親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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「そんな……っ、え、エリオット君、それは……っその……」

この場において責任があるのは誰だ?と突きつけたエリオット。
アルフレッド様が顔を青くして縋るような声を上げますが、その体は依然としてカレン様に絡め取られたまま。

「あの方たちは、今日はいつにもましてひどいな……」

「旦那様へご報告を……」

「しっ……坊ちゃまに聞こえるぞ……!」

背後では侯爵家の使用人たちがざわつき始め、見てはいけないものを見たという顔で次々と壁際に身を潜めていきます。

(いつにも増して、だなんて……これよりは控えめかもしれないとはいえ、いつもこんな惨状が繰り広げられてるの……?)

そんな馬鹿みたいな光景の中で、カレン様は再びアルフレッド様の首に腕を回してしまい。
それどころか、社交に出ていれば聞くことのないような台詞さえ、彼女の口から飛び出しました。

「アルぅ、厚遇ってでしょ?あの子たちが勝手に怒ってるだけなんだから、放っておけばいいじゃない」

「うっ……カレン、ちょっと静かにしていてくれないか……!」

……こんなことをされて、だれが本当に厚遇を受けたと父に伝えると思うのでしょうか。
アルフレッド様は正しく理解をされているようだけれど、カレン様はもしかしたら本気で私が父に「侯爵家ではアルフレッド様にとてもよくしていただいて……」と報告すると信じている?

(……あの人の、侯爵家への執着を考えるとそれも自然であるように感じられておそろしいわ)

「……カレン様にとっては、この場は何事にも代えがたい甘い場所なのでしょうけれど」

唇には、やはり笑みを浮かべてしまいます。あまりにもカレン様が愚かなことをおっしゃるから。

「私にとってはちょっとした掛け違いでしかありませんので、あしからず」

ここに来てしまったのは何かの間違いだったのだと。そう意味を込めて。
意味は伝わらずとも、込めたとげとげしさだけは理解されたカレン様。

「な、なによ……!よく分かんないけど馬鹿にしてるんでしょう、それくらい伝わってるんだから!」

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