【本編完結】特技媚びる!の 底辺無能おっさんは1000年後の未来で自分の元奴隷に会うが……えっ?どういう事??

バナナ男さん

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真実の表側

3 八つ当たり

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罵倒され、殴られ、理不尽な事を言われては、土下座!土下座!土下座!!
何日もご飯もくれずにゴミを食べさせられたり、真冬に水を掛けられたりとか……もしかして【渡り人】って身体が丈夫な能力ある?ってくらい死んでもおかしくはない酷い扱いをされてきた。

このままで人生が終わると考えたら、『これだけ酷い扱いをされたのだから、誰かにも同じ扱いをしてやりたい』という悪い気持ちがムクムクと生まれ────その夢を叶えるためだけに、ここまで生きてきたと言っても過言ではない。

「まぁ、要は八つ当たりってやつだけどさぁ~……。
……別にいいだろう?俺だってずっとずっとされてきたんだからさ。」

なんとなく暗い気持ちになってしまい、キラキラ光る硬貨の光りから逃れる様に収納庫の扉を閉めて、敷物とロッカーをソッ……と乗せた。

当事者に復讐する勇気も力もなし。
ただの小狡いネズミ野郎には、これくらいしか自分の気持ちを消化する方法なんて思いつかない。

自分よりも弱い存在に八つ当たりするくらいしか……。

シーンとしてしまった室内には、上の階から聞こえる激しくなるベッドのギシギシと軋む音しか聞こえなくなる。
すると、だんだんと何とも言えない気持ちは形を変えていき、ハッキリとした怒りの感情へとフルチェンジ。
俺はその感情のまま、ギロッ!と天井を睨みつけた。

「くそ~!アイツら、いつも競うようにベッドを揺らしやがってぇぇ~!
こちとら女なんて無縁の童貞様だぞ!いつもいつもぉぉぉ~!!
もしも俺が誰もが振り返る美女だったら、あいつらから金を毟るだけ毟ってやるのに……。
いや……絶世の美青年だったら貴族のペットになって優雅なヒモ生活を────。」

モヤモヤ~と輝く様な人生を思い浮かべ、現実との差に気持ちはズ──ン……と重くなる。
結局それ以上意味のない事を考えるのは止めて、その日はそのまま不貞腐れる様に寝てしまった。


次の日。
朝日と共に起きた俺は、建物内の掃除を開始!
機嫌次第では、小姑よりも細かいお掃除チェックに怒号と暴力が飛んでくるので、掃除も命懸けだ。
そして全てピカピカに磨いた後、直ぐにキッチンへ行き朝飯の支度を開始し、ポツポツ起きてくるメンバー達へご飯を配った。

「昨日買った女達最高だったわ~。あの店は当分贔屓にしよう。」

「ちょっと値が張るがな。その分レベルは高けぇよな。俺も最高だったわー。」

メンバー達はご機嫌で笑いながら、昨日のお楽しみについてペラペラと語り合う。
しかし、次第に話題が不穏なモノになっていったので、俺は食べ終わった皿を片付けながら、静かに聞き耳を立てた。

「そういや~この間聞いたけど、ビュードが領主様の愛人寝とったってマジ?」

「マジマジ。ちょっとそれやべぇんじゃねぇの?」

そのままワイワイ、ガヤガヤとそのことについて全員が話し出すのを聞きながら、俺も確かにそれはヤバいなと内心焦る。

領主様は、ここら一帯を治めるお貴族様。
そんな人の愛人を寝とったとあれば、今直ぐ死刑になってもおかしくないレベルだ。

「…………。」

嫌な予感にピリッと空気が悪くなったが、気怠げな様子のビュードが起きてくると、全員直ぐに口を閉じてビュードに注目する。

「今度の依頼は~森で異常発生したゴブリン達の殲滅だ。
結構な数らしくてな、先週大手の商会の輸送商品が根こそぎ奪われたらしい。
随分高価な品物が多かったらしくて、巣へ持ち込まれているそれをできるだけ回収してくれってよ。
その回収率で、特別ボーナスとして料金を上乗せするとも言っている。」

大手の商会、更に特別ボーナスと聞き、パーティーメンバー達は、おおっ~!!と歓声を上げた。


<ゴブリン>

子供ほどの大きさで、全体的に緑色の肌色をしているモンスター。
性格は非常に攻撃的で、人を攫って食べたり、拷問の様な事をして遊ぶ習性を持つ。
力はそこまで強くないが、成人の大人より強い力を持っているため、一般人が相手をするのは無理。
繁殖力も高く、あっという間に数を増やしては村を襲うため、見つけ次第すぐ討伐が推奨されている。


ゴブリンは俺みたいな力がない一般人には脅威の存在だが、戦闘能力の高い冒険者にとっては稼ぎの良い獲物扱いされていて、特に商会からの依頼では、商品の回収率次第でかなり良い稼ぎになるため大人気の依頼だ。
そのため全員ご機嫌で用意を始め、それぞれ武器や防具を身につけては、俺に遠出に必要な荷物を全て投げつけてきた。

「おいっ!ドブネズミ!!さっさと出発するぞ!!
中の荷物に傷一つでもあったら……分かってんだろうな?」

「イエッサ~!ボス!!」

俺はいつも通り、ビシッ!と敬礼つきで答えると、直ぐに投げつけられた荷物を器用に巨大バックに括りつけていく。
そして自分の背丈よりも大きなバックを背負い、身軽な様子で出発するヒュード達について行った。
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