元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!

バナナ男さん

文字の大きさ
130 / 239
第五章【入学院テスト編】

126 聖女候補様?

(ルーク)

戦闘能力だったら、アッシュが頭10個……いや、100個は飛び抜けているな!

なんとなく鼻高々になってフフン!と胸を張ってやる────のと同時に、ゲーム内のアッシュについて再度考える。

そういえば、アッシュルートって結構謎が多かった気がするんだよな……。
確か、アッシュは自分の苦しみを共感し、理解してくれたリリスにもう一度会いたくて?学院に合格したっぽいけど、それにしちゃ~リリスを陥れる様な動きもするし……そもそも、その割には学院内にいない?っぽいことも多かった。
ツンデレだとしても、それでリリス死亡のゲームオーバーになったりする事もあったから、なんか変だなとも思っていた。
それに────……。

俺の脳裏にはある女性が思い浮かぶ。

まるで夜の象徴の様なダークブルーの長い髪。
それと反対に陶器のような色白の肌に、お人形の様にパッチリとした目にはアメジスト色の瞳が光る。
その神秘的な美しさは、彼女の存在を神々しく見せ、まさしく精霊神の使いと言われればピッタリだと思わせる程の存在感を持つ女性。

精霊神を崇める教会の聖女候補<セリシア>

セリシアは、教会に属する女性であったが、その特殊な能力から『聖女』と呼ばれ、現在教会の象徴になっている少女だ。
しかし────……そこに精霊に愛されし能力を持ったリリスが現れる。

『リリス様こそがこの世界のメシアになるでしょう。』

そう笑顔で言うセリシアに、リリスは次第に心打ち解けていく……というお助けキャラに分類されているキャラなのだが、そんなセリシアはアッシュとよく一緒に現れるのだ。

たまたまにしては随分な頻度で……。

それに違和感があったのは俺だけではなく、当時一緒にゲームを見ていた孫娘も「アッシュと何か関係があるのかな?」と不思議がっていた。

アッシュの過去はこの時点では不明。
だから、もしかしてその過去にこの二人が何か関係があるのかもしれないと思っていたのだが……結局一周目エンドでは明かされないまま終わってしまったのだ。

「教会……聖女……。」

現在のアッシュを見ても、全く教会と繋がりがありそうに見えない事から、本当に分からない。

あとちょっとだけ寿命が長かったらな~。

二周目をクリアーできなかった事が悔やまれるが、今更どうしようもないので諦めるしかない。

ただ単にセリシアがアッシュにメロメロだっただけかもしれないし~。

現在、目の前で女子受験生達から沢山のハートをぶつけられているアッシュを見て、へっ!と鼻で笑った。

「────では!始め!」

試験官の声が上がると、アッシュは指を一本立てて、その先に小さな黒い玉を作り出す。
どうやら闇属性魔法で作った初級魔法にも満たない小さな魔力の塊の様だが……。

「攻撃魔法じゃない?」

「あまり魔法は得意じゃない様だな。物理特化型とみた!」

「あ~ん♡でも、カッコいいから何でもいい!」

多種多様な意見を口にする周囲の受験生達の前で、アッシュはフッと笑うと、その黒い玉をピンッと上に弾き、それは地面に向かって落ちていく。
あ、落ちる!と思われたその瞬間、なんとアッシュはそれを蹴飛ばしたのだ。

