まねをしてくる令嬢に婚約者を取られたので、偽りの情報で破滅させます

泉花ゆき

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……彼女……男爵令嬢のメアリィ様は、この学園で出会った方です。

メアリィ様のお家は、元々は大きな商家だということでした。
メアリィ様のお父様……現男爵となるお方が、点在されていた自身の土地を大きくまとめ領地とし、王家の承認を得たことで男爵となったということです。

ですから、そのお家にとって男爵令嬢というのはメアリィ様が初めてだとのこと。

……そして。
なぜだか分からないのだけれど、彼女は出会ったときから私の真似をしてきていました。

髪型、小物から始まって、ドレスや休日に身に着ける衣服まで。

……彼女の髪は、出会った当初は柔らかな栗色をしていました。
それがある日、輝くようなブロンドとなっていたのです。

『特別な染め粉を調合してもらったんです!』

そう話す彼女の笑顔は、悪気など何ひとつもないように無邪気なものでした。

髪色を変え、髪型を揃え、身のこなし方のひとつひとつ……
気が付けば、メアリィ様は私の写し鏡のようになっていきます。

背丈や体格にあまり差がないこともあって、後ろから見れば間違われてしまったということもありました。

『聞いてください~。あたしまた、セレスティーヌ様と間違われてしまいました』

『まあ……そんなに似ているのかしら』

そう言って笑って何度も報告をされたけれど……まだその時は違和感がありながらも、微笑んで返事をしている余裕が私にもあったのです。

だというのに……

あのネックレスのことがあって……そして、今度は。

(私の婚約者である、ライアン様を……?)

私は心臓が激しく脈打つのを感じながら、かろうじて言葉を絞り出しました。

「ライアン様……これは、どういうことですか?どうして私の婚約者であるあなたが、他の方を抱き寄せているのです」

私の問いに、ライアン様は苦々しげな表情を浮かべました。
かつて私に向けられていた穏やかな眼差しはどこにもありません。
そこにあるのは、敵意と……そして、軽蔑だけでした。

「どういうことか、だと?それを一番分かっているのは君だろう、セレスティーヌ」

ライアン様は、分かりきったことを云わせるな……そんな口調で切り出します。

「君が裏でメアリィに対してどれほど陰湿で、見るに堪えない嫌がらせを繰り返してきたか、すべて彼女から聞いた。君という女性がこれほどまでに醜い心を持っていたとは、思いもしなかったよ」

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