親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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「うーん、どうかなぁ?おばさま、ああ見えて結構好き嫌い激しいからさ。私が横からフォローしてあげないと、リリアーナちゃん初日から嫌われちゃうかもよ?」 

「……」

私は今度こそ黙するのみに徹して、微笑みを貼り付けました。それが彼女にどう映ったのかは分かりません。もしかしたら、強がりとでも取られたのかしら。

「……あ、ごめんね!私こう見えて心配性だからさ、つい言っちゃって!」

カレン様はそう言って、舌を出して明るさをたっぷり含ませながら笑ってみせました。けれどもその瞳は全く笑っていません。それどころか、自分がいなければ、お前はこの家で上手くやっていけない……という、明確な上から目線の言葉でした。

……けれどもアルフレッド様は本当に何も気が付いておらず。またしても悪気はなくカレン様へ真実を突きつけていました。

「ははは、カレンは心配しすぎだよ……リリアーナは僕の両親へ贈る品についても考えてくれているんだ。事前に僕を通じて、母様の最近の健康状態や好みを知ってくれていたんだよ」

「……は?」

カレン様の、低い声が響きました。

「カレン……君はいろいろと心配しているみたいだけれど、リリアーナは年下だけどしっかりしているから」

「……っ!!」

彼女の笑顔が今度こそ完全に固まります。

「母様、最近は甘すぎるものを控えるように医者に言われているんだって。だからリリアーナはあえて、このほろ苦いカラメルのお菓子を選んでくれたんだ」

そう言うと、アルフレッド様は柔らかい笑みを作って私の方を見ます。カレン様は、そのアルフレッド様の笑顔を信じられないものを見る目で凝視していました。
 
「ねえ、リリアーナ。母様の体調まで気遣ってくれるなんて、本当に君を婚約者に選んでよかったよ」

アルフレッド様は私へと慈しむような視線を向けました。……彼にとっては、私の考えを伝えることでカレン様を安心させるための言葉だったのでしょう。 

けれどもカレン様にとってそれは、自分が誇っていた家族同然だという情報……それが既に過去のものではあると突きつけられた瞬間でした。

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