親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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けれどもそれは、リリアーナの気持ちなどを一切かえりみていない自分本位なだけの解決策。
表面上がアルフレッドにとって心地よければ、それだけでよかったから。

それでも、彼のこれから送らなければならない人生の中で……リリアーナという都合のいい安らぎを失うことだけは耐えがたいように思われたのだった。

「ねえ、アル。いつまでそんな怖い顔してるの」

背後からかけられた声にアルフレッドは我に返った。カレンが先ほどまでリリアーナが座っていた椅子に深く腰掛け、テーブルに残された菓子を平然とつまんでいる。

「……リリアーナを怒らせてしまった。少し間が悪かったかな……」

アルフレッドが後悔していたのは、あくまで段取りの悪さについてであった。

本来であれば、事前に幼馴染を紹介するとリリアーナに伝えておくべきであった。それを怠り、いきなり対面させたことが彼女の気分を害したのだろう……彼はそう考えている。

また、リリアーナの前でカレンと親しくしすぎたことも、配慮に欠けていたかもしれないとは思い至った。

呼び捨てや昔馴染みの空気感を隠さずに出したことで、婚約者であるリリアーナに恥をかかせてしまったのではないかという思いがあった。  

(カレンは昔から礼儀やマナーにとらわれない、自由な人だから……)

……それでも。
挨拶もまともにできないカレンをその場で咎めなかったことも、当主の跡継ぎとしては不手際だったのかもしれない。

リリアーナの寛容さに甘え、彼女にばかり我慢を強いてしまった自分の立ち振る舞い。それが場を台無しにしたのだと、アルフレッドも気付いていないわけではなかった。

……ただし、その反省はどこまでも表面的なものであった。
リリアーナの尊厳を傷つけたという自覚はなく、ただ自分のエスコートが少しばかり稚拙だったという程度の認識に過ぎなかった。

カレンの愚痴はその気持ちに拍車を掛ける。

「は~?あんなの勝手にキレて帰っただけじゃない。あんなに声を荒らげてさ」

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