まにゅ恋

とら

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まにゅ恋22

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 ───期末試験も無事終わり、間宮はとても機嫌がよさそうだった。
「結果、良かったのか? テスト」
 例により朝迎えに来た間宮と学校に向かう。今日も天気が良く、また暑くなりそうだった。気持ち悪いぐらい間宮が上機嫌だったので、つい聞いてしまう。
「えへへー、どうかな。でも今までで一番良かったんだよねー。真純は?」
「まあまあかな」
 へらへらとしていてたしなめるべきか迷ったが、そのままにしとこうとあきらめた。
「───今日さ」
 意味ありげに目を細めて間宮が続ける。
「順位発表があるね」
「───そうだな」
「今日真純のお母さんに泊まるって、電話してあるから」
「はっ? 何、人の親と電話してんの? いつ番号交換したの? つーか今日泊まるのっ?」 
 どゆこと!? と見上げる俺に、間宮は「楽しみだなー」と人の疑問には答えず笑みを作る。
 ───なんなの?
 この置き去りにしていくようは突っ走り方は本当、どうにかして欲しいんだが……。

 * * *

 昼休みにウキウキとした感じで間宮が教室に入ってきた。順位発表見に行きたいんだな……一緒に……待ちきれなかったんだな……そんなに動画撮りたいんかい……と目で訴えたが、間宮は全く動じず、「早く早く」と腕を取る。なんかクラス中の視線を感じたが(気のせいだと思いたい)、これも意に関せず間宮は俺を引っ張って職員室前までくる。すでに順位が貼り出されていて、お昼を食べる前に来ている生徒が集まっていた。
「あ、ほら、俺19位だって! すごい頑張ったんだよ!」
 弾んだ声で間宮が俺に告げる。
「すごいな。前よりけっこう上がったな」
 執念すら感じたが、あまり考えずに誉めてやる。
「佐々木に教えてもらったんだよね。真純はいつも10位台だよね? そこに真純の名前ないから俺の勝ちだよね!」
 笑顔全開な間宮を置いといて、順番を目で追う。俺は自分の名前を見つけて指差した。
「俺。そこ」
「えーと、真純は……って、……え?」
 間宮が目が点になる。
「………………………1位?」
 ぽかんとして、間宮が呟く。俺は「だな」と頷いた。自分の勉強時間が増えると言うことは、俺の時間も増えると言うことをわかっていない。
「じゃあ、俺の勝ちだな」
 淡々と言って「教室戻るぞ。お昼まだだし」と続ける。堀は部活で全国大会行くみたいで忙しそうだから(同じ部活の藤井先輩を思い出すとモヤっとくるが)、間宮と食べようかと思い、
「お昼部室で食べる?」
 と、聞いてみたが、まだ間宮は呆然としている。「間宮?」と呼ぶと、はっと我に返り間宮は絶望的に呟いた。
「……佐々木の気持ちがわかった気がした」
「なんで?」
 謎だ。

 * * *

 帰る途中、と言うかお昼から間宮はずっとだんまりを決め込んでいた。思い通りならないとすぐこれだ。約束は約束だろうが。ムッとしたが、何も言わなかった。でも、なんだかんだ一緒にうちまで来て、泊まるつもりらしい。
 家に着いて、親とは普通に話して、ごはんもお風呂も上がって、現在俺の部屋に至るのだが───。
「───間宮」
「───────」
「おい」
「───────」
 呼んでも応えてくれない───。
 あーもう。
 めんどくさいやつ。
 いろいろとあきらめて、意を決して肩にかけていたタオルを手に取る。
「間宮、手、出せ」
 ちょっと眉を寄せて間宮が俺を見る。俺は強引に間宮の両手を前に出させ、タオルできつきつに縛った。
 ? マークで、間宮が俺を見た。俺は間宮をベッドに座らせ、俺は床に座る。
「真純?」
「────────ひくなよ」
 一言小さく呟いて、俺は覚悟を決めて、部屋着のシャツのボタンを外した───。
「───────っ」
 息を飲む気配がした。それに構わず、自分で胸に手を這わせた。




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