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真実の表側
58 選んだ答え
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「一緒に消えよう。今度は一緒に逝こうな、サン。」
俺の言った言葉にサンは一瞬目を見開き驚いた顔をしたが……。
「────はい。」
幸せそうな笑みを浮かべたまま、アッサリとそう答えた。
サンと幸せに暮らす事。
その幸せは、沢山の犠牲者の上には存在しない。
何も悪いことをしてない奴らが、ある日突然理不尽に命を奪われ……そして奪ったヤツがのうのうと幸せに生きるなんて、俺は絶対に嫌だと思うから。
俺は自分の今までの人生を振り返り、そう強く思った。
俺は聖人じゃないから、そりゃ~沢山のモノを恨んできた。
俺を役立たずだと捨てた両親だって、助けてくれない周りの奴らだって、俺を馬鹿にして楽しむ奴らだって、ぶっちゃけ死んじまえクソ野郎と思っている。
だからさ、自分だって、何も悪いことしてねぇ奴らを虐げておいて、幸せに暮らすなんてできねぇって事!
だって俺はいつも、その犠牲になる方だからさ!
ニコッと笑いながら、自分の胸を掴んだ。
悔しい気持ちも悲しい気持ちも憎い気持ちも……全部全部この中にある。
自分の心の奥底に、未だにべったりと残っている嫌な気持ちがあるのを確認して、口元が引きつる。
俺は、誰かを自分の身代わりの様に虐めたって、全然幸せだと思えなかった。
自分がされて嫌な事って、自分が誰かにやったって嫌な想いしか残らない。
だから俺は誰かの犠牲が下に敷かれた今、何をしたって幸せだと思う事は永遠になくなってしまったのだ。
「でも……何故ですか?だって願いは何でも叶うのに……。
何だか意外で……。」
「そうだなぁ~……。普通だったら絶対選ばねぇけど……。
俺は、悪いヤツは嫌いだし死んだって別に何とも思わねぇけど、良いやつが死んじまうのは嫌なんだ。
だから俺も同じ様に消えたいと思っちまった。それだけだ。」
「なるほど……。そうでしたか……。」
サンは一応思う所はあった様で少々悲しげな顔をしたが、俺を一度強く抱きしめると耳元に口を近づける。
「じゃあ、一緒に行きましょう。貴方と一緒ならどこだろうと俺は幸せです。今度は置いてかれないですね。」
「……そうだな。今度はちゃんと一緒に行こうか。」
恐ろしい程美しい顔をしたサンが、俺なんかを抱きしめて幸せそうに笑った。
すると痛みもなく俺の身体もサンの身体も溶けていき……俺達の境界線がなくなっていく。
そして────────俺という存在もサンという存在も、全てが消えて一つになった。
…………。
『何もない』……。
どこを見ても真っ暗で、なんの感覚も感じない……そんな世界に放り出された感覚を感じ……それでも一瞬だけ『俺』としての意識が覚醒して目を開けた。
『これが人の……生物の本来あるべき姿ってやつ……??』
漠然とそう思いながら目を閉じ、『俺』としての意識はそのまま消滅する────はずだったのに……………??
────カチッ!!!
……………………。
…………カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……。
何故かまた遠くの方で時計の針が動き出す様な音が聞こえ始めて……消えようとする意識は中断される。
更にその音が鳴る度に、薄れていった意識が凄まじい早さで戻ってきた。
これは……一体何が起きているんだ!!?
パッ!!と目を開くと、視界に写るのは真っ黒な空間と沢山の輝く星達。
そして動いている巨大な時計の針の様なモノだった。
『何なんだ?アレは……!』
呆然としながらその針を見つめていると、なんとその針は凄まじい勢いで逆回転し始め────突然頭の中に、声が聞こえた。
《ギフト【渡り鳥】のスキル条件を満たしました。
これよりスキル<時渡り(過去)>を発動し、肉体を完全再生し1000年前の未来の分岐点へ渡ります。》
『は……はぁぁぁぁぁっ!!!???』
言っている言葉の意味を理解すると、ギョッ!としながらなんとなく回転し続ける針へと手を伸ばそうとするが、その手を誰かにはたき落とされる。
「あ~……あっぶね~!俺、完全に消えてたじゃんか!
