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まにゅ恋36
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───夏休みも終わり、
例によって間宮と早くに学校に来て、教室の席で授業の準備をしていると、目の前にスマホの画面を見せられた。
「……………」
そこには女の人の写真があった。
───いや、それが女の人じゃないことを俺は知っている。
化粧をさせられ、キラキラした布地を頭から被り、首筋からデコルテまで素肌が出ている。指先に大きめな何かの宝石が(本物かどうかもわからんが)ついた、でも品のあるデザインのアクセサリーを持たされた、すまし顔の俺が───そう、俺がスマホの画面に写し出されていた。
(こんな嫌がらせをするのは佐々木しかいない)
決めつけて俺は顔を上げた。
「……? 佐々木?」
俺はぽかんとして佐々木を見つめた。
そこにスマホを持った人物は確かに佐々木だったが───髪の色が黒になっていた。
明るかった髪色が元に戻っていた。
眼鏡こそかけてないが、中学の頃に戻ったように見えた。
「……髪、色変えたんだな」
「そこじゃないよ。今俺が言いたいのは」
「なんで?」
無視して聞くと、佐々木は煩わしそうに、
「いいだろ別に。そんなことより結構誰なんだって騒がれてるぞ。この広告」
「え……やだなあ」
困るんだけど……と眉を寄せる俺に、
「軽率なんじゃないか?」
と佐々木がもっともなことを言う。
「そうなんだけどさぁ。これ間宮のいとこが撮ったやつで俺に拒否権はなかったって言うか……」
「間宮の? 俺間宮がこれ見てて気付いたんだけど」
「っの、あの馬鹿」
間宮を思い浮かべて、歯ぎしりしていると、
「よく撮れてるじゃないか。妙齢な美女にしか見えないよ」
「馬鹿にしてんのかよ」
「まさか。誉めてんだよ。別人に見える」
「あー……じゃあ学校にはバレずに大丈夫かな」
「大丈夫じゃないか。まあお前女装もしたからどうか知らないけど」
「お前がさせたんじゃないか」
ふざけんなと睨み付けると、佐々木は肩をすくめて笑う。
「まあ大丈夫だろ。しかしよく似合うな」
「うるさい」
スマホを見ながらつぶやく佐々木に、俺はダメ元で聞いてみた。
「なんで髪色もどしたの? 茶髪も似合ってたじゃん」
佐々木は視線を俺に戻し、少し笑って、言った。
「うるさい」
* * *
「お前何佐々木に俺の女装写真みせてんだよ」
───放課後。
図書室横の準備室に入りながら、俺は間宮をとがめる。
ギクリと間宮が身を縮ませた。
「だって……真純の写真だし」
「なんだよそれ。言い訳にもなってねーよ」
椅子に座ろうとして文句を言うと、ごまかすように間宮は背後から抱き付いてきた。
「おいっ……学校じゃこういうことすんなって言っただろっ。つーかごまかすな」
カッと熱くなって、内心動揺しながら怒ると、間宮が首筋に唇を寄せて吸い付いてくる。
「……っ、馬鹿! 駄目だ……っ、」
「たまには、さ。大丈夫だから」
間宮が腰に回す手を強くして、襟足を舐め上げた。
「っ、あ……駄目だって!」
下肢に疼きを感じるのを背徳的に思って、ベルトに手をかけようとする手を止めながら、流されそうになるのを必死で押さえようとしていると、
電話が鳴った。
間宮の着信音だった。
「間宮……電話」
肩越しに間宮を振り返ると、眉を寄せて間宮がスマホを手に取る。
「───はい」
発信者を確認して嫌な顔をして間宮が電話に出る。
「え? ……なんで? ……。え?」
「────」
「……わかった」
間宮が電話を切り、俺を見る。
「ごめん真純。親から」
「なんかあったの?」
「帰ってこいって、これからも泊まりに行きたいならって……」
「あー、じゃ帰れよ」
「ごめん。続きはまた週末ね」
「続きとか言うな、馬鹿。だから学校でしようとするなよ」
