付きの紙幣計数機をかけた。
40枚のうち、1枚弾かれる。
「あぁ、このお札は駄目だね、代わりのありますか?」
興味津々に機会を見ていた女は驚いて、代りの紙幣を店主に渡した。
紙幣を確認してから、強化プラスチックで拵えた展示棚から、女の所望する金貨を取り出してやった。
「そういや、先日にもその金貨を買いに来た奴がいたよ。出してきた紙幣が全部はじかれて警察に電話したけど」
おかしい、確かに客の気配がしたんだが、と思いつつも古物の修理を再開した。
「あの、もし」
声をかけられ再び顔をあげると女が立っていた。集中していたのか、店主は気づかなかったことを詫びる。
「いえ、あのここに古銭があると聞いてきたんですが」
「えぇ、古銭は取り扱っていますよ、そちらの棚です」
「ありがとうございます」
店主は手元の修理を一段落させて、女の方に気をやる。
「すいません、この金貨を譲っていただきたいのです」
「あぁ、構いませんよ。40万ほどになりますよ」
聞いた女はすぐさまバッグから札束をだす。
(これは豪気だな)
などと思いながら、貰った紙幣を偽造鑑定付きの紙幣計数機をかけた。
40枚のうち、1枚弾かれる。
「あぁ、このお札は駄目だね、代わりのありますか?」
興味津々に機会を見ていた女は驚いて、代りの紙幣を店主に渡した。
紙幣を確認してから、強化プラスチックで拵えた展示棚から、女の所望する金貨を取り出してやった。
「そういや、先日にもその金貨を買いに来た奴がいたよ。出してきた紙幣が全部はじかれて警察に電話したけど」
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