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まにゅ恋19
しおりを挟む「時間、いっぱいあるからさ……」
「あぁっ、ああっ!」
指が入り口付近のいいところを撫で上げる。泣きそうになりながら、間宮にしがみついた。それに気を良くしたように間宮は目を細める。
「期末試験、前だけど、ずっとえっちしてようね。真純なら一回ぐらい成績落としても大丈夫だよね? ───で。真純約束覚えてる?」
(……………あー)
最低だ、こいつ───。
「ここ、いっぱいいじってあげるからね」
言いながら、楽しげに俺を覗き込んでくる。
……うっかり好きと言ったのを後悔してもいいところなんじゃないかな、と思ったが、しょうがないなぁ……と、あきらめてしまう俺は───。
もう本当どうしょもないのだ。
やっと服を脱いだ間宮にすがりついた。
「ねぇ、真純……俺の名前、言って……っ?」
息を弾ませながら、掠れた声でささやかれ、俺は虚ろに間宮を見た。……名前? 言ってる……けど、……て、下の名前か。ぼんやり理解したが、
「…………なんだっけ?」
ガクリと間宮が体重をかけてのし掛かってくる。
「ぅ重っ、どけよバカ」
「……ちょっとそれはないんじゃないの……」
もそっと体勢を立て直して間宮が文句を言ってくる。
「……萎えるんだけど」
「萎えてないじゃないかっ」
いまだ自分の中で固いままの存在に、ぎゃあっとなってると、
「……真純って、本当名前覚えないよね」
「そんなことない」
「あーはいはい。いいよもう。とにかく続きね」
「は? お前何流してんだよ……て、あっ、あぁ!」
膝裏を持ち上げられ動きを再開する間宮に、喘ぎ声を漏らした───。
* * *
「間宮運動部入らないの?」
なかなか離してもらえずけっこう泣かされて、疲れてベッドに寝そべりながら、裸の背中を見せて座る間宮に声をかける。───そう言えばお腹がへった。
「いやだから運動得意じゃないんだって」
困ったように肩越しに俺を見て間宮は答えた。
「でもガタイいいし、筋肉ついてんじゃん」
筋肉のついた広い背中に見入っていたのは秘密だ。
「あ。これは真純に見せるために鍛えてるだけだから」
「…………お前バカだろ」
なんだそれ。
「真純に対してバカなんだよ」
さらりと言うな。───あーもう。と赤面していると、「真純は?」と間宮が聞いてくる。
「真純は運動部とか考えなかったの?」
「あー一度中学のとき堀にくっついて柔道部見学したことあるんだよね」
「───堀くんと仲いいよね」
「何やいてんだよ。あいつ彼女いるぞ」
不機嫌になる間宮をとりあえず無視して、
「けっこう歓迎されたんだよね。そのノリについてけなくて、入部する気はなかったんだけど───その場で柔道着着せてもらって取り組みもして───なんか気を使ってもらっちゃって勝たせてもらったりもしたんだよね」
「……それ普通に勝ったんじゃないの?」
「いやまさか」
あーでもと思う。
「その相手藤井先輩だったりして。なんか嫌われてたし」
あははーと笑って「ん?」と宙を見上げた。間宮も「ん?」と俺を見た。
「……………」
「……………」
しばらく顔を見合わせた。
「前、真純言ってたけど、藤井先輩に嫌われてるって本当?」
間宮が確かめるように聞いてくる。
「だからなんか嫌われてるんだよ。迫られたけど、お前みたいじゃなかったのは本当」
「あ。やっぱり迫られたんじゃないか」
「あ。いや───迫られたって言うか、凄まれたって言うか」
「真純その中学の取り組みの相手名前わかってるの?」
「いや覚えてない」
「……だと思った」
「いやいや。だいたいそんな小さいことで今も俺のこと嫌うか?」
「小さいって言うのはどうかな……」
うーんと考え込む間宮に、とにかく、と俺は続ける。
「休み明け藤井先輩に聞いてみる……?」
「そのままにするって言うのもありだと思うけど……」
うーんとまた間宮が唸ってる。
「───とりあえず、なんか食う?」
「ああ、うん。……で、食べたら……」
耳元で間宮が「……続き」とささやくので───「いい加減にしろ」と耳を引っ張った。
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