【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

文字の大きさ
464 / 1,649
第十一章

448 それどころじゃない

しおりを挟む
( リーフ )

と、とうとう素人が手を出してはいけない状況まで……??


その可能性に気づくと、巨大ハンマーに叩きつけられた様な衝撃が頭を襲った。


グワングワンと目が回るような感覚に必死に耐えていると、ぷっぷっぷ~と笑いながらサイモンがアゼリアちゃんに向かって話しかける。


「 アゼリアちゃんはぁ~凄くカッコいいとは思うけどぉ~男が求めるのはそこじゃないんだよね~。

やっぱりぃ~ボクくらい可愛くないと記憶に残らないっていうかぁ~? 」


サイモンは可愛らしい笑顔で頬に両手を当てた。

そして、レオンの前にケンケンパするかのように軽快に移動し、そのままキラキラ~!と輝くような瞳で上目遣いをする。


しかしレオンは、それを見もしないし完全なる無表情に無感情。


恐ろしいまでの無視&無反応にサイモンは固まり、レイドを始めとした全員がその様子に大爆笑をする始末……。


その中でモルトとニールは比較的早く笑いが治まり、固まるサイモンや大笑いしている周りの子たちに向かい、説明を始めた。


「 レオンは個体の特徴を捉えるのが苦手みたいで、アゼリア様やサイモンさんに限らず誰でもこうなので気にしなくて良いと思いますよ。

モンスターに至っても ” 大きいの小さいの ” ” 黒いの、白いの ” だのと、その程度しか分かっていない様なので。 」


「 そうっすよ。

俺たちだって毎日会っていたのに、” 太いの、細いの ” でイメージが固定するまで、だいたい2~3ヶ月くらいは掛かったっすかね?

全く……もう少し頭のストレージを広げて欲しいっす。 」


「 …………。 」


「 そ、そうなのですか……。 」


モルトとニールの話に、アゼリアちゃんは黙ってドン引きし、ソフィアちゃんはその原因を必死に考え込んでいる様だ。


「 う~ん……髪型変えてみようかな~? 」


「 アピール方法の改善が第一ね。 」 


対して、サイモンとリリアちゃんは、冷静に?改善方法を分析し始めたが、その横でキランッ!と目を輝かせたのは、獣人の二人組であった。


「 へぇ~!レオンって怖い見かけによらず結構フレンドリーなヤツだったんだな。

仇名だろ?その太いの、細いのってよ。

最初から仇名呼びとか、相当相手が好きとかじゃないとしねえもんな! 」


「 ……レオンはモルトとニールが……大好き。 」


ね~?と確認し合うレイドとメルちゃんに向かい、「 獣人のポジティブはもはや病気~。 」とズバッと言うサイモンに誰一人反論しない。


しかしその中で ” レオンが自分たちを大好き ” というワードを聞いたモルトとニールは、サァァー……とゆっくり青ざめていった。


そんな二人の様子に全く気づいてないレイドは、フフ~ン♬と鼻歌交じりにレオンの方へ近づくと、その目の前でユラユラと猫じゃらしの様に身体を揺らす。


「 なぁ、なぁ、俺は?俺を呼ぶとしたら仇名はな~んだ? 」


不機嫌なレオンの様子も何のその。

レイドは果敢に問いかけるも、勿論応答はなし。


駄目か~……と諦めかけた次の瞬間、レイドの横からババッ!と二人の人物が飛び出した。


『 ほら、何かお話してごらん!

頭の中で考えている事はお口に出さないと人には伝わらないんだ♬ 』


『 さあ!心を軽く!空を飛ぶイメージで!!

気軽にお話してみよう!!♬ 』


飛び出してきたのはモルトとニール。

二人は俺の声を完璧にコピーし、更に鳥の羽ばたく真似をしながらそう言ったのだが、なんとレオンが突然ボソッと答えた。


「 ……うるさい赤犬。 」


ちゃんと仇名?らしきモノを呟いたレオンを見て、おお~!と手を叩いて喜ぶレイドとメルちゃんを見てから、他のメンバーはバサバサと鳥の真似をし続けるモルトとニールへ視線を向ける。


すると、モルトとニールはニヤリと笑みを浮かべ……。


” 地獄へようこそ ” 


────と静かに囁いた。


汗を掻くメンバーをよそに、今度はメルちゃんがズイッと一歩前に出ると、レオンはジッと見下ろし、「 青( 小 ) 」と一言言い放つ。

それにガガーン……とショックを受けるメルちゃんだったが、直ぐにレイドと一緒にサイモンを指差した。


「 あいつは? 」


「 小蝿。 」


レオンのズバッと言った答えに、サイモンが白目を剥き、獣人2人は大爆笑。


それにバチバチなりかけるも、サイモンはサッとリリアちゃんの後ろに周りおっぱいを鷲掴みした。

そしてバインバインと揺らすものだから、獣人2人とモルト、ニールの視線はそこへ釘付けになる。


「 ほ~ら、ほ~ら!

流石のレオンもこれにはたまらないんじゃないの~?

所詮は男の子だもんね?

どう?どう?? 」


ニヤニヤ~と笑うサイモンだったが、レオンの表情はピクリとも動かず「 牛乳。 」とだけ告げて終わった。


牛乳……。


押し黙るエルフ族2人にニールが、「 レオンは牛の乳搾り俺より上手っすよ~。 」 と言ったため、全員がまた盛大にブっ!!と吹き出してしまう。


「 ぎゅっ……牛乳ってっ……!!wwwじゃあ、じゃあ、あいつは? 」


「 むっちんむちんを持たぬ者。 」


レイドが大笑いしながらアゼリアちゃんを指差すと、バッチリ18禁にひっかかる言葉を言ったため、アゼリアちゃんは顔を真っ赤に染めて胸部を慌てて隠すが、レイドは更に大爆笑だ。


流石のデリカシーのなさに、モルトとニールがレイドの両足をカーン!と蹴り飛ばし跪まづかせると、両サイドから罪人の様にレイドの腕を持ち身体をホールド。

アゼリアちゃんは動けないレイドに無言で近づき、鞘に収めた刀の先でレイドの獣耳をペタペタ触りながら ” 切るぞ? ” と目で脅しをかける。

すると、レイドはひぃぃ~と悲鳴を上げて謝っていた。


その間の俺はというと……やはりそれどころじゃない!


しおりを挟む
感想 274

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜

たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話

分厚いメガネ令息の非日常

餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」 「シノ様……素敵!」 おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!! その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。 「ジュリーが一番素敵だよ」 「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」 「……うん。ジュリーの方が…素敵」 ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい 「先輩、私もおかしいと思います」 「だよな!」 これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話

処理中です...