────仕方ねぇ事だけどさ、できたらもう少し長くもたせたいじゃん。
だから頑張ってくれよ。
俺のギフトは、復讐を願う者には使えねぇし干渉もできないんだ。
そこまで使えたヤツってお前が初めてだからさ、ちょっと期待してんだぜ?
それ使って死ぬ気で足掻いてくれよな。」
『────あ、あれ……あんた、まさか……雀の……?』
聞き覚えがある声に驚き、直ぐに確認しようとそいつの顔へ視線を向けたが、その顔は真っ黒になっていて見えなかった。
そして────……。
────カッ!!!!!
大きな光に何も見えなくなって、身体は大きくどこかに引っ張られる。
『────────サンッ!!!』
大声でサンの名前を呼んだ、その時……突然ハッ!!と意識は戻り、目を開けた。
すると自分の手が見えて、その手にはしっかり金が入った袋を握っているのが見える。
「ま……まさかっ!!」
俺はバッ!!と直ぐに視線を上げると、そこには馬に乗った兵士らしき男達が沢山いて、俺に一斉に剣を向けていた。
こ、ここは……1000年前の……あの時の……!
見覚えのある景色に、サァァ~……と血の気が引いていくのを感じながら突っ立っていると、後ろからやたら高そうな服を着た上品な男が馬に乗ってやってくる。
「おい、お前はあの男の仲間の様だな。約束のモノはどこだ?」
高慢ちきに質問してくる上品な男は……俺を殺した男、レイケルだ!!!
ドッ!!と汗を掻き、どうしようどうしよう……!と心の中で頭を抱えた。
なんで……なんでこのタイミングなんだよ!!
これじゃあ、何もできないじゃないか!!
俺の言った言葉にサンは一瞬目を見開き驚いた顔をしたが……。
「────はい。」
幸せそうな笑みを浮かべたまま、アッサリとそう答えた。
サンと幸せに暮らす事。
その幸せは、沢山の犠牲者の上には存在しない。
何も悪いことをしてない奴らが、ある日突然理不尽に命を奪われ……そして奪ったヤツがのうのうと幸せに生きるなんて、俺は絶対に嫌だと思うから。
俺は自分の今までの人生を振り返り、そう強く思った。
俺は聖人じゃないから、そりゃ~沢山のモノを恨んできた。
俺を役立たずだと捨てた両親だって、助けてくれない周りの奴らだって、俺を馬鹿にして楽しむ奴らだって、ぶっちゃけ死んじまえクソ野郎と思っている。
だからさ、自分だって、何も悪いことしてねぇ奴らを虐げておいて、幸せに暮らすなんてできねぇって事!
だって俺はいつも、その犠牲になる方だからさ!
