親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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室内からは、アルフレッド様の困惑した声が続きます。

「リリアーナはそんなことしないと思うけど……」

「そういうことじゃないの!だって結局一人で飛び出していっちゃって……あんなの、すっごく感じ悪いよ。おばさまに何か、自分だけがいい顔するようなこと言ってるんだ……」

「カレン……」

「私分かるもん!ああいう子はんだよ、注目集めるために何でもするんだから……!」

「……」

(……奥様が言っていたのは、こういうことなのかしら)

『あの子は、自分が中心にいないと気が済まないのでしょうね』

アルフレッドのお母様、侯爵夫人の先程の言葉がありありと浮かび上がります。

(……カレン様ご自身がそうだから、人もそうに決まっているだなんて思い込んでるということ?下らない……)

「アルはお人好しすぎて騙されやすいって、私散々言ったよね!?今だってあの子、アルの悪口とか言ってるかもしれないのに」

(??言うわけはないけれど、それをアルフレッド様のお母様に言って何になるというの……?)

人をおとしめたいがために支離滅裂になっているようなカレン様の言葉。それを、アルフレッド様は一笑に付されました。

「ははは……カレン、いい加減に考えすぎだよ。リリアーナはそんな子じゃないって。彼女はとても誠実で、僕のことも大切に思ってくれているんだから」

(……アルフレッド様……)

私にとって幸いだったのは、アルフレッド様がカレン様の虚言について何も取り合わなかったことです。
アルフレッド様が苦笑混じりに答えていたその返答に、私はほんの少しだけ安堵することが出来ます。

(……少なくとも、学園で育んだ私たちの時間の方を、アルフレッド様は信じてくれているのね)

けれど、カレン様はそれを良しとはしませんでした。
彼女にとって、アルフレッド様が私を全うに評価することは、自分の正解が否定されることと同じなのでしょう。

「……アル、変わっちゃったね」

急に、カレン様の声が低くなりました。

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