親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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「へえ……つまりそれって、同世代の中でもトップクラスに優秀じゃないと選ばれないやつじゃない?グフッ……そんなに将来有望なら、もっと早く言ってくれればいいのに!」

今の今まで生意気だの性根が腐ってるだのこき下ろしていた相手。その年下の少年が、自分よりもずっと高い地位に手が届く場所にいると知ったカレン様。
その声に宿ったのは、粘ついている欲望でした。

「……ねえ、エリオット君?そんなに冷たい声出さないでよ。もっと近くに来てくれたら、優しいが熱い気持ちになる方法を教えてあげるわよ?」

……つい今しがた暴言を吐いた上で、何て気持ち悪いことを。
思わず振り返ってしまった私の視線の先では、カレン様がまるで品評会で高価な品物を見つけたかのような……嫌な手つきで自分の唇をなぞっていました。

振り返った先でもカレン様は、アルフレッド様の腕に抱きついたまま。そんな姿勢で、エリオットを舐めるように見つめています。

男に身を絡ませながら別の少年へ狙いを定める。そうしながら身をくねらせている歳上の姿というのは何とも醜悪で、私は振り返ったことを後悔するばかり。

「お城の難しい勉強ばかりじゃ疲れちゃうでしょ?が手取り足取り大人の楽しみを教えてあげるってばぁ。ねえ、こっち向いてよ」

エリオットは正面を向いたまま、思い切り眉を寄せました。
隣にいる私にしか聞こえないような小さな声が、彼の唇から漏れます。

もはや彼はその人を人間と見なすことを辞めたようですが、私としても咎める気が怒らないほどには憤りがわいています。

「……姉様。あの猿のようなものは何を言っているんですか」

「さあ……通じ合える言葉なんでしょう。あまり分からないでもいいと思うわ……」

エリオットは発言の意味が分からないというわけではないのでしょう。ただし内容の気味悪さが変わるわけではありません。
実際にこのような言葉も声色さえも、身内である弟に聞かせてよいと思うものは何一つ存在しないものでした。


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