「────なっ!?」

「なにぃぃぃ!!??」

これには驚いたのか、試験官も目を見開く。
そしてそれが正確に的にぶつかると、ズガンッ!!!と物凄い音を立てて魔道具が大きく揺れた。

「……点数……計測不能……??」

試験官が更に大きく目を見開いたまま呟くと、周囲は一気に騒ぎ出す。

「計測不能ってどういう事……?」

「故障じゃないのか……?」

ざわざわとざわつく受験生達を諌めながら、我に返った試験官は慌てて魔道具のチェックをしていたが、魔道具に不備は見られず首を傾げた。

「故障は見当たりません……。つまり……この魔道具で計測できる値を越えたと考えられます……。」

恐怖で引きつった顔で、魔道具をチェックした試験官が説明すれば、また一気に周囲はざわついたが、本人は全く気にしていない様子でニコッと笑う。

「俺はルーク様の護衛、アッシュ。主人を害する者は全力で排除するつもりだから、それを念頭に置いてちょっかいをかけてきてね?」

穏やかな笑みを浮かべてそう言ったアッシュに、周りからは黄色い悲鳴が上がったが、冷静にアッシュを見ていた試験官や受験際達は顔色を悪くしていた。

「────チッ!」

セレンだけが殺気満々な目で睨みつける中、アッシュは堂々とこちらへと戻って来る。

「楽勝だね、あんなモノ。どっかの誰かさんはたかが99点で満足していたけど。」

「……ちょっと魔法が得意だからって調子に乗るなよ?油断してせいぜい寝首をかかれない様にな。」

セレンが、へっ!と鼻で笑うと、お互い髪の毛を引っ張り合う謎の喧嘩に突入。
もうこれはじゃれ合いみたいなモノだから放って置く事にした。

それから試験官達は、少し混乱していたものの、なんとか試験は再開し、受験生は順調に試験を終えていく。
しかし「15点!」「5点!」「25点!」と、やはり高得点は厳しそうだ。

「やっぱり平均点は例年通りみたいだな。────ん?」

そんな中、ちらほらと高得点を取得する者達もいる。
感想 16

あなたにおすすめの小説

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

忠犬男子が懐きすぎて異世界までついてきた「件」

竜弥
ファンタジー
異世界に転生する直前、天貴(てんき)が選べた“持ち物”は三つ── だが、彼はひとつしか持たなかった。 残されたのは部屋と、布団と、そして──忠犬。 「クータンを頼む」。それが、最後の言葉だった。 ぽつんと現代に残された玄太は、天貴の部屋で布団にくるまりながら泣いていた。 でも、捨てられたわけじゃなかった。 天貴が“本当に”持っていきたかったのは、玄太だったのだ。 その事実を知った瞬間、忠犬は立ち上がる。 天貴の武器を手に、異世界転送の手はずを整え、 天貴が今どんな敵と向き合い、何に苦しんでいるのかを知った玄太は、叫ぶ。 ──忘れ物はおれ!…届けに行くっすから! これは、異世界に送られた大好きな先輩を追って、 “忠犬男子”が次元を越えて追いかける、少しおかしくてちょっと泣ける物語。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

転生してしまったので服チートを駆使してこの世界で得た家族と一緒に旅をしようと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
俺はクギミヤ タツミ。 今年で33歳の社畜でございます 俺はとても運がない人間だったがこの日をもって異世界に転生しました しかし、そこは牢屋で見事にくそまみれになってしまう 汚れた囚人服に嫌気がさして、母さんの服を思い出していたのだが、現実を受け止めて抗ってみた。 すると、ステータスウィンドウが開けることに気づく。 そして、チートに気付いて無事にこの世界を気ままに旅することとなる。楽しい旅にしなくちゃな

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった

よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】 皆様の熱い応援、本当にありがとうございます! ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です! 【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】 電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。 気がついたら異世界召喚。 だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。 52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。 結論――王都の地下下水道に「廃棄」。 玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。 血管年齢は実年齢マイナス20歳。 そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。 だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。 下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。 捨てられた魔道具。 長年魔素を吸い続けた高純度魔石。 そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。 チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。 あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。 汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。 スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。 この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。 魔力は毒である。代謝こそが命である。 軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。 でも、だからこそ――まず1話、読んでください。 【最新情報&著者プロフィール】 代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作! ◆ 2月に待望の【第2巻】刊行! ◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中! ◆ 【コミカライズ企画進行中】! すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!