親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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領主の娘……ということは、ご令嬢には間違いのないようです。

(ずいぶん自由そうなお方だけれど……)

「はじめまして、カレンよ。アルとは腐れ縁っていうか、兄弟みたいなもんだから。よろしく!」

「……初めまして、カレン様。リリアーナ・ベルナールと申します。アルフレッド様と婚約させていただきました」

私が丁寧に頭を下げると、カレン様は私の顔をまじまじと見つめて、ふっと笑いました。

「ふーん、あなたがリリアーナちゃん?」

「あの、何か……?」

そもそも、不躾に顔をじろじろと眺められる経験がなかったので……私は戸惑いながら尋ねます。

「ううん、案外普通の子なんだなーと思って。もっとこう、アルが好きそうな元気で派手なタイプかと思ったんだけど」  

「……っ」

(どういうこと……?)

普通だという評価はともかくとして、アルフレッド様の好みとは別、だなんて。
思わず彼の方を見てしまいましたが、当のアルフレッド様とは視線が合わず。ただ彼は苦笑いをして彼女の方を見ているだけでした。

「……カレン、余計なことを言うなよ」

「あはは、ごめんごめん!私、嘘つけないタイプだからさー。でも、可愛らしくていいと思うよ。アルにはもったいないくらいかもね!」

彼女はそう言うと、私の肩をポンと叩きました。 

初対面の令嬢同士。本来であれば考えられないほど馴れ馴れしい態度です。 
けれど、アルフレッド様は特に咎める様子もありません。

「カレンは昔からこうでさあ……誤解しないでほしいんだ、悪気はないから」

(アルフレッド様とようやく目があったかと思えば……)

なによりもまず、その方のフォローから始まるだなんて。

「その……とても仲がよろしいのですね、お二人とも」

私が努めて穏やかにそう言うと、カレン様は嬉しそうにアルフレッド様の腕に自分の腕を絡めました。

(これは……友人の距離感で済ませていい距離感なの……!?)

内心で驚いている私をよそにして、カレン様は意気揚々と話し始めます。

「そうなの!私たち、腐れ縁っていうか、悪友っていうか。アルの初恋なんかも、全部私が知ってるしねー。ね、アル?」 

「よせよ、カレン。リリアーナの前でそんな昔の話……」 

「いいじゃん、減るもんじゃないし! ほらアル、リリアーナちゃんがびっくりしてるよ」

驚いているのは主にあなたの無作法ですが、と。
今でしたらそうお伝えできるのですが。

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