【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第四十七章

1450 恐怖への罪悪

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( ??? )

「 あら~綺麗ねぇ~。 」


まるで本物の花祭りの様な美しい花のドームを見上げ、サラがニコニコ笑うと、ダンッ!と前に進み出たのは、アリッサだ。

アリッサはフッ……と不敵に笑い、地面に向かい手を着けた。



< 華遊人の資質 >( ユニーク固有スキル )

< 茨姫の花兵士団 >

『 花兵士 』を召喚する事ができる創作系増殖スキル

『 花兵士 』の強さと数は、花への愛情度と育てた経験値、絆値、自身の内在する恐怖に打ち勝った経験値によって強化される

更に自身の感情ゲージが高い程、様々な能力を取得する

(発動条件)

一定以上の花への愛情度と育てた経験値、絆値、恐怖に打ち勝った経験値を持つこと

元々持っている感情ゲージより一定以上の上限を超えた経験値がある事




すると、色とりどりの花の顔を持った兵士達が次々と土の中から現れ、大部隊並みの数がズラリと並ぶと、アリッサはアッハッハ~!と高笑いをする。


「 玉の輿に乗るまで死ぬわけにはいかないのよ────!!

目指すは子爵!!

ムキムキなら尚良し!! 」


拳を空に向けてヨッシャー!と叫ぶアリッサを、プリリとベルは不思議そうな顔で見つめていた。

恥ずかしそうに顔を覆ったオリバーとヘーゼルを見て、ファロとサラは楽しそうに笑った後、そのまま顔を見合わせる。


「 今度は俺達の番だな。 」


「 そうね~。

フフッ。負けないわよ~。お先に。 」


先に動いたのはサラの方で、サラは何もない空間に向かって指を指した。



< 調獣士の資質 >( ユニーク固有スキル )

< 獣道の道しるべ >

自身と自身が絆を結んだ生物達の間に道を創り出し、いつでも召喚できる空間系特殊スキル

ただし、絆値が低いモノは距離が遠い程、通る事はできないため注意が必要

(発動条件)

一定以上の魔力、魔力操作、絆値を持つ生物が一定数以上いる事

自身の本来持つ価値観を壊す存在が現れ、それを壊す道を見つける事



サラの指差す方向に巨大なトンネルのようなモノが出現すると、中からはモーモー、ブーブー、コケコッコ~!と非常に騒がしい声が聞こえてくる。

そして顔をひょっこりと出す動物達を見たファロは、ニッコリと笑い「 今夜は全員ご馳走だぞぉぉぉ!! 」と叫んだ。

すると、全頭やる気満々な鳴き声を上げた所で、ファロはスキルを発動する。



< 獣産士の資質 >( ユニーク固有スキル )

< アニマル・エイエイオー! >

一定以上の絆値を持った獣系生物に対し、種族限界値を一瞬突破させ、極大進化をさせる事のできる特殊強化スキル

ただし、その生物の了承を得なければ発動できない

(発動条件)

一定以上の魔力、魔力操作、獣系生物への愛情度、絆値、一緒に過ごした思い出がある事

一定以上の恐怖に対し、一定以上の感情値ゲージを取得後、それに打ち勝つ事



《 ぶもぉぉぉぉぉ!!! 》

《 ブブゥゥゥゥン!! 》

《 コケコッコォォォォ~!!! 》


メキメキ~!という音と共に、ホールド家の獣畜達は巨大化していき、見上げるような巨体へと変化した。

本来の姿は面影程度しかなく、全頭ムキムキの体に鋭く尖った角や牙、圧倒するような存在感は、確実に高ランクモンスターに匹敵する。

その中でも長くて立派な舌をバシンッ!バシンッ!!と地面に叩きつけている牛型の巨大生物は、ホールド家が誇る大食漢レディのホルちゃんだ。

ちなみに空は、まるで巨大なドラゴンの様な姿になってしまった鶏達とヒヨコ達が縦横無尽に飛び回っている。


「 さぁ、プリリちゃん、ベル君出番よ~! 」


「「 は~い! 」」


サラがぴょんぴょん飛び回るご機嫌な二人に話しかけると、二人の体が光り始め、進化した動物達を優しく照らした。


( 合体スキル )

< もふもふ大行進! >

獣の名がつく生物のステータス値を極大UPさせる強化系スキル

獣系資質を持ち、一定以上の獣とのふれあいの時間、絆値を持ち、更に一定以上のレベルを持つ未知の存在とのふれあいを経験する事

更にその未知の存在への好奇心、好感、探究心を持ち、その存在からの命令に逆らい生還する事で発動可能になる



プリリとベルが発動したスキルにより、更にパワーUPした強化生物達を止められるモンスターはもはやいない。

花兵士達と共に戦闘配置についた強化生物達は、正門の前に並び、遠くの方から迫ってくる敵モンスター達を睨みつけた。

その間にも街の方からは何かしらのスキルが次々と発動している様で、どんどんと自身の力が湧き上がるのを感じたオリバーはフルッ……と震える。

そしてその後、自身の拳を握ったり開いたりを繰り返し、最後は自身の手の平を見下ろしボソッと呟いた。


「 恐怖への罪悪……か。


……私はね、とても後悔したよ。

何もしてない子供を迫害し、石を投げつけてしまった事を……。

恐怖は常に自分の中にあって、私の人生にしがみついて離れてはくれない。

でも……その行為は間違いであったと、リーフ様の後ろで幸せそうにしているレオン君を見て思い知った。

一生この罪悪はついて回る。

きっと街の人たちも同じ様に……。

恐怖をあっさりと克服してしまったモルトや他の子供達を見て、なんて自分は情けないんだと思ったよ。 」


情けなく眉を下げるオリバーを見て、ファロはその背をバンッ!と叩く。

しかしそんなファロの顔も随分と情けない顔をしていた。


「 俺も妻も……レガーノの皆も同じ苦しみを背負ってる。

あれだけ毎日罪の証を見せつけられる様に過ごされちゃ~目を背ける事なんてできないだろう。

そのせいで全員、変な悪夢を見たらしいしな……。

勿論俺もだ。 」


ファロはその悪夢とやらを思い出したのか、苦々しい顔をして頭を抱える。

実はオリーブにもその恐ろしい悪夢に覚えがあったため同じく頭を抱え、オリーブもサラも、そしてアリッサも同様の仕草をした。

その中で真っ先に立ち直ったらしいファロは、パンッ!と自身の頬を叩き、表情を引き締める。


「 今更謝った所でそれは贖罪になんかならん。

だからせめて幸せを見つけた場所くらいは守ってやらんとな。

俺は死ぬ気でこの街を守るぞ。

皆も同じ気持ちだろう? 」


フンッ!と鼻息荒く言い切ったファロを見て、オリバーはハハッ!と笑った。

そしてもう目で確認できるくらいの距離まで迫って来たモンスター集団を見て、もう一度お互い拳を叩き合うと、ニヤッと笑う。


「 今まで理不尽な上層部に揉まれて生きていたんだ。

こんなモンスター程度、大したことはない。 」


「 俺も我慢は得意な方でな。耐久戦は得意中の得意だ。

下っ端貴族を舐めて貰っちゃ~困る。 」

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