ニコッと笑いながら、自分の胸を掴んだ。
悔しい気持ちも悲しい気持ちも憎い気持ちも……全部全部この中にある。
自分の心の奥底に、未だにべったりと残っている嫌な気持ちがあるのを確認して、口元が引きつる。
俺は、誰かを自分の身代わりの様に虐めたって、全然幸せだと思えなかった。
自分がされて嫌な事って、自分が誰かにやったって嫌な想いしか残らない。
だから俺は誰かの犠牲が下に敷かれた今、何をしたって幸せだと思う事は永遠になくなってしまったのだ。
「でも……何故ですか?だって願いは何でも叶うのに……。
何だか意外で……。」
「そうだなぁ~……。普通だったら絶対選ばねぇけど……。
俺は、悪いヤツは嫌いだし死んだって別に何とも思わねぇけど、良いやつが死んじまうのは嫌なんだ。
だから俺も同じ様に消えたいと思っちまった。それだけだ。」
「なるほど……。そうでしたか……。」
サンは一応思う所はあった様で少々悲しげな顔をしたが、俺を一度強く抱きしめると耳元に口を近づける。
「じゃあ、一緒に行きましょう。貴方と一緒ならどこだろうと俺は幸せです。今度は置いてかれないですね。」
「……そうだな。今度はちゃんと一緒に行こうか。」
恐ろしい程美しい顔をしたサンが、俺なんかを抱きしめて幸せそうに笑った。
すると痛みもなく俺の身体もサンの身体も溶けていき……俺達の境界線がなくなっていく。
そして────────俺という存在もサンという存在も、全てが消えて一つになった。
…………。
『何もない』……。
どこを見ても真っ暗で、なんの感覚も感じない……そんな世界に放り出された感覚を感じ……それでも一瞬だけ『俺』としての意識が覚醒して目を開けた。
『これが人の……生物の本来あるべき姿ってやつ……??』
漠然とそう思いながら目を閉じ、『俺』としての意識はそのまま消滅する────はずだったのに……………??
────カチッ!!!
……………………。
…………カチッ……カチッ……カチッ……カチッ……。
何故かまた遠くの方で時計の針が動き出す様な音が聞こえ始めて……消えようとする意識は中断される。
更にその音が鳴る度に、薄れていった意識が凄まじい早さで戻ってきた。
これは……一体何が起きているんだ!!?
パッ!!と目を開くと、視界に写るのは真っ黒な空間と沢山の輝く星達。
そして動いている巨大な時計の針の様なモノだった。
『何なんだ?アレは……!』
呆然としながらその針を見つめていると、なんとその針は凄まじい勢いで逆回転し始め────突然頭の中に、声が聞こえた。
《ギフト【渡り鳥】のスキル条件を満たしました。
これよりスキル<時渡り(過去)>を発動し、肉体を完全再生し1000年前の未来の分岐点へ渡ります。》
『は……はぁぁぁぁぁっ!!!???』
言っている言葉の意味を理解すると、ギョッ!としながらなんとなく回転し続ける針へと手を伸ばそうとするが、その手を誰かにはたき落とされる。
「あ~……あっぶね~!俺、完全に消えてたじゃんか!
────仕方ねぇ事だけどさ、できたらもう少し長くもたせたいじゃん。
だから頑張ってくれよ。
俺のギフトは、復讐を願う者には使えねぇし干渉もできないんだ。
そこまで使えたヤツってお前が初めてだからさ、ちょっと期待してんだぜ?
それ使って死ぬ気で足掻いてくれよな。」
『────あ、あれ……あんた、まさか……雀の……?』
聞き覚えがある声に驚き、直ぐに確認しようとそいつの顔へ視線を向けたが、その顔は真っ黒になっていて見えなかった。
そして────……。
────カッ!!!!!
大きな光に何も見えなくなって、身体は大きくどこかに引っ張られる。
『────────サンッ!!!』
大声でサンの名前を呼んだ、その時……突然ハッ!!と意識は戻り、目を開けた。
すると自分の手が見えて、その手にはしっかり金が入った袋を握っているのが見える。
「ま……まさかっ!!」
俺はバッ!!と直ぐに視線を上げると、そこには馬に乗った兵士らしき男達が沢山いて、俺に一斉に剣を向けていた。
こ、ここは……1000年前の……あの時の……!
見覚えのある景色に、サァァ~……と血の気が引いていくのを感じながら突っ立っていると、後ろからやたら高そうな服を着た上品な男が馬に乗ってやってくる。
「おい、お前はあの男の仲間の様だな。約束のモノはどこだ?」
高慢ちきに質問してくる上品な男は……俺を殺した男、レイケルだ!!!
ドッ!!と汗を掻き、どうしようどうしよう……!と心の中で頭を抱えた。
なんで……なんでこのタイミングなんだよ!!
これじゃあ、何もできないじゃないか!!
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