姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……

泉花ゆき

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珍しく、この屋敷で暮らす面々が揃って迎えた朝食の時でした。 

席についているのはこの州一帯を取り仕切るような名門である凌家の嫡男、涼珩リャンハン。 
第一夫人である蘭珠ランジュ、第二夫人の連花リェンホア。 
そして凌家夫人である、蘭珠にとっての姑です。   

家の嫡男、涼珩リャンハンは、何となく沈んだ顔をしています。 
夫のそんな様子を、彼の第一夫人で豪商の娘である蘭珠ランジュはちらっと眺めました。

姑や第二夫人の連花と、第一夫人の蘭珠とは、お世辞でも仲がいいとは言えません。 
仮にも正妻である蘭珠とその他の女性の関係がよくないことは、彼女たちの夫であり息子である涼珩リャンハンには何となく、居心地が悪いことなのかもしれません。 

それは、蘭珠が勝手に居心地が悪くなっているだけかもしれないけれど…… 
けれど原因の大部分は、二人の女性があからさまに蘭珠を敵対視していることにありました。 

その日も、表面上だけは穏やかに食事を終えた後…… 

食後の紅茶を辞退しようか、なんていう案が蘭珠の頭を掠めた頃。 
ぱんっ、と手を打ち付ける、明るい音がその場に響きました。 

「皆様~、本日はとてもステキなご報告がございますの!」 

それは、第二夫人の連花。 
夫である涼珩リャンハンの母親……蘭珠の姑にあたる人物が勝手に連れてきた女性でした。 

手を打ち付けて皆の注目を集めた連花は楽しそうに、誰の返事も聞かずに話を続けました。 

「わたくし、とうとう子供を授かったのですわ!」 
 
(……え?) 

蘭珠は、連花の言葉に眉をひそめます。 

(子供……ですか)  

義母は確かに跡継ぎをずっと望んでいたし、第二夫人の彼女が身籠ったことも、何の不思議もないかもしれません。 

(……でも、おかしいわね) 

第二夫人である彼女の夫……もちろん、蘭珠の夫でもある侯爵令息の涼珩リャンハン。 

(彼、どう考えても……) 

子供の生命がどうやって女性のお腹に芽生えるのかを。 
つまり、端的に言えば。 

(子作りの方法を、全くと言っていいほど知らなかったはずなんですけど) 
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