まねをしてくる令嬢に婚約者を取られたので、偽りの情報で破滅させます

泉花ゆき

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引きずり出されてきたのは、私の着替えや身の回りの世話を一番近くで手伝ってくれていたメイドのエマでした。
彼女は床に膝をつき、顔をぐしゃぐしゃにして泣き叫んでいます。

「お嬢様……!違うのです、私は……っ!」

エマのその姿を見て、私はくらくらと眩暈に襲われました。
学園でライアン様に裏切られたばかりなのに、家へ帰れば最も信頼していたはずの使用人にまで裏切られていたなんて。

今日は一体、どれほど私を絶望させれば気が済むのでしょうか。

私は震える足を叱咤して、彼女の前に立ちました。

「エマ……あなた、どうしてこんなことを……」

「セレスティーヌ様!申し訳ございません!どうか、どうかお許しを……っ」

彼女は私の靴に縋り付こうとしましたが、脇に控えていた下男たちに強く引き剥がされました。
私は執事の方を向き、震える声で問いかけました。

「どうして、彼女が犯人だと分かったのです?確かな証拠があると言っていましたね……」

執事は頷くと、懐から小さな銀色の鏡のような魔道具を取り出しました。
それは鈍い光を放っており、どこか不気味な気配を纏っています。

「はい、お父様が特別に用意されたものです。これは最新の魔術を組み込んだ道具で、特定の場所で起きた過去の出来事を映像として蘇らせることができるのです」

「映像を……?そんな魔術、聞いたことがありませんわ」

「左様でございます。まだ国からの認可が下りていない試作品のようなものですから……」

「未認可の魔道具ということ……?」

私の問い掛けに、執事は頷いて続けます。

「本来であれば公の場で証拠として使うことはできませんが、ここは伯爵家の屋敷内です。使用人の不祥事を内密に処理するため……という限定的な目的であれば、ご当主様の判断で使用が可能となります」

執事が魔道具を操作すると、空中にぼんやりとした光の幕が広がりました。

……そして、そこには。私の部屋に忍び込み、引き出しの奥からネックレスを盗み出すエマの姿が……はっきりと映し出されていました……

「何ということ………」

……認可されていようといまいと、魔道具としての働きは確かだということ。
つまり……言い逃れのできない、動かぬ証拠です。

「……これでもまだ、違うと言い張るの?」

「ひっ……」

私の問いに、エマは悲鳴のような声で喉を鳴らして顔を伏せました。


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