親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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柔らかな寝台に身を沈めると、暗がりの中で今日起きた出来事が走馬灯のように浮かんできました。

アルフレッド様とは学園で出会いました。

(彼から婚約を申し込まれたときは、驚きとともに淡い期待を抱いたのだけれど……)

……学園での彼はもっと理性的で、自分のことのみならず私のことも尊重してくれる人だと思っていました。けれども今日その喜びを胸に抱いて訪れた侯爵家で目にしたのは……思い描いていたものとは程遠い、おぞましい光景で。

私の目の前で、カレンという女性を侍らせていた彼の姿。そして、カレンが弟のエリオットにまで向けた不潔な誘いの視線。それらは貴族としての、人としての私の誇りをひどく傷つけるようなもの。

家のため……そして私のために、エリオットが即座に動いてくれたことは何よりの救いでした。
彼は私をあの場所から連れ出し、家族の元へと連れ帰ってくれました。お父様もお母様も、私の不手際を責めることなく、守るために動いてくださっています。

今回のことは確かに大きな災難でした。それでも、幸いだったこともいくつかありました。

まず、まだ婚約の口約束を交わしたばかりだったこと。届け出や正式な周知の前だったことです。
これにより、伯爵家の名に癒えない傷がつく事態は避けられました。

そして何よりも家族が私の言葉を信じ、全面的に支持してくれていること。
エリオットがいち早く異変を察知して介入してくれたおかげで、私が相手の執着に呑み込まれる前に離脱できたことも幸運でした。

両親はあのように力強く言ってくれました。そのおかげで私の心は確かに安らいでいます。

(けれど、決して油断はできない……)

家族は、もう伯爵家においてあの二人の声を聴かせないし、顔も見せないと約束してくれました。

……けれども相手は常識外れのことを平然としてくるような人々です。こちらがどれほど拒絶しても、彼らがいつどのような強硬手段に出てくるかは分かりません。

……家族の愛情を信じながらも、自分自身も伯爵家の娘として強くあらねばなりません。

心の奥で静かに覚悟を決めました。心地よい安らぎと未来への決意をともに抱いて……私はゆっくりと眠りにつきました。

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