最近言う事聞かないのはなんでだろうと悔しげに思って間宮の背中を叩いた。
例によって間宮と早くに学校に来て、教室の席で授業の準備をしていると、目の前にスマホの画面を見せられた。
「……………」
そこには女の人の写真があった。
───いや、それが女の人じゃないことを俺は知っている。
化粧をさせられ、キラキラした布地を頭から被り、首筋からデコルテまで素肌が出ている。指先に大きめな何かの宝石が(本物かどうかもわからんが)ついた、でも品のあるデザインのアクセサリーを持たされた、すまし顔の俺が───そう、俺がスマホの画面に写し出されていた。
(こんな嫌がらせをするのは佐々木しかいない)
決めつけて俺は顔を上げた。
「……? 佐々木?」
俺はぽかんとして佐々木を見つめた。
そこにスマホを持った人物は確かに佐々木だったが───髪の色が黒になっていた。
明るかった髪色が元に戻っていた。
眼鏡こそかけてないが、中学の頃に戻ったように見えた。
「……髪、色変えたんだな」
「そこじゃないよ。今俺が言いたいのは」
「なんで?」
無視して聞くと、佐々木は煩わしそうに、
「いいだろ別に。そんなことより結構誰なんだって騒がれてるぞ。この広告」
「え……やだなあ」
困るんだけど……と眉を寄せる俺に、
「軽率なんじゃないか?」
と佐々木がもっともなことを言う。
「そうなんだけどさぁ。これ間宮のいとこが撮ったやつで俺に拒否権はなかったって言うか……」
「間宮の? 俺間宮がこれ見てて気付いたんだけど」
「っの、あの馬鹿」
間宮を思い浮かべて、歯ぎしりしていると、
「よく撮れてるじゃないか。妙齢な美女にしか見えないよ」
「馬鹿にしてんのかよ」
「まさか。誉めてんだよ。別人に見える」
「あー……じゃあ学校にはバレずに大丈夫かな」
「大丈夫じゃないか。まあお前女装もしたからどうか知らないけど」
「お前がさせたんじゃないか」
ふざけんなと睨み付けると、佐々木は肩をすくめて笑う。
「まあ大丈夫だろ。しかしよく似合うな」
「うるさい」
スマホを見ながらつぶやく佐々木に、俺はダメ元で聞いてみた。
「なんで髪色もどしたの? 茶髪も似合ってたじゃん」
佐々木は視線を俺に戻し、少し笑って、言った。
「うるさい」
* * *
「お前何佐々木に俺の女装写真みせてんだよ」
───放課後。
図書室横の準備室に入りながら、俺は間宮をとがめる。
ギクリと間宮が身を縮ませた。
「だって……真純の写真だし」
「なんだよそれ。言い訳にもなってねーよ」
椅子に座ろうとして文句を言うと、ごまかすように間宮は背後から抱き付いてきた。
「おいっ……学校じゃこういうことすんなって言っただろっ。つーかごまかすな」
カッと熱くなって、内心動揺しながら怒ると、間宮が首筋に唇を寄せて吸い付いてくる。
「……っ、馬鹿! 駄目だ……っ、」
「たまには、さ。大丈夫だから」
間宮が腰に回す手を強くして、襟足を舐め上げた。
「っ、あ……駄目だって!」
下肢に疼きを感じるのを背徳的に思って、ベルトに手をかけようとする手を止めながら、流されそうになるのを必死で押さえようとしていると、
電話が鳴った。
間宮の着信音だった。
「間宮……電話」
肩越しに間宮を振り返ると、眉を寄せて間宮がスマホを手に取る。
「───はい」
発信者を確認して嫌な顔をして間宮が電話に出る。
「え? ……なんで? ……。え?」
「────」
「……わかった」
間宮が電話を切り、俺を見る。
「ごめん真純。親から」
「なんかあったの?」
「帰ってこいって、これからも泊まりに行きたいならって……」
「あー、じゃ帰れよ」
「ごめん。続きはまた週末ね」
「続きとか言うな、馬鹿。だから学校でしようとするなよ」
最近言う事聞かないのはなんでだろうと悔しげに思って間宮の背中を叩いた。
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