300 / 366
そぞろ歩きの天神曰く
しおりを挟む
寒いとも暖かいともとれる日差しの中、歩いていると薄赤い花びらが風に舞っていた。
「今年は早咲きでしたな」
二本足で歩く猫の従者の一人が、誰に言うでもなくぽつりとこぼす。
「いやはや、花見も出来ませんでしたな」
二本足で歩く鼠の従者が猫の従者に合いの手。
「うるさいのう、語らずの優雅さというモノを出せんのか、お前たちは」
角が生えた巫女が、二匹を軽く蹴りとばした。
「痛いぞ、鬼」「煩い原因をつくっとるのはお前じゃ」「そうじゃそうじゃ」
鬼の巫女は、微笑みを浮かべたまま従者二匹を踏みつぶそうとする。
「姫様、鬼が鬼じゃ」「鬼が鬼じゃ」
鬼の巫女がもう一度蹴り飛ばそうと構えると、二匹の従者は蜘蛛の子のように散っていく。
花びらが風に交じって駆け抜けていく。
空は青い。
「今年は早咲きでしたな」
二本足で歩く猫の従者の一人が、誰に言うでもなくぽつりとこぼす。
「いやはや、花見も出来ませんでしたな」
二本足で歩く鼠の従者が猫の従者に合いの手。
「うるさいのう、語らずの優雅さというモノを出せんのか、お前たちは」
角が生えた巫女が、二匹を軽く蹴りとばした。
「痛いぞ、鬼」「煩い原因をつくっとるのはお前じゃ」「そうじゃそうじゃ」
鬼の巫女は、微笑みを浮かべたまま従者二匹を踏みつぶそうとする。
「姫様、鬼が鬼じゃ」「鬼が鬼じゃ」
鬼の巫女がもう一度蹴り飛ばそうと構えると、二匹の従者は蜘蛛の子のように散っていく。
花びらが風に交じって駆け抜けていく。
空は青い。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる